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April 16, 2005

「オールド・ボーイ」

[DVD映画]★★★★☆

こりゃ凄い!
評判どおり。なかなか見応えのある作品だった「オールド・ボーイ」。
チェ・ミンシクの凄みのある演技は絶品!
最近観た韓国映画の中でも傑作のうちの一つだ。

監督・共同脚本は「JSA」のパク・チャヌク
出演は「シュリ」のチェ・ミンシク、「春の日は過ぎゆく」のユ・ジテ
「バタフライ」のカン・ヘジョン
音楽はチョ・ヨンウクのプロデュースで
若くして素晴らしい才能を発揮しているイ・ジス
チェ・スンヨン、シム・ヒョンジュンの3人の作曲家で3人の人物を描き競作。
2004年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞。
とにかく前情報無しで観て楽しもう!!

以下結末は書きませんが若干ネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします。

冒頭、とある雨の日。
まるで新橋の酔っぱらい状態の極々普通のサラリーマン、
オ・デス(チェ・ミンシク)は、
妻と幼い娘の待つ我家へ娘の誕生日祝いの天使の羽のプレゼントを買い、
電話ボックスで“帰るコール”をしていた所を、
紫の傘を持った男達に誘拐され狭い小部屋に監禁される。

いったい誰が、何の目的で?

何故監禁されているのか不明。
外は見えず場所も分からない。
食事や身の回りは世話される。
ただ…テレビの試聴は可能。

そこでオ・デスは自分が妻殺しの容疑者になっている事を知る。
孤独との戦い。蟻にまみれる妄想。謎のガス。催眠術師の女。
いつしか彼はは自力で脱走すべく鍛え始めるのだ。
そして…15年が過ぎた時…
突然解放された。

お前は誰だ?何故俺を15年も監禁した?

持たされていた携帯電話に謎の男からメッセージがあり、
一軒の寿司屋に入ったオ・デス。
そこにいた美しい手の冷たい女の板前ミド(カン・ヘジョン)と共に、
犯人を探す事になるのだが、これすらも犯人が仕組んだ罠だった…。
妻を殺され15年の自由を奪われた復讐に燃えるオ・デスは、
監禁時に与えられた餃子を作った店を探し食べ歩き、
ついに監禁された場所を突き止めた。
そんな彼等の前に現れた謎の男ウジン(ユ・ジテ)は、
お互いの命を賭けた“ゲーム”を強制。

5日以内に謎を解き明かせ。解き明かせなければお前を殺す。
 解きあかせば…オレが死んでやる。

もはや、オ・デスは監禁した犯人を突き止め復讐するしかないではないか!!!

どうして監禁されたかではなく、どうして解放されたか。
オ・デスの舌は喋り過ぎた。
今までの人生を復習しろ。そして思い出せ。

オールド・ボーイ=卒業生。15年の意味。
情報を集め、無くした記憶をたどり、自らの軌跡をたどり、
思いもかけない事実にたどりついた時、
オ・デスはおぞましい新たな事実を知る事となる…。

“まさかこんな商売が!”“復讐しあう?”
というアイデアがとにかく素晴らしいと思ったら、
1996年から1998年にかけて「漫画アクション」連載されていた漫画、
オールド・ボーイ —ルーズ戦記土屋ガロン・作/嶺岸信明・画が原作。
おそるべし!日本コミック界のパワー!!
そしてこれをパク・チャヌク監督に勧めたのが、
殺人の追憶」のポン・ジュノ監督だというではないか!!!
さすが…サブカル・オタク!やっぱりセンスが良い。

さて映画だが、もちろんこの面白い設定だけではなく、
伏線を含め非常に上手く作られている。
オープニングからエンディングまで細部に凝りまくった濃密な映像。
更に語り口とテンポの良さ。
模索しながら少しずつ掘り進むトンネルが一気に開通した時の衝撃。
重いテーマをちゃめっけでカバーした演出がニクイ。
まず、オ・デスのダメおやじから進化した魅力的なドレッド風ヘア。
自主筋トレとイメージ・トレーニングで強化された怒るオ・デスのファイティング!。
トレードマークのハンマーの差す先、赤いライン。
韓国ではなかなかめずらしいベッド・シーン。
催眠ガスで眠る彼等を切なげにガスマスク着用で眺めるストーカー野郎。
監禁部屋探しの餃子の食べ歩きはなかなかツボだった。
何より必見なのはチェ・ミンシクの役者根性の入った肉体改造と迫力の怪演!!!
そして、激痛・グロテスクシーンが意味深げに多用されている。
“あんな生き物”を生で食べたり、
“こんなもの”をスポンと抜いたり
“まさかのそんなもの”をジョキッとなど…
アタタ…なシーンには要注意!。

傷ついたものに復讐は最高の薬だ。やってみろ。

だが、復讐の先にあるものは明るい未来であるわけが無い。

獣のような自分だが、生きているいる価値があっても良いではないか

舌は災いのもと。だがまさか“あんな理由で…”とは!!
男女の愛。家族の愛。親子の愛。究極の愛。
どこかで歪んでしまった愛情はその歪みが大きい程、
狂おしく、より激しく突き進む。
重い…重すぎる!!!
それでありながら、確認のためにもう一度観たくなる、濃厚な一本。
 
オフィシャル・サイト
 ↓
http://www.oldboy-movie.jp/

オールド・ボーイ プレミアム・エディション
チェ・ミンシク パク・チャヌク ユ・ジテ カン・ヘジョン

by G-Tools

切なく印象的なワルツが良かった!
オールド・ボーイ オリジナル・サウンドトラック(CCCD)
サントラ

原作コミック
オールド・ボーイ —ルーズ戦記
土屋ガロン 嶺岸信明
オールドボーイ—ルーズ戦記 (1) オールドボーイ—ルーズ戦記 (2) オールドボーイ—ルーズ戦記 (3) オールドボーイ—ルーズ戦記 (4) オールドボーイ—ルーズ戦記 (5) オールドボーイ—ルーズ戦記 (6) オールドボーイ—ルーズ戦記 (7) オールドボーイ—ルーズ戦記 (8)

オールド・ボーイオフィシャルブック
メディア出版部

ノベライズ
オールド・ボーイ
大石 圭


 
■コミック「オールド・ボーイ —ルーズ戦記」レビュー
 

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Comments

こんにちわ!!
TBさせて頂きます^^
この作品、韓国映画のパワーがひしひしと伝わってきました。
日本の原作なのに・・・^^;
邦画ももっとがんばって欲しいです。

Posted by: Kaworinlove55 | April 19, 2005 at 09:39 AM

さすがgramさん、いいレビューですね。私が書きたかったことが書いてある~!
観たとき相当な衝撃を受けました。受けすぎて、感想がうまく書けませんでした。もう一度観たいです。
この映画のキモはオ・デスっていうごくごく普通のダメ男の変化だと思うのですが、チェ・ミンシクのうまさを思い知りました。しばらく彼とユ・ジテが出てくる映画を観ると、なんだか恐ろしくなっていたのを覚えています(笑)

Posted by: みけ | April 20, 2005 at 02:07 PM

近親相姦というテーマを内包している本作は、韓国で8親等以内の血族・姻戚同志の婚姻が禁止されていることなどからも日本以上に衝撃的な作品だったのではないかと思います。ウジンの姉が自殺という選択をしたのは、近親相姦という事実が世間に知られることで、日本では考えられない程の汚れた存在として一生そのレッテルを背負って生きていかなければならないことがあの年代の女の子には耐えられなかったからでしょう。

さらに、エンディング近くでの自分で舌を切ってしまうオ・デスはギリシャ神話のオイディプスを想起させられるし、ラストシーンでの究極の選択ともいえる悲劇がより一層この映画を悲しくも現代的な悲劇としてカンヌでの受賞に至ったのではないかと思っています。

基になったアイデアが日本のコミックとはいえ、エンディングを含めかなり脚色しているようで、韓国映画の質の高さを思い知らされるような作品でしたね。

Posted by: yyz88 | April 20, 2005 at 04:41 PM

Kaworinlove55 さん

本当にパワフルで…期待を裏切らない作品でした。
邦画も良い作品が増えてきましたが、こんなに熱いパワフルかつ重いテーマを扱った深い作品はなかなか無いですね…。
邦画の今後に期待しましょう!!!


Posted by: garam | April 22, 2005 at 05:25 AM

みけさん

本当に衝撃的でした!!!
ガツンとやられた…そんな感じでした。期待以上!
チェ・ミンシクのパワフルな演技に圧倒され通しです。
最初のあのダメおやじが…普通を通り越してとんでもない人間に進化し過ぎてしまった…。
そしてあまりにも切ない真実と現実!!!
濃厚すぎてお腹いっぱいで…実は自分の中でもうまく消化されていない部分もあります。
時間をおいて、冷静にもう一度観てみたい作品ですね。


Posted by: garam | April 22, 2005 at 05:35 AM

yyz88 さん

最初から最後まで、細部にまでのこだわりに脱帽。
本当に最近の韓国映画の質の高さ、奥深さには驚きまくりです。

>韓国で8親等以内の血族・姻戚同志の婚姻が禁止されていることなどからも日本以上に衝撃的な作品だったのではないかと思います。

おお!そうなんですね!!
日本の田舎でもちょっとした悪い噂で生きづらくなる事が多々あるので、そういう事かな…と思っていたのですが、これで納得出来ました。
冒頭部の若干コミカルな部分からは想像も出来ない、切なく重いエンディング。
ごく一般人であったはずのオ・デスという人物を通して、人間のあらゆる側面を見せつけられた深い作品でした。

Posted by: garam | April 22, 2005 at 05:51 AM

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