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August 16, 2004

「子年のお岩」

[コミック]★★★★★

『嗤(わら)う伊右衛門』を観ていて思い出した劇画が「子年のお岩」。
イラストレーターであり劇画家であった、上村一夫(1940〜1986没)の傑作!。
こちらも上村一夫氏が解釈。ただのエロ漫画ではありません。

「上村一夫珠玉作品集 (1) 」子年のお岩 ( 著者: 上村一夫 | 出版社: 愛育社 )

享和二年夏の始め、四ッ谷左門町の坂上から始まる、
父親を殺してしまった元武士の丹波伊右衛門と、
彼に言い寄られ結婚する事になってしまった田宮岩との
これは『純愛物語』。
貧しいながらも愛しあって暮らし始めた彼等の隣に
御薬園奉行の伊藤喜兵衛というじいさんと顔半分を隠した娘、綾が引っ越してくる。
彼等の庭には九頭蘭という美しいが毒をもつ花が…。
この綾の顔には醜い痣があった。
伊右衛門に恋してしまった綾のために、喜兵衛は風邪薬と称し、
岩に九頭蘭の毒薬を与えてさらに醜い姿にしてしまう。
そうすれば伊右衛門の心は綾へ向かうと考えたのだ。
更に、金銭と媚薬で伊右衛門を綾へとしばりつけ、家に返さない喜兵衛親子…。

そうとは知らぬ岩は、九頭蘭の毒薬のために病に伏してしまう。
一人、帰らぬ伊右衛門を待ちながら…。
家にやってきた父親の死の目撃者である按摩に身体を奪われそうになり、
そこで初めて自分が騙されていた事を知る。
そして、按摩との格闘の末、岩は死んでしまう。
ずるりとむけた顔の右側の皮、どんどん抜けてしまう髪にも気付かず…。

顔半分がむけただれ、髪が抜け落ちたものすごい顔を、
三途の川をのぞき、これを見てしまった岩。
または綾に化身して哀しみに満ちた表情で言う言葉、
「恨みますぞえ、伊右衛門さま…」
これはにはゾゾゾッ…。

ただし、心の底では愛しあっていた二人。
恨みは果たされ、永遠の愛にて幕を閉じる。

上村一夫の作品との出会いは、とある仕事。
書き下ろしのその画の和服の女性は細い切れ長の眼持ち、
憂いに満ちた表情でこちらを見ていた。
ドキッとした事を覚えている。
そして、「同棲時代」などのあの作者だと知りすっかりファンに…。
特にどっぷりとハマッてしまったのが、「狂人関係」と「修羅雪姫」。
彼の江戸ものはとにかく良い。
まさに『昭和の絵師』!!!
浮世絵から抜け出たような背景や動物。切れ長の眼の艶っぽい女性。
人間くさくて粋な男衆。そして『愛と恨しみの情』。
一度ハマると抜けられません。

この「上村一夫珠玉作品集 (1) 」には短編「神泉隠亡谷心中」が収録されています。

彼の美女画集はこちら。
この上村一夫珠玉作品集の表紙のイラストも収録されています。

上村一夫 美女画集
上村一夫 美女画集
上村 一夫
 
上村一夫の作品
■ 上村一夫の作品紹介1はこちら
■ 上村一夫の作品紹介2はこちら

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