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December 08, 2004

「海をみる」

[DVD映画]★★★★☆

おなかいっぱい、オゾンワールド!!
まぼろし」で、すっかりはまってしまったのだが、
先日の「焼け石に水」といい、この「海をみる」といい、
この監督の作品は一体何なのだろう? ワタシのツボをぐいぐい押しまくるのだ。
最近最も気になる存在の一人、フランソワ・オゾン監督の短編3作が
サスペンス・スリラーからブラックなコメディ?まで
バラエティ豊かに味わえる1本。

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「海をみる」[作品別評価]★★★★★

なんてこったい!こんな結末だとは…(ちょっとそうかと思ったが)。
なんだかとっても物騒な物語。見知らぬ人に簡単に心を許してはいけない?!
"短編のヒッチコック"フランソワ・オゾン監督によるサスペンス・スリラー。
1997年の52分の短編作品。

海を臨む一軒家でサーシャ(サーシャ・ヘイルズ)は
まだ赤ん坊の娘シフラとふたりで出張中の夫の留守を守っている。
ある日突然、海から帰って来ると、見知らぬ女性…
バックパッカーの女、タチアナ(マリナ・ド・ヴァン)がやって来て、
庭にテントを張らせて欲しいと言う。
心淋しいサーシャはそれを許し、食事に誘ったり、風呂を使わせたり、
シフラの子守りをお願いしたりとどんどん親しくなるのだが…。

幸せな親子を見るタチアナの冷たい表情。
彼等の平和で幸せな姿が、きっと憎いに違い無い。
言動が怪しすぎるのだ。
サーシャに浮気をそそのかす、墓地に佇む、スーパーの肉を眺める、
彼女のノートの落書き、そして…サーシャ家の中でも。
ただ、サーシャはそれに気付かない。
幸福ボケしているからか、気付きたくなかったからなのか…
それがまた火に油を注いだのか?
そして、彼女は一体誰なのか??

衝撃的なラストを見ても、やはり謎は深まるばかり。
出張中の夫の浮気相手だったのか…。
それともこんな親子であれば誰でも良かったのか…。

この作品、52分と短編ながら
不思議な緊張感と少々グロい不愉快さと、映像美に溢れている。
まさにオゾンならでは。

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「サマー・ドレス」[作品別評価]★★★★★

頭の中は「Bang Bang」が鳴りっぱなし!
ロカルノ映画祭グランプリを受賞したオゾン監督の出世作。
1996年の15分の短編。

若いホモ?の一人の少年と、
海岸で出会ったサマー・ドレスの若い女性との
ほぼまる1日の出来事を描いた物語。

ホモカップルの少年の片割れが「Bang Bang」に合わせて、
妙な踊りをするのがオゾン節。
あの、お兄ちゃんの妙なカマっぽさが忘れられない。
「Bang Bang」もキル・ビルでユマが歌っていたのと
印象違いすぎ! インパクトありすぎ!!

そして、逆ナンされる少年の、
ちょっとした普通の恋も、妙に爽やかで何だかほほえましい。
借りたドレスを返しに行く彼の顔。
さて、彼は“どちら”の人になるんだろうか?
とあるバカンスの一夏の経験で終わるだろうか??
15分間でここまで充実させるとは。恐るべし。

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「ベッドタイム・ストーリーズ」[作品別評価]★★★★★

やっぱりすごいぞ、オゾンさん!!
短編映画の若き巨匠…とは言い過ぎか???
フランソワ・オゾン監督による1997年の26分の短編
「ベッドタイム・ストーリーズ」。
この26分間に更に7話の物語が入っている。

『黒い穴』
『ミスター・クリーン』
『年上の女(ひと)』
『互い違い』
『理想の人』
『闇の中の愛』
『二人の童貞』

タイトルどおりにベッド・インする直前の7組のカップルの状況を、
主に会話や表情を通して“切り取った”超短編集。
もちろんカップルといっても多彩である。
娼婦と客、男と女、若い男とそうではない女、女と女、男と男etc…

何気ない会話にオゾン独特のブラックユーモアがあり、
タイトルからは想像出来ない展開となったり、
あまりにも下らないほどのストレートな展開になったり、
間に入るエレベーターの音といい、
人の心をこちょこちょくすぐる。
『ミスター・クリーン』にはニヤニヤしどおし。
こういうのにちょいと弱い!

ブラックで変態チックで、どこか憎めず軽やかなタッチ。
これがこの監督の作品の特徴の一つなのだが、
それはこの作品にもあるように、
“人の数だけある人間っぽさが好き”なのではと思ってしまった。
色々な人々の“愛のかたち”。
一見グロテスクであっても、悲愴であっても、バカバカしくても
それを受け入れ、映像として再現し、シーンを“カット”する。
彼の切り取る画面には、どこか人間くさい、暖かみが感じられる。
そこがツボだったのかも…と、
この短編群を観て思った。

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1967年パリ生まれで、パリ第一大学映画コースで修士号を取得したという、
若くて(といっても中年だが)才能あふれる人だ。
スイミング・プール」もまだ観ていないので1月のDVD発売が楽しみ。
さらなる新作も「5x2 [Five Times Two] 」も楽しみ!
それにしても、海と水。彼のモチーフに多く登場するこのモチーフは、
彼にとって何なんだろうか???
またまたこれも気になるのであった…。

海をみる
フランソワ・オゾン 
海をみる
 
 
DVD BOX「海をみる」「クリミナル・ラヴァーズ」「ホームドラマ」「焼け石に水」
及び短編のオゾン監督の初期全9作品を収録。
フランソワ・オゾン DVD-BOX
フランソワ・オゾン


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Comments

初めまして。
トラックバックありがとうございます!
「海をみる」はあれこれと想像をかき立ててくれる
結末がいいですね。

私が初めて観たオゾン作品は「焼け石に水」で、
なんじゃこりゃと思いながらもハマってしまいました。
「まぼろし」もとても好きです。
同じくシャーロット・ランプリング(ホントに素敵ですよね~)主演の
「スイミング・プール」は私もまだ未見なので早く観たいです!
これからも普通じゃない作品をどんどん作り出してくれそうなので
楽しみですね。

Posted by: syksy | December 10, 2004 at 06:10 PM

syksy さん

コメントありがとうございます!
すっかりオゾンさんにハマってます…。
一体何なのでしょう?あの監督は??
「スイミング・プール」評判も上々なので楽しみです!!

syksy さん、ワタシの大好きな作品、
観たいけれど観ていない作品を沢山ご覧になっておられるので、
リンクさせて頂きました。
ちょくちょく遊びに行きますね!!
  

Posted by: garam | December 11, 2004 at 07:25 AM

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