「スケルトン・キー」
[DVD映画]★★★★☆
ジーナ・ローランズの演技が怖いのなんの!
閉鎖的なアメリカ南部の文化とそこに潜む歴史の暗部。
日本未公開ながらなかなか見応えありのこの作品、
ストーリーが進むにつれてどんどん尻上がりにドキドキ度アップ!!
終盤の手に汗にぎる展開にはびっくりだ!!!
監督はイアン・ソフトリー。
脚本を米版「リング」シリーズなどのアーレン・クルーガーが手掛けた
2005年制作のアメリカの作品「スケルトン・キー」。
主演はケイト・ハドソン。そして、何と言っても、
ジーナ・ローランズやジョン・ハートの演技が重厚で素晴しい!
アメリカ南部、ルイジアナ州ニュー・オリンズを舞台に、
その地方の歴史と独自に根付いた文化を鍵に繰り広げられるサスペンス・ホラー。
ホスピスで働く看護士のキャロライン(ケイト・ハドソン)は、
今日も1人の患者を看取った。
だが、無くなった患者に対しての職場の事務的な対応に嫌気がさしている…
そんな時に新聞の求人広告での住込看護の職を見つけ、
ルームメイトのジル(ジョイ・ブライアント)の忠告をも軽く聞き流し
ルイジアナの沼地にある勤務先の屋敷へ面接に向かった。
うっそうとした沼地の中にある広大な敷地、30部屋以上もある大邸宅には、
老婦人のヴァイオレット(ジーナ・ローランズ)と
脳梗塞で身動き取れず話しも出来ない夫のベン(ジョン・ハート)が住んでいた。
ヴァイオレットは南部出身でないキャロラインを気に入らないのだが、
仲介に入っていた青年弁護士ルーク(ピーター・サースガード)の強いすすめで
キャロラインはこの屋敷で働く事に決定。
さて、彼女はいよいよ屋敷に住み込む事となったのだが、
まだキャロラインを気に入っていない様子のバイオレットから
ぶっきらぼうに屋敷とベンの介護について説明され、
“全ての部屋を開けられる合鍵”をもらう。
ただでさえ南部の農園の古い大邸宅…
いわくのありそうな怪しい雰囲気とこちらも無気味な周辺の住人達。
でもキャロラインにとっては理想の看護士の仕事。
悲しげな表情のベン、少しずつだが会話の増えてきたヴァイオレット
時々やってくる弁護士のルークを頼りに、新生活が始まった!!!
以下ややネタバレ有り。この作品を楽しむため、
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします
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そんなある日、キャロラインはヴァイオレットに言われて
庭に植える花の種を取りに2階へ登った時、
ふと、妙な音が聞こえる屋根裏部屋に気づく。
しかもその小部屋の奥には合鍵でも開けられない扉を発見!
ヴァイオレットにその事を訊ねると、屋敷の悲しい歴史を少し教えてくれた。
だが、こっそり後で再度チャレンジしてみた所…その中にあったものは…
屋敷のアルバム、奇怪なものが入っている瓶や人形や本、そして古いレコードなど
怪しげな儀式に使うようなものばかり…。
ニューオリンズへ戻ってこの事をジルに相談すると、
この地方独特の風習について教えてくれた。
リンチで無くなった奴隷の夫婦が写るからと鏡が隠されているこの屋敷、
その恐ろしい歴史や次々と起こる不思議な出来事。
不思議な習慣“フードゥー”。
この屋敷に不審感を抱きつつも妙に興味をそそられるキャロラインは、
亡くした父親と重なるベンを何とか救いたいがために、
ついに禁断の世界へ足を踏み入れてしまったのだ…
前半の意味不明で乱暴なカットのひとつひとつが後になって効いてくる!
“赤いレンガくず”“ドーナツ盤のレコード”“開かずの扉”そして“鍵”
“オイスター”“ガンボ料理”“鏡”“縫い閉じられた体のパーツ”
“薬”“シーツの文字”“写真立てに重ねて入った古い写真”
“奴隷へのリンチ”“『アイコ・アイコ』”
あぁそうだったのか!!何てことだ!!!まさか!!!!!
のったりした導入部分からじわじわと攻めてきて
クライマックスに至るやドキドキハラハラのもはや応援系への展開♪
“生贄”“儀式”“恐怖の館”
と古典的な手法ながら巧妙に作られおり、
ふんだんにちりばめられたあらゆる伏線がピタッと収まる所に感心する。
そのひとつひとつに「なるほど」納得しながらも、
観た後は重い気分になるのもこの作品の特徴だ。
それは、もちろんアメリカの南部の悲しい歴史が背景にあるからなのだが、
「アンクルトムの小屋」などで子供の頃に読んだ本を思い出した。
“プランテーション農園”“奴隷制度”
先住民族とヨーロッパとアフリカ融合した特異な文化。
“バーボン・ストリート”“フレンチ・クオーター”
ニューオリンズの街なみからもそれを知る事は出来る。
だが、宗教である“ヴードゥー”は知っていたが、
実践的な呪術である“フードゥー”というものは初めて知った!!
彼らは精霊を信じ、信じる事によってその効果を得るものらしい。
特典映像にある“恋まじない”や“こっくりさん”などは実践的な呪術と言えよう。
そもそもアニミズムの国である日本人にとっては意外と馴染み深い慣習だ。
亡くした父との過去があり選んだ職業が看護士だったゆえに
この極めてダークな世界に関わったゆえに、
思いもかけない経験をする事になる若いキャロラインの職業意識と正義感。
お約束だがこれが恐怖のきっかけとなる。
キャロラインを演じるケイト・ハドソンの繊細な演技と
力強い美しさ(実は出産後だったそう)!!
そして、なんと言っても大御所女優と俳優の名演技!!!
怖さ満点!屋敷の女主人を演じるジーナ・ローランズの眼力と
堂々たる体を張った演技と人物像の豹変ぶり、
動かない体で密かに助けを求める可哀想な老人ジョン・ハートの
訴えるような悲しげな眼差し、
ガソリンスタンドの怪しい盲目の老女、マリオン・ジンザーの目!!!
往年の各役者のその絶妙なる演技がたまらない!
少ない登場人物ながら彼らの演技力が、
この作品のクオリティーを高めているのは確かだ。
「ローズマリーの赤ちゃん」を彷佛させるオカルト感。
特別難解な作品ではないが、再度観てパズルをはめなおしてみるのも楽しい。
エンドロールのプレスリーの曲すら…なるほどね!!!
[超もり沢山の特典内容]
・イアン・ソフトリー監督による本編音声解説
・未公開シーン集(イアン・ソフトリー監督による音声解説付き)
・鍵のかかったドアの後ろに −メイキング・オブ・「スケルトン・キー」
・「フードゥー」と「ブードゥー」についての解説
・レシピと儀式:パーフェクト・ガンボの作り方
・バイユーのブルース
・ケイト・ハドソンのゴースト・ストーリー
・荘園での生活
・「スケルトン・キー」のキャスティング
・ジョン・ハートの物語
・“幸福”と呼ばれた家
・ジーナの恋まじない
・「キング・コング」予告編
スケルトン・キー
ケイト・ハドソン イアン・ソフトリー ジーナ・ローランズ 
最近では息子のニック・カサベテスの「君に読む物語」でも出演していたが、
彼女の亡き夫ジョン・カサベテス監督の作品での強烈な演技が大好き!
■映画「フェイシズ」レビュー
■映画「こわれゆく女」レビュー
■映画「グロリア」レビュー










Comments
TBありがとうございました(*^▽^*)
こういうオカルトは私も好きです
屋敷の過去が暴かれた辺りから結構夢中になりました
二流かな?と思ったけどなかなかの完成度ですね♪
Posted by: cherry@Cinemermaid | February 05, 2006 at 09:12 AM
TBありがとうございます。
こういう雰囲気の映画好きです。
キャロライン演じるケイト・ハドソンが良かったです。
あの恐怖に怯える感じとか・・・。
Posted by: Rooney | February 05, 2006 at 11:21 AM
cherry@Cinemermaid さん
こちらこそ!コメントありがとうございます!!
オーソドックスながら演出がなかなか上手くて
中盤からググッと引き込まれる作品でしたね!
登場人物が少ないながら、演技派の俳優さんばかりで、
完成度はなかなかのものでした。
Posted by: garam | February 05, 2006 at 04:30 PM
Rooney さん
こちらこそ!コメントありがとうございます!!
全てが怪しすぎる独特のムード、
じわじわっとくるサイコ・ホラー感が良かったですね。
ケイト・ハドソンのさりげない演技も良かったです。
さすがサラブレッド♪
Posted by: garam | February 05, 2006 at 04:31 PM
こんばんは☆
コメントありがとうございました。
劇場未公開って勿体無いですよね。
まぁ、確かに日本人には馴染みのないテーマだから、ヒットはしないだろうとは思いますが・・・(笑)
フードゥは絶対に信じないようにしなきゃですね!!
Posted by: マイコ | March 11, 2006 at 06:31 PM
マイコ さん
こちらこそ!
名優さんぞろいなのにもったいないですね!
ただ、話題にはなりづらい…というのもわかる気がします。
未公開でもこうやってレンタルで観る事ができるのも
ある意味醍醐味だと思うようにしております♪
フードゥーというのはこの映画で初めて知りました。
意外とアニミズムな感じが日本人にもグッときますね…
信じると影響する…というのも理解出来、
だからこそ、ゾゾッとしました。
Posted by: garam | March 12, 2006 at 08:25 AM