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December 17, 2004

「ホームドラマ」

[DVD映画]★★★★☆

さて、気になって気になって仕方が無い!!
フランソワ・オゾン監督のかなり毒の効いたシュールな作品「ホームドラマ」。
少し「8人の女たち」を思わせる部分もありながら(どうもあの作品は苦手)、
とにかく下らなく毒々しいのにどこか可笑しくて、
断然こちらの作品のほうがハマれた!
カップリングは「小さな死」。
こちらはしょっぱなからかなりマイナス・オーラを出した
カメラマンの青年を追った意外にも微笑ましい短編。

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「ホームドラマ」[作品別評価]★★★★☆」

うひゃ〜!まさかあんな事になるなんて!想像出来なかった!!
また1本とられました。オゾンさん!!!
平凡なブルジョア家庭に一匹のネズミがやって来たことから、
どんどん崩壊してゆく様を描いたオゾン風のブラック・コメディ。

“短編のヒッチコック”フランソワ・オゾン監督の長編デビュー作。
1998年のフランス映画。
原題の「SITCOM」はシチュエーション・コメディの略だそう。
これは80分のかなりブラックなドタバタ“奇劇”。

いきなりである。
とある豪邸に父親ジャン(フランソワ・マルトゥレ)が帰宅し、
“ハッピー・バースディー”の歌声♪
と、突然銃声と悲鳴が!

そしてこれまたいきなり数カ月前にさかのぼる。
家政婦のマリア(ルシア・サンチェス)がやってきたその日、
ジャンが“ネズミ”を持ち帰ったその日の夜、マリアと
夫のアブドゥ(ジュール=エマニュエル・ヨウム・デイド)を招いての夕食会で、
直前までネズミと遊んでいた息子ニコラ(アドリアン・ド・ヴァン)が
突然「ボクはゲイだ」と宣言する。
それがこの家庭の崩壊の始まりだった。

ニコラをなだめるために彼の部屋に行ったアブドゥは
“ネズミ”に噛まれて、あろうことかニコラに身をもって体験させてしまう。
“ネズミ”と戯れていた娘ソフィ(マリナ・ド・ヴァン)は窓から身を投げ
命は助かったものの半身不随に。
“ネズミ”を触ったマリアに誘惑された
ソフィの恋人ダヴィッド(ステファーヌ・リドー)は、
それをネタにされ愛するソフィのプレイの下僕に。
絵に描いたような心配性な良き母エレーヌ(エヴリーヌ・ダンドリイ)は
“ネズミ”に触れてしまってから息子のためにと男女の関係を持つように。
それらを全て知っていて、それを受け入れると言う家族に
自分は“まとも”だからと一人無関心な父親ジャン。
そして…誰も居ない家でジャンは“ネズミ”と戯れた…。

とにかく予期せぬ事態と災難が次々と起こる。
彼等は名前すらつけてもらえないこの“ネズミ”に触れる事をきっかけに、
愛情の飢えに気付き、心の奥の真の欲望を実行してしまうのか?
それをわざとグロテスクに、でも軽妙にコミカルに描くオゾン。
“我家は、自分だけは平凡で平和”だと信じている人達へ向けての
これはかなり強烈な皮肉である。
そして、酷い物語なのに妙なおかしさ。
あの“ネズミ”は…悪魔なのか天使なのか、一体何なのか?
まさか電子レンジで………!!!!!

ちなみに「海を見る」のマリナ・ド・ヴァン、とアドリアン・ド・ヴァン、
彼等は実の姉弟。マリナは制作のほうも携わっている。
「サマードレス」のルシア・サンチェスも舞台出身の演技派で、
自分で映画も撮っているそう。
どうやらこの妙なテイストは、オゾンさんの周りの
強烈な個性と感性の俳優やスタッフの影響があるのかもしれない。

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「小さな死」[作品別評価]★★★★☆

「ホームドラマ」に収録されている。
フランソワ・オゾン監督による1995年制作の26分間の短編作品である。

“生まれた時から自分は醜い。だから父親にも愛されず嫌われている。”

そう思っているゲイのカメラマンのポール(フランソワ・ドゥレーヴ)。
彼は“イク瞬間の男の顔”を撮るのが趣味で同じゲイの彼と同棲中。
突然美しい姉(カミーユ・ジャピィ)から
父親(マルシアル・ジャック)が危篤だと電話。
見舞いに行くのだが…父親からとんでもない言葉が!。
やはり醜い自分は愛されていないのだと嘆きつつも、
再び病室を訪れ父親の写真をこっそり撮るポール。
しかし、後に判明する事実で彼は救われるのだ…。
さすが親子だ。

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人には、親しい人や恋人や家族にだからこそ、
口に出して言わない、隠された色んな感情や欲望があるのだ。
自分だけは、自分はきっとこうに違い無い、
あの人だけは、あの人だけには有り得ない、
などと決めつけてはいけない。
いつ、どんな想像もつかない出来事が起こるかわからないのだ。
本人ですら気付いていない本性があるのだから…。

この「小さな死」と「ホームドラマ」には
そんなメッセージが込められている。

そういった人間達が、人間模様が興味深くてたまらないのだろう。
だからあえて人間の恥部や秘密にしておきたい部分を露出させて、
面白がりつつもそれを肯定しているのだ。
これががオゾンの監督の魅力の一つなのではないだろうか。
わかってやっているトコロがこれまたニクイ!!!

ホームドラマ
フランソワ・オゾン
ホームドラマ
 
 
DVD BOX「海をみる」「クリミナル・ラヴァーズ」「ホームドラマ」「焼け石に水」
及び短編のオゾン監督の初期全9作品を収録。
フランソワ・オゾン DVD-BOX
フランソワ・オゾン


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フランソワ・オゾンの作品紹介とレビューの一覧
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