「突入せよ! あさま山荘事件」
[DVD映画]★★★☆☆
『君、ちょっと軽井沢行って指揮してこいや。』
警察庁 長官の後藤田の言葉。
その一言で218時間にも及ぶ『ヘラクレスの選択』をする事になった
当時、警察庁 警備局付警務局監察官の佐々淳行。
まさか連合赤軍との銃撃戦の戦陣に立つことになるなんて…。
数年前にテレビで当時の事も語っておられた初代内閣安全保障室長である佐々さんは、
にこやかで、とても飄々とした人物であった。
1972年2月19日、長野県南軽井沢のあさま山荘に、連合赤軍のメンバー5人が
管理人の妻を人質に取り、立てこもる事件が起きた。
原作、佐々淳行によるノンフィクション「連合赤軍「あさま山荘」事件」を元に、
警察サイドから事件を描き出した作品「突入せよ! あさま山荘事件」である。
監督・脚色は「狗神」「金融腐蝕列島 呪縛」の原田眞人。
役所広司演じる佐々監察官と、原田眞人監督の息子である遊人演じる後田巡査の
人間的な演技が心に残った。
妻を人質にとられた山荘の管理人を松尾スズキがこれまた淡々とした深い演技。
更にミュージシャンの宇崎竜堂が警視庁の管理官を、
同事件までの犯人サイドで起きた同志リンチ事件を描いた「光の雨」に出演している、
池内万作がこちらには警視庁の通信技官の役をと、
キャスティングも小技が効きつつ、ここには記載出来ない程の豪華なラインナップだ。
後藤田長官(藤田まこと)の『6つの方針』。
1. 人質は必ず救出すること。
2. 射殺すると殉職者になるため、犯人は全員生け捕りせよ。
3. 人質交換の要求には断固応じない。
4. 火気、高性能ライフルの使用は警視庁許可とする。
5. 報道陣とは良好な関係を持て。
6. 警察官に犠牲者を出さないように慎重に。
これにのっとり作戦を遂行しようと佐々監察官は努力すれども、
警視庁と長野県警のつまらない内部対立による指揮系統の崩れ、
事件に対するそれぞれの温度差、騒ぎたてるマスコミ、野次馬など、
問題が起きてばかりで人質の安否すら確認出来ない。そして…雪に閉ざされた山荘。
負傷者だけが日々増え、全く解決せずに一週間がたってしまった。
そして、ある秘策…
鉄の玉で山荘の壁を壊して突入するという奇抜な作戦に出るのだが…。
佐々監察官は言う。
『彼等は銃によって革命が成就すると思っているが、
彼等は革命の英雄ではなく国民の敵だ。』
そして、10日後の2月28日に突入開始。
壮絶で度肝をぬかれるリアルな再現シーン。更に人の心の動きと温度差が見もの。
それぞれの立場によってこんなにも違うものなのか…。
視聴率89.7%でテレビ中継されたこの事件は、犯人全員逮捕、
人質無事救出、負傷者24名、殉職者2名、民間犠牲者1名を出して終焉。
『6つの方針』は全ては守られなかった。
警察庁の兵頭参事官が吐き捨てた言葉。
『5人のドブねずみに1635名もの警察官が10日間もふりまわされた。』
革命の幻想により、銃を神聖化して権力に向かった若者達。
この事件により彼等の革命も終息へと向かったのだ…。
ちなみに『ヘラクレスの選択』とは…
敢えて困難な道を歩かされる自分の運命を知りながらもそれを選んでしまう事。
佐々氏の数々の経歴からして、どうもそのような選択をしてしまう人らしい。
映画「突入せよ! あさま山荘事件」サイト
↓
http://www.toei.co.jp/asamasansou/
佐々 淳行 Website
↓
http://www.sassaoffice.com/
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原作本
連合赤軍「あさま山荘」事件
佐々 淳行![]()
■ 映画「光の雨」のレビュー











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