「ブラザーフッド」
[DVD映画]★★★★☆
正直、愕然とした。
強烈な戦場の地獄絵図。敵も見方もごちゃまぜの肉弾戦が目の前で繰り広げられる様。
「プラトーン」とかあちら系の戦争映画に近い映像に仕上がっていた。
とにかく戦争の醜い実体、狂気、悲惨さ、が伝わってくる作品「ブラザーフッド」。
監督は「シュリ」のカン・ジェギュ。
出演は「友へ/チング」のチャン・ドンゴン、
日韓合作ドラマ「フレンズ」で深田恭子と共演したウォンビン、
先日惜しくも亡くなった「バンジージャンプをする」のイ・ウンジュ、
「ラスト・プレゼント」のコン・ヒョンジン、
「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシク、「火山高」の不良高校生キム・スロなど。
2004年、韓国本国でも大ヒットした。
1950年、ソウル。
家族想いの靴磨きジンテ(チャン・ドンゴン)と
高校生のジンソク(ウォンビン)兄弟は、そば屋を営む母親を支え、
ジンテの婚約者ヨンシン(イ・ウンジュ)とその弟妹と共に、
貧しいながらも平和に暮らしていた。
6月25日朝鮮戦争勃発。家族はソウルから避難していたのだが、
突然兄弟は18〜30歳の男子という事で、避難民ながら徴兵されてしまう。
体弱い弟ジンソクを大学で学ばせる事に母親と共に夢を託していた兄ジンテは、
手柄を立て太極勲章を授与され、特例により除隊を認められた親子がいる、
という上官の言葉を信じ、自分を犠牲にしてでも弟を守ると決意。
地雷の設置や奇襲など、危険な任務に率先して志願するようになる。
手柄をたて出世するにつれて“兵士=殺人マシーン”へと変わってゆく兄。
ジンソクはそんな兄の行動が理解出来ない。
そして戦争と数奇な運命は何度も彼等兄弟、そして家族を元の同僚を
醜い争いへと巻き込んでゆくのだ。
ただ弟を守りたい一心で戦う兄。
それを失望しつつも兄からの愛情を受けて悩む弟…。
だが“戦争”は戦場だけでなく、市街地、農村と
あらゆる所に暗いねじれた影を落とす。
兄弟を待つ家族ですら、知らず知らずのうちに騙され、利用され、
ひょんな事から“敵扱い”標的になってしまうのだ。
そして、極限状態では、敵や味方、思想や愛国心などは無意味なものとなる。
太極勲章をもらってもそれは同じ事。昨日の味方も明日は敵へと化す。
愛する者の死によって、命がけで信じていたがゆえに怒り復讐に燃えるのだ。
山村での虐殺。そしてゲリラ的な攻撃。戦場への慰問。
所々で「地獄の黙示録」を彷佛させるシーンがあった。何処も同じだ。
同じ言葉を話す人達との戦い、昨日は同志であった者、そして肉親…虚しい限り。
普通に家族と共に平和に暮らす。
それがある日一転し、国のために命を捧げる事を良しとされ、
敵とされる者を殺すことすら良しとされる“戦争”。
この作品ではその悲惨さが、戦場での生々しい痛みが、リアルに描かれている。
家族の待つに家に帰りたかったヨンマン(コン・ヒョンジン)。
どの兵士もそう思っているのに、
目の前の敵=人間を殺さねばその願いすらかなわない。
ジンソクは言う「これが全部、夢だったらいいのに…。」
弟が生き残ってくれれば例えに憎まれてもいい、自分は鬼畜にでもなろうという、
兄の異常なまでの自己犠牲の愛情は弟には有難迷惑的でもあり、当然誤解も生じる。
これは家族を第一に考えた兄だからこその愛であろう。
学歴コンプレックスもあったのだろう、これまでも弟のために生きてきた兄。
だが、きっかけは何であれ
“英雄になった”自分に自信を持ち何かが狂い始めた事も確かだ。
元同僚の少年への対応だけは理解し難い部分があった。
だがその栄誉の勲章ですら、あっという間に覆る。
なんて虚しい栄光だろうか。
兄にもらった万年筆が兄弟を繋ぐ。
「次に会う時に返してもらうよ…。」機会を作りたかったジンソク。
だが、次は…50年も後の事になるのだった。
ブラザーフッド・オフィシャルサイト
↓
http://www.brotherhood-movie.jp/
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『ブラザーフッド』シナリオ写真集
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Comments
garamさんものすごく文章がお上手ですよね!サイトもすごくキレイですし…。
すごくセンスを感じます(^^*
自分のサイトのコメントにも書きましたが、garamさんの記事を読むと
リアルに映画を思い出してきます。自分の見た感想が言葉で説明されてるようで…^^
何度かチャレンジしようとしたのですが、まだ内容と感想を交えながら書くことができないです(>_<)
Posted by: masaru | April 30, 2005 at 08:08 AM
masaruさん
ホメていただいて有難うございますっ!
でもワタシ、文章苦手で下手なんですよ…表現も乏しく、しかも誤字脱字も多い困り者…。トホホ…。
なので、現在ブログで訓練中!
しかも、かなり忘れっぽいので、ここでは備忘録的に個人的に覚えておきたいデータと感想をまとめています。
最近長くなりがちなので、簡潔に書きたい思っているのですがなかなか難しいですね!!!
そして、この作品!!!
兄弟愛の部分は少し過剰かとも思いましたが、ジンテの人間っぽい感情と共に、とにかく戦争の虚しさが伝わってきましたね…。
Posted by: garam | May 02, 2005 at 05:44 AM