「夕凪の街/桜の国」こうの史代
[コミック]★★★★☆
ちょっと気がひけて発売当初は手が出せなかったコレ。
少し後になって読んでみたところ
想像と少し違って面食らった記憶があります。
先日公開で実写映画化されたようで
予告編を観ていたら読みたくなって
薄いコミック本なので再読してみました。
すこぶる感動したり、涙が出るわけではないですが、
絵柄の素直さと広島弁の優しく飄々とした言い回し、
それに反する厳しい現実が絶妙に描かれています。
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物語は大きく2部構成。
第1部は「夕凪の街」
終戦約10年後の広島。
父、姉、妹を原爆で亡くした23才の皆実は
病気がちな母親とバラックで二人暮らし。
皆実が会社で働き、母の裁縫で貧乏ながら何とか暮らしていた。
一見復興したように見えるが、まだ傷跡の癒えない街や人々…
そんな皆実にもついにいい人が現れたのだが
原爆はまだ殺人を止めずにいた…
第2部が「桜の国」
その1前編が、
それから約20数年後?の東京新井薬師。
皆実の弟、養子に出た旭の娘の七波が主人公。
小学生の七波は、息持ちの弟凪生と
病気がちな祖母フジと父の旭との4人暮らし。
野球好きの七波はお隣の女の子らしい東子ちゃんと仲良し。
一見普通の家族だが、母は原爆症で若くして亡くなっていたのだ…
その2後編が、
そして、更に約20年後の平成16年。
最近動がおかしい父を久しぶりに偶然再会した、
幼なじみの東子と追った事で、七波と弟の凪生にも、
終わらない原爆の傷がふりかかっている事を再認識する事となる。
そして、父と母のなれそめに想いをはせるのだ…
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そう。遺伝子にも刻まれるという放射能の傷。
地獄絵図を体験した人はもちろん、その子孫にまで及び続けているのだ。
ソレが原因ではないかもしれないのに差別や偏見すらまだまだ存在している…
少し前に原爆についての失言で更迭された人がいたが、
現在も終わらぬ戦いを強いられている国民がいる事を胸に刻んで頂きたい。
忘れ去られた遠い過去に起きた事ではないし、核兵器はまだ存在しているのだから…
自分の身内に被爆した人がいたら、絶対あのような発言は無いはずだもの…。
皆実の最期の描き方は秀逸。
押し付けがましくなく、そんな事を思える作品でした。
映画は…劇場ではなくDVD化を待つ予定です。
![]() | 夕凪の街桜の国 こうの 史代 双葉社 2004-10 by G-Tools |





































