「きみに読む物語」
[DVD映画]★★★☆☆
カサベテス母子の描き出す運命的な愛の形。
最後の最後にグッときた!
こんな風に逝けたらどんなに幸せだったろう…
奇跡を起こし続け、初恋を貫き通したありふれた男の物語!
こんなにも超正統派の純愛ラブストーリーを久しぶりに観た!!
監督は故ジョン・カサヴェテスとこの作品にも出演している
女優ジーナ・ローランズの息子ニック・カサヴェテス。
原作は若手作家の ニコラス・スパークス。
アルツハイマーという重いテーマを扱いながら、
赤い糸で結ばれた“運命的な永遠の愛”を
美しい映像と共に、より劇的に描き出している。
2005年公開のアメリカ作品「きみに読む物語」。
療養生活を送る老婦人アリー(ジーナ・ローランズ)の所へ
毎日のようにやってくる老人男性デューク(ジェームズ・ガーナー)。
彼はいつも同じ、ある物語を彼女に読み聞かせるのだ。
彼女に起こる奇跡を信じて…。
1940年6月6日。アメリカ南部の小さな町。
休暇で都会からやって来た17歳の金髪ではつらつとした令嬢
アリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)に、
地元の材木置場で働く、自信家だがごく田舎の普通の青年
ノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)は一目惚れ!
観覧車にぶら下がってデートの約束をとりつけたり、
道路に二人寝転んで運試しをしてみたり、
かなり強引なアタックを重ねて遂に二人は恋におちる…。
身分は違うが、いつでも一緒、離れられない二人。
1772年に建てられたウインザー農園をいつか買い取り改築し、
共に暮らそうと結ばれた二人だったが、
アリーの両親に交際を反対され、
彼女は夏の終りを待たずしてニューヨークの学校へ連れて行かれてしまう。
1年間365日毎日アリーに手紙を書いたノアだったが、
彼女からの連絡が一度も無いまま第2次世界大戦が始まるのだった。
この自分自身の物語を興味深く聞く老女アリー。
そして先を知りたいとノアにせがむのだ。
果たしてアリーの記憶は戻るのだろうか???
以下ネタバレ有り。この作品を楽しむため、
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします
* * * * * * * * * * * * * * * *
最初と最後、しばしば現れる水辺で戯れる“渡り鳥”白鳥の群れと、
若い二人、白髪の二人の姿。
ちょっと美し過ぎるが、後になる程グッとくる。
老人になった現在の二人と若い頃の二人のエピソードが
交互に語られて少しずつ彼らの過去が明らかになってゆく。
観ているこちらがこっ恥ずかしくなる位に愛しあう恋人達…そして別れ。
離れている間のあまりにも違う彼らの生活…
アリーは戦時中ボランティアで看護をしていた時に知り合った、
富豪の息子ロン(ジェームズ・マースデン)とごく自然にまた新たな恋をする。
ロンのスマートな言葉は最初から最後までなかなか“男前”だ。
一方ノアは戦場から戻り、本格的に失恋した事を知る。
だがアリーの事が忘れられないノアは
彼女との約束のあの農園を買い取り、古い屋敷を狂ったように改築した。
そして寂しさをまぎらわせるマーサ・ショー未亡人とのつきあい。
こんな横恋慕なんかがそれぞれあったが、
結局運命的に再び巡りあう彼らはお互いに
どうしても忘れらず惹かれあう一度しかない“初恋”の相手なのだった。
アルツハイマーで記憶障害を持ち、日々の出来事や家族すらも忘れてしまう
入院中の妻へ、心臓病を患っている夫が彼ら自身の物語を読み続ける。
つかの間でも彼女の記憶が戻る事を願い毎日読み聞かせる…。
子供達に『お母さんが私の家だ』と語るノア。
書き記された『これを読んでくれたらあなたの元へ』というアリーの言葉。
彼女の最期の言葉は『私達一緒に死ねるかしら?』だなんて…。
アリーの記憶が一瞬だけ戻った時のノアの喜びよう!
そして彼女が不安になるやいなや、それが去ってしまった時のノアの落胆ぶり。
二人と家族のアルバムをめくるノアの顔…。
ノアにこんなにも愛されたアリー、
アリーもそんなノアをこぼれてゆく記憶の奥で常に愛し続けていたのだ。
それを忘れないよう書き記した物語。
アリーはどんなに不安だった事か!しかもそれすらも忘れてしまう病。
だが、最期にまた奇跡は訪れた!!!
ただありふれた普通の男ノアの、唯一誰にも負けない誇れる事。
『全身全霊をかたむけて愛する女性がいる。
それは彼女が若くても年老いて病気になっても変わる事は無い…。』
初恋の相手と結ばれ老いるまで共に過ごす事が出来る…
つらい病があったにせよ、何て幸せな夫婦なのであろうか!
出来そうでなかなか出来ない愛の形だ。
前半のゆったりとした夢のような古き良き時代のエピソードや、
ここぞという時に訪れるちょっとした愛の奇跡など、
小説を上回る悪意の渦巻くこの時代に、もの足りなさを感じるかもしれないが、
この作品には病の過酷さ、リアリティを追求してはいけない。
あくまでも“あるありふれた夫婦”の一途な永遠の愛、
運命的な恋愛を描いたこの物語のページをめくりながら、
彼らに起きる奇跡を期待するようになる。
人々に一筋の希望を与える作品なのだと思った。
きみに読む物語 スタンダード・エディション
ライアン・ゴズリング ニコラス・スパークス ニック・カサヴェテス 
きみに読む物語 プレミアム・エディション
ライアン・ゴズリング ニコラス・スパークス ニック・カサヴェテス ![]()
原作本
きみに読む物語
ニコラス スパークス Nicholas Sparks 雨沢 泰 ![]()
続編小説
きみに読む物語 ‐もうひとつの愛の奇跡‐
ニコラス・スパークス 雨沢 泰 ![]()
75歳を越えて増々円熟した演技が素晴しいジーナローランズの出演作品
■映画「フェイシズ」レビュー
■映画「こわれゆく女」レビュー
■映画「グロリア」レビュー
■映画「スケルトン・キー」レビュー










Comments
こんにちは。TBさせて頂きました。
冒頭に出てくる「平凡な人生だったが、一人の女性を命がけで愛した」みたいなモノローグが出てきて、印象に残りました。
世の中、きっとそういう人の方が多いでしょうから・・・
命がけかどうかは分かりませんが(笑)。
Posted by: hi-chan | February 14, 2006 at 10:50 AM
hi-chan さん
TB&コメントありがとうございます!
「一人の人を命がけで愛する」なんて
すでにワタシには出来ていませんが(笑)
新しい恋の度に必ず思い出す人はいますね〜。
それが“初恋”なのかな…と思いました。
そして年老いた時に彼らのように逝けたら本望です♪
Posted by: garam | February 17, 2006 at 03:16 AM
TBありがとう^^
すごいたくさんの映画を観てますね。うらやましい。
お気に入りの欄の「上村一夫」さんが気になってしまいました★
大好きな人と別れるとき、こんなに悲しいぐらいなら
「忘れてしまいたい。」と思うのが常だけれど、
本当は「忘れたくない」の裏返し。
記憶がなくなるのは悲しいです、ね。
Posted by: laundry | March 23, 2006 at 12:50 PM
laundry さん
こちらこそ!
TB&コメントありがとうございます!!
>大好きな人と別れるとき、こんなに悲しいぐらいなら
>「忘れてしまいたい。」と思うのが常だけれど、
>本当は「忘れたくない」の裏返し。
人や物事の存在は、
記録や記憶で証明されているようなものですから、
誰かに覚えってもらっている…
という事はとても大切なんだと最近痛感します。
愛する人から忘れられてしまう…
または、忘れたくないのに忘れてしまう…
アリーのそばに寄り添い奇跡を待つノア
記憶を失いながらも、ずっとノアを愛しているアリー
やりきれないけれど、希望を与えてくれる物語でした!
ちなみに…
上村一夫さんの描く女性の艶っぽさと視線
江戸〜昭和の女のセツなさと力強さが大好きなんです。
成人向けの劇画なので過激な描写もあるのですが、
個人的には「狂人関係」「修羅雪姫」がお気に入りです。
Posted by: garam | March 25, 2006 at 08:35 PM