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May 25, 2005

「ドーン・オブ・ザ・デッド」

[DVD映画]★★★☆☆

スピーディーでカラッとしたアクション・ホラー!
笑っちゃいけないけど…笑ってしまう「ドーン・オブ・ザ・デッド」。
甦った瞬間にパワフルになる勢い満点のゾンビさん達。

ホラー映画の金字塔ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」のリメイク版。
監督はCM界から本作で劇場映画デビューとなるザック・スナイダー
主演はどこかで見たと思ったら「死ぬまでにしたい10のこと」のサラ・ポーリー。
俯瞰ショットや固定カメラの駆使、絶妙なタイミングでの映像のインサートなどなど
CM監督という事もあり、カメラワークや凝り方がそれっぽくて新鮮だ。
オープニングとエンディングは気合い一杯だが、ちょっとやり過ぎで興醒め。
ちょっと歌詞に頼った部分も多く、ミュージック・クリップ感も否めない。
とはいえ個人的には「28日後」よりは楽しめたかな。テンポは抜群。
2004年公開のアメリカ映画。

看護婦のアナ(サラ・ポーリー)は、長い勤務を終え自宅へ帰り、
優しい夫ルイス(ジャスティン・ルイス)と愛しあい眠りにつく。
ちょっと忙しかったが、いつもと同じ平和な一日だった。
だが翌朝、6時37分。彼女たちの寝室のドアの所に、隣家の8歳の少女
ヴィヴィアン(ハンナ・ロックナー)が、血まみれの顔で立っていた。
心配して彼女に駆け寄るルイスの首にヴィヴィアンは突然食い付き彼は絶命。
そして今度はアナに向かって、突然人間離れしたスピードで襲い掛かってくる。
ドアの外へヴィヴィアンを閉め出し、ホッとしたのもつかの間、
死んだはずの彼が起き上がり襲い掛かってくるではないか!
間一髪ルイスから逃れアナは屋外へ飛び出したのだが…
そこは昨日とは全く違う世界。
隣人が銃をかまえ、車は暴走し、あちらこちらで火の手があがり、
人が人を襲って走り回る恐ろしい光景が広がっていた。
一体何が起ったのか???

車に飛び乗り、猛烈なスピードで追って来るルイスから逃げるのだが、
ルイスは新しい獲物を見つけると、くるりと方向転換して行ってしまった。
そんな間にも助けを呼ぶ人、襲い掛かる人がアンの車に駆け寄ってくる。
臨時ニュースではこの状況を報道していた。
彼女が避難場所に向かおうとしていた所、車を奪おうとする男が…
それを振り払おうとして道からそれて木に激突!
意識を回復したアンは、銃を持った警官ケネス(ヴィング・レームズ)と共に
避難場所へ向かうが、そこを見て来たという3人、
ごく普通良識人のマイケル(ジェイク・ウェバー)、
元ヤク中のアンドレ(メキー・ファイファー)、
彼の妻妊婦のルダ(インナ・コロブキナ)達に出会い
一緒に近くにあるショッピングモール“クロスロード・モール”へと向かうのだ。

ショッピングモールで流れる流暢な音楽。人はいないが店内はそのまま。
時間の流れが止まった、一見平和なモールの中…だがここにもヤツらはいた。
ここでの生存者の警備員達の3人、ヒゲおやじCJ(マイケル・ケリー)、
バート(マイケル・バリー)、新入り下っ端のテリー(ケヴィン・ゼガーズ)に合流。
お互いをけん制しながらも、次第に助け合うように…
なぜなら外部の情報も次第に途絶え、避難場所も不明、助けを求めるも来ず。
しかも、本能のためか、うじゃうじゃと日々モールに集まるゾンビ達は増加する一方。
ところが…生存者もちらほらと現れる。
モールの向かいで一人戦う鉄砲屋のアンディ(ブルース・ボーン)。
ある日突っ込んできた大型トラックに乗っていた8人。
名無しで瀕死の大女、イカシた強いおばさまノーマ(ジェイン・イーストウッド)、
キザな金持ちスティーブ(タイ・バーレル)、
イケイケ女のモニカ(キム・ポイリアー)、
お年を召したグレンおじさん(R・D・レイド)、
足を怪我したタッカーおやじ(ボイド・バンクス)
フランク(マット・フルーワー)とニコール(リンディ・ブース)父娘。
彼等は力をあわせて生き抜くためにヤツらと死闘をくり広げるのだが、
どんどん仲間達がヤツらに噛まれた怪我によってゾンビ化してゆく。
このままでは…と彼等はモールからの脱出という無謀な作戦に出た。
果たして彼等に平和な世界はあるのだろうか???

テレビ伝導師(ケン・フォリー)の言葉。
地獄に死者があふれた時、死者が地上を歩くのだ…

このリメイク版はロメロ監督の「ゾンビ」へのオマージュはもちろんたっぷり。
だが、あのゆらゆら歩くゾンビ達ではもはや無い。
フットワークが極めて軽く、人間の何倍ものスピードで走り飛びかかる。
信じられない数のゾンビ達が歩き・走り・食らいつくので、
物凄い勢いで増える増える…。
こいつらは一度死んだ動く屍、生前の心はもはや無い。
昼だろうが夜だろうが関係ない!
肉親だろうが誰だろうとおかまいなしに噛み付き食する
まさに地上はゾンビワールド!

思えばオープニングのシーンからじわじわこの事態は進行していた。
病院は多忙だったし、ニュースでも特別番組。
それにしても、人間達の秩序ある世界が一昼夜で崩れ去った…というのが恐ろしい。
こんなゾンビの世界での孤島のモール。
かろうじて食料や物がたっぷりで、そこそこの気密性を保てる
このモールでの生活を、生存者達が楽しむ余裕がちょろっと出てくるあたりが人間的。
ケネスは銃屋のアンディと、屋上でボードで会話しながらのチェスにいそしむように、
お金のいらないショッピング、ゴルフ、ビデオでカウチ、Sex…おいおい!!
あげくの果てにはモールの周りをとり囲んだ、
ゾンビ化セレブのシューティングまでも…。
だが、刻々と“死んでも死にきれぬ事態”は迫ってくる。
せっぱつまった中エレベータ内で流れるゆったりした曲に思わず「いい曲だ」の一言。
モールで流れる音楽は現実とのギャップと時間の流れの短さを感じさせる。
中だるみはここだけ。あとは怖いとか誰かに特別感情移入する暇もなく、
一気に絶望に向かってつき進む。

感染者の父を持ったニコールの犬のチップスへの執着。
アンドレの狂気を伴った余りにも無惨な結果になった夢。
ガスボンベ爆弾など、とっさの機敏さと行動力にシビレたひねくれ者のリーダーCJ。
ケネスとアンディの屋上での友情。
極限状態でのマイケルのアナへの愛。
そのマイケルの見つけた電ノコは、とある人物により悲惨な事態を生み出してしまう。

エンディングの救いの無い結末の中にも、
…ほんの少しだけの希望を残そうとしたのだろうか?
謎のキスシーンがインサートされているので見逃さないように。

オフィシャル・サイト
http://dotd.eigafan.com

ドーン・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット プレミアム・エディション
サラ・ポーリー ザック・スナイダー ヴィング・レイムス ジェイク・ウェーバー
B0002N2IM8

ノベライズ
死者の夜明け—ドーン・オブ・ザ・デッド
James Gunn 入間 真
4812416493

■映画「ゾンビ 米国劇場公開版」レビュー
■映画「28日後」レビュー
  

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Comments

こんにちは。
トラックバック返しをありがとうございました。

> 謎のキスシーンがインサートされているので見逃さないように。

「謎のキスシーン」ですか!
記憶にありません・・・。
今度また観なおす際にチェックすることにします。

映画の好みが似ているようですから、そのうちまたトラックバックを打たせていただきますので、よろしくお願いします。

Posted by: 喜八 | May 31, 2005 at 02:15 PM

喜八 さん

コメントありがとうございます!

「謎のキスシーン」ですが、もしかしてディレクターズ・カットだからですかね??
ラストのゾンビ達とエンド・クレジットの中程で1カットだけグリーンがかったはっきりしない映像が…。
誰だかわからなかったので、ゼヒ観て下さい♪

トラックバック、ゼヒゼヒ!
ご覧になったものがあれば、古い記事でも構いませんので、
どんどんお願いしま〜す!!
 

Posted by: garam | June 01, 2005 at 02:46 AM

はじめまして。
『笑っちゃいけないけど…笑ってしまう』同感です。
謎のキスシーン・・・そういえば気になった画面でしたが忘れてました。誰だったんでしょうかね?

Posted by: rappiko | June 03, 2005 at 12:51 PM

rappiko さん

そうなんです…。
謎のキスシーン、誰なんだかワタシもわかりませんでした。
ちょっとだけ希望を入れたかったのでしょうか…。
ゾンビ達の合間に一瞬入るので、印象的でした。
 

Posted by: garam | June 06, 2005 at 02:58 AM

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