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October 24, 2005

「蝿男の逆襲」

[DVD映画]★★★★★
 
画面はモノクロに退行しているのに、
物語はサスペンス・タッチに進化していて、なかなか面白い。
前回の「蝿男の恐怖」に続きついでに続編も借りてみた「蝿男の逆襲」。
これがまた気に入てしまい、やはり激安だったので、結局共に購入。
何だ…最初から買っておけば良かった…。

こちらは翌年の1959年に製作されたモノクロ作品で、
原題は「THE RETURN OF THE FLY」。
今度は小さかったあの息子のフィリップが成長し、親の後を継ぎ研究を続ける。
監督はエドワード・L・バーンズ。原作はジョルジュ・ランジュラン
前作に引き続きヴィンセント・プライスがフィリップの叔父をつとめる。
 
 
衝撃的な事件から10年以上が過ぎ、
エレーヌがこの世を去った所から新たな物語が始まる。
前作の「蝿男の恐怖」のラストで幼いフィリップ(ブレット・ハルゼイ
がフランソワ(ヴィンセント・プライス)に言った言葉…。
「パパのように探検家になっていい?」
実はその言葉どおり、彼は父親の研究を密かに完成させようとしていた。
「油断しなければ大丈夫」だと固く信じ、まさか同じ体験をするなんて…。
弟のような悲劇を二度と起こすまいと、気のらないフランソワをなんとか説得し、
彼の資金援助を受け、あの別荘の地下の実験室で
友人のアランと供に『物質転送機』の完成に熱を燃やす。
別荘には管理人マダム・ボダールとその美しい娘セシールが暮らしていたのだが、
またもや悲劇が起こってしまう…。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

続編なのに、しかも予算不足?なのかモノクロなのに、
ただの2番煎じとなっていなくて、うまくエピソードをリンクしながら、
サスペンス・タッチで描かれている。
知らず知らずこの奇妙な物語にグイグイ引き込まれてしまうのだ。
前作とは違い、人間の汚い部分を利用している所が面白い。
研究者で親友のはずのアランの野望が膨らみ、どんどん犯罪を犯してゆく。
横領から始まり、追って来た警官の殺害、
その時に『物質転送機』を利用して知った、このマシンの恐ろしい威力。
それを利用し、フィリップと蠅をマシンに突っ込み、
更に逃げるためにフランソワに発砲…。
まさに絵に書いた犯罪者の図。

人間の私利私欲が産みだす、恐ろしい思惑と犯罪。
前代未聞の発明にはつきものなのかもしれない…。
例の事件で蠅嫌いになってしまったのに、友人アランに裏切られ、
よりによって、父のように『蠅男』になってしまう可哀想なフィリップ。
そして…『蠅男』の逆襲が始まった!
だが、彼には叔父のフランソワや恋人のセシールという味方がいたのだ。

今回印象的だったのは。
マウスから伸びたもぞもぞ動く人間の手。
人間からだらんと伸びたマウスの手。
「セシール!セシール!!」と
恋人に助けを求める『人間蠅』の悲痛な叫び。
それを見てびっくりした警官の顔ったら…。
『蠅男』はもはやインパクト無し、
騙した人間のみを襲いまくり、恋人の悲鳴でぶっ倒れどこか弱々しい。
叔父のフランソワは、ずっと密かにフィリップを守ろうと奔走。
「ビーチャム警部にしか話さない!」
傷を負い動けなくて、前作のラストに出て来た警部に蠅探しを頼み、
見つけた彼はフィリップの再生を試みる。
おそらく、フィリップは彼の息子のようなものなのであろう。
(彼の母親エレーヌも愛していたし)
でも、やはり一番驚いたのは、ハッピー・エンド。
そういえば、前作もそうだった!

ちなみに、今回この『蠅男』シリーズを観なおしてみて思ったのが、
ローテクながら非常に優れた作品だという事だ。
『物質転送機』なんかはまるで電話ボックス。
転送のさい目の保護のため、ゴーグルを着用するのだが、
ガタガタと震えるマシンが壊れないか、相変わらずドキドキ…。
『蠅男』だって、仮面ライダー的なかぶりもの。
だが、この異常な事態と、人間に潜む悪意、科学に対する脅威などに
どんどん興味が移りそういう事はどうでも良くなる。
優れた作品というのは、そういうものなんだな…。

[特典映像]
「ザ・フライ」シリーズのオリジナル劇場予告編4本。
「蝿男の恐怖」と同内容。

蝿男の逆襲
ビンセント・プライス エドワード・L・バーンズ
B0009J8CFC

蝿男の恐怖
アル・ヘディソン カート・ニューマン
B0009J8CF2

キャンペ−ン中により↓コレより↑バラで購入したほうがお得。
蝿男シリーズ DVD-BOX
アル・ヘディソン ビンセント・プライス カート・ニューマン
B00005V2ZK

「ザ・フライ」衝撃的かつ悲しみの伴うこの2本!
これまた親子の数奇な別の物語。
ザ・フライ コレクターズBOX
ジェフ・ゴールドブラム エリック・ストルツ デビッド・クローネンバーグ
B00005L9G2

 
■「蝿男の恐怖」レビュー
 

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