「まぼろし」
[DVD映画]★★★★★
こんなに泣いてしまった映画は初めてかも!!
最初から最後まで、切ない切ない…。ティッシュケースの1/3は無くなっ。
これは、フランソワ・オゾン監督がたまたま出会った、
「フランス南西部のランド海岸での夫の失踪事件」
のエピソードを膨らませて作られたという、2001年フランスの作品「まぼろし」 。
結婚して25年になる夫婦。
妻マリー(シャーロット・ランプリング)と夫ジャン(ブリュノ・クレメール)。
毎年ランド地方の別荘でヴァカンスを過ごしている。
今年も同じようにバカンスを楽しみに来た。
大きな体で無口で優しい夫、ジャン。少し淋しそうな表情が印象的。
会話は無いが、わかりあえている夫婦。
何気ない日常のシーンにマリーの幸福感が溢れている。
浜辺でマリーの背中に優しくオイルを塗るジャン。
そして、海へ泳ぎに行き—————
うたた寝したマリーが目覚めても、ジャンは戻って来なかった…。
失踪した夫ジャン、もしかすると水死したかもしれないとどこかで諦め一見冷静に、
マリーはひとりパリへと戻り、有人に紹介されたヴァンサンを愛人としながらも、
夫の幻影と共に生活をする。
マリーを優しく抱き締めるジャンのまぼろし?には優しさが溢れている。
今でも彼の大きな愛情に包まれた彼女に、ジャンを忘れることなど出来るだろうか?
愛人ヴァンサンに言う。「あなたでは軽すぎる…」と。
夫の異変に気付けなかったマリー。
初めてそこで、冒頭のジャンの行動が思い起こされる。
自分もマリーと同じようにジャンの異変には気付いていなかったのだ。
誰も居ない夫の書斎。大きなジャケットのかかった夫の椅子。
母と子の絆、妻と夫の絆。つらい現実。そしてと再起。
傍にいるべき人物が突然いなくなった時の感じ。
嘘だと思いたくて、実際そこにまだ居る気がしてしまう。幻となって見えてしまう。
でも居ない。ポッカリと虚しい空間を埋めるようと、心は揺れ動く…。
細かいエピソード、心理描写に…ホロリ。
シャーロット・ランプリングの年齢を越えた美しさ!
若作りではなく本当に可愛く魅力的。
映画デビューはなんと「ナック」(1965年)ですよ〜!
ブリュノ・クレメールの年を重ねた大きな存在感が好き。
シャーロットとブリュノは「蘭の肉体」以来25年ぶりの共演だそう。
ゆえにか本物の夫婦のように呼吸もぴったり。
いや〜オゾン監督「8人の女たち」
ではそんなに…でしたが、
この「まぼろし」で、やられました。
特典映像もいきおいで鑑賞。
さすが!オゾン監督!!
■フランソワ・オゾン監督コメンタリー
■シャーロット・ランプリング&ブリュノ・クレメール インタビュー映像収録
■フランソワ・オゾン監督の未発表短編作品(各約12分)
“Mes parents un jour d'ete”
・スパでの夫婦の日常を撮っている
“Les Doigts dans le ventre”
・過食性の女の子のハナシ
・殺した家族写真を撮る男の子のハナシ
コメンタリーも短編作品もかなり見応えあり。

まぼろし<初回限定パッケージ仕様>
DVD BOX「海をみる」「クリミナル・ラヴァーズ」「ホームドラマ」「焼け石に水」
及び短編のオゾン監督の初期全9作品を収録。
フランソワ・オゾン DVD-BOX
フランソワ・オゾン
■ 映画「海をみる」のレビュー
■ 映画「クリミナル・ラヴァーズ」のレビュー
■ 映画「ホームドラマ」のレビュー
■ 映画「焼け石に水」のレビュー
■ 映画「8人の女たち」のレビュー
■ 映画「スイミングプール」のレビュー
フランソワ・オゾンの作品紹介とレビューの一覧
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