44 posts categorized "映画:日本"

April 24, 2008

「コントロール」

[劇場映画]★★★★☆

数多くのミュージシャンの写真を撮ってきたフォトグラファー
アントン・コービンの映像作品は30年弱前に彼が出会ったバンド
ジョイ・デヴィジョンの亡きヴォーカル、イアン・カーティスの生涯を
1974年〜1980年まで描いた映画。
モノクロームのスクリーンに切り取られた完璧な構図の中に
悩めるバンド青年の姿が狂おしいまでに美しく映し出されていた。

_______________

「コントロール」
原題:CONTROL

製作国:イギリス/アメリカ/オーストラリア/日本(2007)
監督:アントン・コービン
製作:オライアン・ウィリアムズ/アントン・コービン/トッド・エッカート
原案:デボラ・カーティス『タッチング・フロム・ア・ディスタンス イアン・カーティスとジョイ・ディヴィジョン』(蒼氷社刊)
脚本:マット・グリーンハルシュ
撮影:マーティン・ルーエ
音楽監修:イアン・ニール
スペシャルサンクス:ニュー・オーダー

出演:
イアン・カーティス(サム・ライリー)
デボラ・カーティス(サマンサ・モートン)
アニーク・オノレ(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)
フッキー(ジョー・アンダーソン)
バーナード・サムナー(ジェームズ・アンソニー・ピアソン)
ロブ・グレットン(トビー・ケベル)
トニー・ウィルソン(クレイグ・パーキンソン)
スティーヴン・モリス(ハリー・トレッダウェイ)
ケヴィン〈イアンの父〉(リチャード・ブレマー)
_______________

デビューアルバム1枚を残し1980年5月18日に23歳で自殺した
ジョイ・ディヴィジョンの亡きボーカル、
イアン・カーティスの学生時代から
結婚しバンドに入り自殺するまでを描いた作品。
監督が彼らとなじみの深いフォトグラファーのアントン・コービン。

ニュー・オーダーの前身バンドだと言う事と
度々カヴァーされている名曲達は知っていたが
イアン・カーティスについてはあまり知らなかった。
デヴィッド・ボウイやルー・リードのようになりたかった詩人のイアン。
無垢なデヴィーの笑顔に恋をし若くして結婚したイアン。
職業安定所の職員だった生真面目なイアン。

そんな彼がロックバンド、ワルシャワに参加し
ジョイ・ディヴィジョンとして本格的な活動を開始してから
ありがちなロック・スターの転落人生へとまっしぐら…
TV出演、アルバム制作、ツアの日々…
疲れからか癲癇の発作を起こし、以後持病となってしまう。
追っかけ記者との恋がきっかけで、妻や娘の存在がうっとおしくなってくるし
どんどん忙しくなり欧州、果てはアメリカツアーまで決定。
自分が思い描いていたヴィジョンとはどんどんかけ離れ
ステージでも癲癇の発作を起こし
加速してゆくバンドのサクセスストーリーの中で
自分の存在について自信が持てず、コントロール出来ず
家族と恋人の間で板挟みになり
ついにステージで歌えなくなってしまう…
それでも何とかやり直そうとするイアンだが
アメリカツアーを前に、命を断ってしまった…。
後に『ブルー・マンデー』という曲になる彼の最期。
ジョイ・ディヴィジョン時代の数少ないヒット曲の歌詞の意味が
コレを観る前と全く違って感じられた。

モノクロームなアントンの写真のようなシーンに
ニュー・ウェーヴ・ムーブメントの楽曲や
もちろんジョイ・ディヴィジョンのサウンドが流れ
頭をぐるぐる回って離れない。
とにかく主演のサム・ライリーの素晴らしい演技力
ライブ・パフォーマンスと常にどこか寂しげな表情が印象的だ。
パンフレットにも書いてあるが、特に似ているわけでもないのに
どんどんイアン・カーティスに見えてくるのだ。
劇中の彼らの演奏にも妙な迫力と狂気があり
グイと心の底をつかまれてしまう。

ミュージシャンにありがちな事だし
持病の癲癇の恐怖もあっただろうが
真面目すぎるゆえ、若さゆえ…
逃げ道を閉ざされてしまったのだろうか。
『LOVE WILL TEAR US APART』がとにかく心に沁みた…

〈東京では2008/3/25まで渋谷シネマライズにて上映中〉

コントロール
サントラ ニュー・オーダー デヴィッド・ボウイ

コントロール
スティル【コレクターズ・エディション】 アンノウン・プレジャーズ【コレクターズ・エディション】 クローサー【コレクターズ・エディション】 The Best of Joy Division シャドウプレイヤーズ - ファクトリー・レコードとマンチェスターのポスト・パンク 1978~81
by G-Tools

ジョイ・ディヴィジョンのシングル集
サブスタンス
ジョイ・ディヴィジョン
B00005LK2V

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July 28, 2007

「選挙」

[劇場映画]★★★★☆

政治の素人山内和彦さんの川崎市議会議員への
自民党からの立候補…しかも立場的に微妙な落下傘候補。
この2005年の選挙戦を追った生々しいドキュメンタリー。
手持ちカメラも揺れるけれど、その姿もガタガタ…
彼のキャラにどんどんこちらものせられて
ちょっと応援したくなったりするのが面白い。

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「選挙」
 洋題:CAMPAIGN

製作国:日本/アメリカ(2006)
監督・撮影・編集:想田和弘
英語字幕:キャメロン・スティール

主な登場人物 :敬称略・肩書きは当時のもの
山内和彦(川崎市議会補欠選挙・自民党公認候補)
山内さゆり(山内和彦の妻)
浅野文直(川崎市議会議員)
石田康博 (川崎市議会議員)
石原伸晃 (衆議院議員・元行政改革・規制改革担当大臣・元国土交通大臣)
荻原健司 (参議院議員・オリンピック金メダリスト)
川口順子 (元外務大臣・元環境大臣・参議院候補)
小泉純一郎 (総理大臣)
高尾紀久雄 (参議院議員小泉昭男の秘書)
田中和徳 (衆議院議員)
永井はる子 (山内和彦事務所)
橋本聖子 (参議院議員・オリンピック銅メダリスト)
松川正二郎 (元田中和徳第一秘書)
持田文男 (神奈川県議会議員)
矢沢博孝 (川崎市議会議長)
山際大志郎 (衆議院議員)
山田甫夫 (山内和彦後援会会長)
川崎市の皆さん
自民党川崎支連の皆さん
各後援会の皆さん
ウグイス嬢の皆さん
東大同窓生の皆さん

「選挙」オフィシャル・サイト
→山さんブログ
→監督ブログ

____________

今週末また参議院選挙があるそうで…
街頭演説がそろそろ始まりましたね。
ちょっとコレが気になっていたので久しぶりに劇場鑑賞。
ドキュメンタリー作品なのであえてクレジットを
がっつり入れさせていただきました。

2005年の川崎市議会議員補欠選挙に
東大卒という事と小泉さんのファンだったから…という事で
自民党から持ち上げられた
無縁の切手コイン商だった山内和彦さんが立候補。
これを彼と同級生だった想田和弘監督が
選挙戦の約2週間密着した台本の無いドキュメンタリー。

ただただ、政治と無縁の素人が
自民党の先生達に助けられながら?
まことに情けなく滑稽でもあるが
先生達の笑顔や完璧すぎる一挙一動が、
これまた滑稽かつ不気味にすら思える。

党を上げて次席獲得の為にどんどん盛り上げ
応援演説に小泉元首相も一応ご登場。
(そういえば小泉さん一昨年前、各地で応援演説されてましたね)
そんな中、地元出身でもない落下傘候補のこの候補者…
天下の自民党のバックアップがありながらも
自腹を切って有り金はたいて、妻も前面的に協力…
選挙のために引越してきた小さなアパートで
布団1枚で疲れきって寝る姿には哀愁が…
誰も聞かない駅や住宅地での街頭演説、
票の為には…と電信柱にも頭をさげろという文字通りの姿
諸先輩型が叱咤激励してくれるが体育会系のノリについて行けない
運動会やお祭りなどへの参加などなど…
議員先生達のご苦労も、ある種滑稽。

そもそも議員って何???とか…
こんな形で政治家を生み出して良いのか?
大丈夫かな…というのと同時に
この国大丈夫なのかな…と解っていたが正直思う。

この映画の山さんも…具体的な政策が今ひとつでした。
東大卒、自民党公認、小泉さんファン
党から指示された公約並べたトコロで
突っ込まれると、笑顔で頭をさげお願いするしかない山さん…。
これでは議員さんになられても大変です。

その他には海外向けの英語の字幕が意外と楽しめたり
アメリカ在住の監督さんだけに意図したものでしょうが。
ちなみに山さん…今年の春で任期満了。
出馬せず切手コイン商にお戻りのよう。
6月にはお子さんも産まれたそうです。

一市民として選挙について考えさせられたのと
マニュフェストや公約をもっと一般市民にも理解しやすい
ちゃんとした選挙公報を配ってもらいたいのと
何より意志のある候補者に立候補していただきたい。
今回も入れたい人がいない…というのが実情です。

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July 27, 2007

「時をかける少女」(アニメ版)

[TV放映映画]★★★★☆

いやはや見事によく出来たリメイクアニメ版!!!
主人公のスタンスが少々違うけれどちゃんとメッセージが伝わってくる。
20年以上前の原田知世主演の映画版が苦手な方にもおすすめ。

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「時をかける少女」(アニメ版)

製作国:日本(2005)
監督:細田守
アニメーション制作:マッドハウス
プロデューサー:渡邊隆史/齋藤優一郎
原作:筒井康隆『時をかける少女』(角川文庫刊)
脚本:奥寺佐渡子
音楽:吉田潔
キャラクターデザイン:貞本義行
作画監督:青山浩行/久保田誓/石浜真史

声の出演:
紺野真琴(仲里依紗)
間宮千昭(石田卓也)
津田功介(板倉光隆)
芳山和子(原沙知絵)
藤谷果穂(谷村美月)
早川友梨(垣内彩未)
紺野美雪(関戸優希)

「時をかける少女」(アニメ版)オフィシャル・サイト
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実写版映画の20年後の現代の設定…となっていました。
なぜか絵の履修家になっている和子の姪っ子
おてんばな現代っ子マコトの物語。

これがヒットしたのも頷ける
なかなかいい青春ドラマになっていた。
チアキとコウスケといつも野球にいそしんでいたマコト。
ある日滑って転んだ実験室で何かが起こり
タイムリープする事が出来るようになった
高校生のマコトちゃん。
身の危険に遭遇すると、記憶はそのままで時間が逆戻りし
もう一度やり直す事が可能だなんて。
こりゃ便利と何度もタイムリープしていたが
ある日手についた数字を発見。
そんな時に大事件が…

いつまでも男女関係なくずっと遊んでいたい。
仲が良ければ尚更…そして淡い恋心…♪
ああ…その気持ち解ります…
それこそ20年程前の記憶ですが…(汗)
そして恋した彼は手が届かない存在に。
単細胞であっけらかんとした現代っ子だが
素直に泣きじゃくるマコトちゃんには共感できます。

さすが映画のファンだったという監督。
リメイクアニメながらもちゃんとツボをおさえていますな。
「未来で待ってる」というセリフも効いているし。
和子おばさんの存在と体験をうまく利用し
ちゃんと観客にメッセージを届けようとしています。
流される昭和の女子高生和子とは違った
活発で意志を持ったマコトちゃんがいきいきと見えますね。
知世ちゃんの映画が苦手なワタシは
個人的にはコチラに軍配。
ああ…青春…

B000MEXAOM時をかける少女 通常版
仲里依紗 石田卓也 板倉光隆
角川エンタテインメント 2007-04-20

by G-Tools

時をかける少女 限定版
仲里依紗 石田卓也 板倉光隆
B000MEXAOC

時をかける少女 オリジナル・サウンドトラック
サントラ 吉田潔
B000FGG80K

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July 21, 2007

「時をかける少女」

[TV放映映画]★★☆☆☆

ある日突然タイムトラベラーとなってしまった
女子高生の青春ファンタジー。
実はそれにはある日の事件が…

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「時をかける少女」

製作国:日本(1983)

監督:大林宣彦
製作:角川春樹
プロデューサー:山田順彦/大林恭子
原作:筒井康隆
脚本:剣持亘/大林宣彦
音楽:松任谷正隆

出演:
芳山和子(原田知世)
深町一夫/ケン・ソゴル(高柳良一)
堀川吾郎(尾美としのり)
深町正治(上原謙)
芳山哲夫(内藤誠)
津田ゆかり
岸部一徳
根岸季衣
入江たか子
松任谷正隆

____________

なんて懐かしい〜
明日のアニメ版の放映に合わせたようですね。
映画を深夜やっていたので、つい観てしまいました。

筒井康隆の原作短編は結構好きだったのですが、
尾道三部作以降特に大林監督は少し苦手。
主演の原田知世も、彼女と同世代のワタシには当時苦手。
さらに彼女が歌う主題歌の『時をかける少女』の
あまりの下手さに度肝を抜かれたり…
この映画「時をかける少女」はあまり好きでは無かったのですが
尾見としのり好きではあったりして
テレビで何度も放映されていたのを
これまでも何度となく観た記憶があります。

今ではいい役者さんになった原田知世ちゃんですが
がドラマ「セーラー服と機関銃」でデビューした時の
極めて地味なルックスとか細い声
衝撃的な棒読み演技がダメでして…(笑)
世の男どもがメロメロなのが
どうしても理解出来なかった記憶もあります。
今思えば清楚で凛とした清潔感と透明感
そして何となくはかないあのキャラは
アイドル界では新鮮で男心をくすぐりますね。


さて、本編ですが…
土曜日の実験室でのシーンが印象的で
すっかり忘れていたスキー合宿のシーンにまずびっくり。
やはり、こっぱずかしいセリフのてんこもりですが
こんなはじまりだったとは…

そして登場した高柳良一氏にまたびっくり。
すっかりサラリーマンになったらしい彼…
そういや角川作品にがっつり使われていた男前スターでしたね。
りりしいお顔はすっとぼけた尾見くんと対照的。
でも演技は知世ちゃんと同じくらい棒読み(笑)
やっぱり尾見くんキャラが好きですねぇ…

恋した花好きの青年の秘密、叶わぬ切ない恋…
尾道を舞台にしたのは大正解。
坂道だらけの時間が止まったようなレトロな町…
何が起きてもおかしくないような美しく不安定な所があり
この雰囲気にかなり救われる。
ラベンダーの香りで…のタイムスリップのシーン
その強引さと合成のつたなさは
今観ると逆に新鮮で面白い。

しかし『桃栗三年』の歌の酷さ。
ラストのエンディングが最高です。
見事に主題歌「時をかける少女」のPVになっていたのに
もはや拍手しそうでした。これは一見の価値有り!!!
とっても正しいアイドル映画になっております。

20年以上経って観てみると
色々新たに発見する事もあり意外にも楽しめました。
髪型は、当時流行っていたな…とかしみじみ。
大林監督の作品では「転校生」「青春デンデケデケデケ」
だけが好きなんですが、この考えもゆらいできました。
おばちゃんになってから解る事もあるんですねぇ。
今年は「転校生 -さよなら あなた-」を撮っているそうだし
機会があれば観てみようと思いました。

B000IU3A2M時をかける少女
原田知世 高柳良一 尾美としのり
角川ヘラルド映画 2006-10-20

by G-Tools

DREAM PRICE 1000/原田知世 時をかける少女
原田知世
B00005V4D5

時をかける少女
サントラ
B00005FQ3U

時をかける少女 〈新装版〉
筒井 康隆
4041305217

時をかける少女 通常版
仲里依紗 石田卓也 板倉光隆
B000MEXAOM

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July 08, 2007

「初恋」

[DVD映画]★★★☆☆

あの“三億円事件”の新たなる捉え方が面白い。
あくまでも“実行犯”が女子高生という事で
犯人像には妙に真実味もあったりするのが興味深い。

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「初恋」

制作国:日本(2006)
監督:塙幸成
原作:中原みすず『初恋』(リトル・モア刊)
脚本:塙幸成
音楽:COIL

出演:
みすず(宮崎あおい)
岸(小出恵介)
亮(宮崎将)
ユカ(小嶺麗奈)
タケシ(柄本佑)
テツ(青木崇高)
ヤス(松浦祐也)
バイク屋(藤村俊二)

「初恋」オフィシャルサイト

_______________

あの“三億円事件”の実行犯が実は女子高生だったという
面白い設定の物語だった。
“三億円事件”好きのワタシはちょっとワクワク…
宮崎あおいの体当たり演技に好感が持てるが
声と体型的にちょっと無理が…

1968年12月10日雨の中での犯行
1975年12月10日の公訴時効の報道はおぼろげだが
1988年12月10日の民事時効を迎えた時には
少しドキドキしたものだ…。

寂しい境遇の高校生のみすずは
幼い頃に母と一緒に出て行った兄の亮に会うため
ジャズクラブに出入りするようになり
そこで出会った岸に恋をした。

時代は学園紛争のまっただ中に突入し
権力に対する為に事件をおこす岸の思惑は
恋する人のために犯行を行うみすずにより成されたと思われたが…

あまりにも純粋でドジながら懸命なみすずの姿。
親に捨てられ兄を頼りそこで出会った初恋の人。
時代もあり感化されるのは17歳という
可能性も沢山あるが、不安定な年齢だからなのかもしれない。
何故だかこのハイティーン時代は誰もが
駄目な世の中を変える事が出来るように思え
行動を起こせる貴重な時代でもあったりする

とはいえ“三億円事件”の実行犯…
成人男性とはあまりにもかけはなれた体格と声。
あまりにも不自然であった…
バイクで雨の中を走るだけでいっぱいいっぱい…
少し無理が有り過ぎたかな。
小さな身体で雨の中自動二輪を扱う困難さだけは
十分伝わってくる…シートを引きずりながら
ヨロヨロ走る姿は印象的であった。

このシートをひっかけたまま走った偽装白バイは事実であり
その不用意かつどこか未熟さを感じる所から
高校生実行犯…というアイデアが生まれたのかもしれない。
時代に流されるメンバーには年代が
Bに出入りする彼らに感情移入は出来なかったが
ねつ造されたのでは…というあのモンタージュ写真や
数多くの遺留品があったにも関わらずの捜査の難行…
事件が国家権力でもみ消された…というのは
妙に真実実もあり興味深いものがある。

おひょいさん演じるバイク屋さんといい
集っていた若者達の行く末には
ちょっと物悲しさもあった。

B000FZENKS初恋 プレミアム・エディション
中原みすず 塙幸成 宮崎あおい
ハピネット・ピクチャーズ 2006-11-24

by G-Tools

初恋 スタンダード・エディション
中原みすず 塙幸成 宮崎あおい
B000IU38I8

初恋
サントラ コイル 岡本定義
B000F9UDK8

初恋
中原 みすず
4898150640

“三億円事件”を描いたドラマ&コミック
■ドラマ 「悪魔のようなあいつ」 - 1 レビュー
■ドラマ 「悪魔のようなあいつ」 - 2 レビュー
■コミック 「悪魔のようなあいつ」 レビュー

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July 05, 2007

「明日の記憶」

[DVD映画]★★★☆☆

“若年性アルツハイマー”という病気の悲しい症状。
誰にでもあるちょっとした物忘れが
病気の兆候であったのが他人事とは思えない。
でも、極悪人が登場しないこの映画はとても暖かく
人とのつながりの大切さを教えてもくれた。

_______________

「明日の記憶」

制作国:日本(2005)
監督:堤幸彦
エグゼクティブプロデューサー:渡辺謙
原作:荻原浩『明日の記憶』(光文社刊)
脚本:砂本量・三浦有為子
音楽:大島ミチル

出演:
佐伯雅行(渡辺謙)
佐伯枝実子(樋口可南子)
伊東直也(坂口憲二)
佐伯梨恵(吹石一恵)
生野啓子(水川あさみ)
木崎茂之(木梨憲武)
吉田武宏(及川光博)
浜野喜美子(渡辺えり子)
河村篤志(香川照之)
菅原卯三郎(大滝秀治)

「明日の記憶」オフィシャルサイト

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こういう失われる記憶系の作品を観ると
いつも気付くのが今の自分の幸福さと
周囲の人の存在の有難さ。

完成度の高さやリアルさはともかく、
渡辺謙さんの存在感はやっぱりすごい。
若年性アルツハイマーを
バリバリ働いている広告営業マンが
50を前にして突然この病に侵されてゆく様子を
美しく淡々と丁寧に描いている作品だった。

もの忘れ、めまいや、妄想、パニック状態など
当事者の身に起きた様子を映像的に何とか描こうと
本人の視野でのカメラワークが印象的だ。

樋口可南子演じる愛妻がとても良い妻で…
何て幸せな夫なのだろうと思った。
奥多摩での陶芸教室をとおして結ばれた
二人の恋愛ストーリーとして
美しくまとめあげているので
とにかく美しく切ない。

誰にでも経験した事があるようなささいな症状が
まさか自分の身にも…とつい考えさせられるのではないだろうか。
そして、自分に、近親者に…と思うと
日々生きる事の大切さ、人とのつながりの有難さ
をやはり感じざるを得ないのだ。
ちなみにこの映画には善人しか出て来ない。
だからかもしれないが、とてつもない優しさに包まれている。

こういった映画は
泣こうとして観る映画ではない…
“病気の存在を知る”ためにだ
と個人的にはそう思っている。

B000FPEMX6明日の記憶
渡辺謙 荻原浩 堤幸彦
東映 2006-10-21

by G-Tools

明日の記憶
荻原 浩
4334924468

明日の記憶 オリジナル・サウンドトラック
サントラ 大島ミチル 宮本文昭
B000EWBCEM

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July 04, 2007

「ゆれる」

[DVD映画]★★★★☆

幼い頃より信頼しきっていたものが
お互い一度ゆらいでしまうとやっかいなのかもしれない。
特に異性によってゆらぎは起こりうる…。

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「ゆれる」

製作国:日本(2006)
監督・脚本:西川美和
音楽:カリフラワーズ

早川 猛(オダギリジョー)
早川 稔(香川照之)
早川 勇(伊武雅刀)
早川 修(蟹江敬三)
岡島洋平(新井浩文)
川端智恵子(真木よう子)
検察官(木村祐一)
警部補(ピエール瀧)
裁判官(田口トモロヲ)

「ゆれる」オフィシャル・サイト

____________________________

田舎の実家で家業を継ぐ、石橋をたたいても渡れない生真面目な兄と
都会でカメラマンになり、揺れる吊り橋も平気に渡る奔放な弟。
母の葬儀に久しぶりに帰省した弟は
久しぶりに逢った家族や親族の中でも浮きまくり。
父親はちょっとした事ですぐ怒鳴る。
でも兄はいつも優しくそんな弟に接してくれる。
弟もそんな兄が自慢でもあり、大好きなのだった。

だが、実家のガソリンスタンドで
従業員の彼女と兄が仲良くしている所を見かけてから
兄弟の絶対的な信頼関係が崩れてゆく…
彼女は昔から弟に好意があったようで
弟が彼女を誘えば大人の関係にはあっと言う間…
渓谷へのドライブを兄が提案し
3人は吊り橋のかかる川に来た。
子供のようにはしゃぐ兄…
冷静に、ファインダー越しに自然を楽しむ弟…
兄弟の間に挟まれた女がとった行動でとある事件が…

殺人罪に問われる兄を何とか救おうとする弟。
そして父親の兄弟である叔父の弁護士。
だが、優しくて生真面目すぎる兄にもずっと悩みはあったのだ。
真実と虚偽。記憶すらあちらこちらに揺れた結果
弟は何年も自分の虚偽に目を閉じた。

ガソリンスタンドの従業員のおせっかいで
ふと想い出した母親の形見の8ミリフィルムにを観て
彼はやっと目をそらしていた真実に気付く。
女性の存在でゆれた兄弟達は
再び女性の残したものでゆり戻されたのかもしれない。
言葉よりさりげない光景が物語る。

特に田舎で顕著なのだが、
主に長男とその他の兄弟の間には大きな溝があったりする。
長男やそれに準じるものには
生まれながらにして跡継ぎという使命があり
それ以外の子供には親の遺産は入らぬが
その重苦しい期待はかからない。
必然的に跡継ぎになったものは
その一家全体を背負い使命をまっとうすべく
自分を押し殺してしまう傾向にある。
幼い頃より年長者であるがゆえに周りを気遣い
選択の余地無く実家で我慢を重ねてきた兄の苦悩。
それとは真逆に自分の居場所を探さなければならなかった次男。

昔気質の頑固な父の間に入り自分を守ってくれた
兄であり母親的な絶対的な愛情を信じていたゆえに
一度ゆらいだ信頼はなかなか元に戻れない。
兄も一瞬ゆれた心での発言の中で消えた信頼が戻るのを
罪を償いながらじっと待ち続けたのだろう。
オダジョー、新井くん、伊武さん…
そして何といっても香川さんのあの笑顔が印象的。
名優ぞろいで気が抜けない緊張感がある作品だ。


B000KIX658ゆれる
オダギリジョー 西川美和 香川照之
バンダイビジュアル 2007-02-23

by G-Tools

ゆれる オリジナルサウンドトラック
カリフラワーズ
B000FZDMIC

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September 27, 2006

「東京ゾンビ」

[DVD映画]★★☆☆☆

悪趣味満点、ゆるさ満点、何と行ってもテンポの悪さ満点!!!
アフロとハゲヅラが柔術で戦うゾンビもののパロディ作品。

く…下らなすぎる…
このサブカル色満天の予告編にソソられたが、
しょっぱなから、ヤバそうなムード満点。
想像以上のテンポの悪さにドンびき…
花くまゆうさくの同名コミックの映画化もの。
2005年の邦画東京ゾンビ。監督・脚本とも佐藤佐吉

近未来の東京が舞台。
違法産業廃棄物がガンガン捨てられているゴミの山“黒富士”では
なぜか死体まで廃棄されている始末。
その“黒富士”では何かとんでもない事が起きていたのだ…。

ある日、昼休みにいつものように柔術の練習にいそしむ
消化器工場で働くアフロヘアの青年フジオ(浅野忠信)と
ハゲ頭のおっさんミツオ(哀川翔)。
そこへやってきたイヤミったらしい本社の藤本を
ひょんな事から殺してしまった…。
そこで二人は藤本を“黒富士”に埋めに行くのだが
そこでは死体が続々とゾンビとして復活し、
人間達を襲い増殖しはじめていた!!!!

* * * * * * * * * * * * * * * *

「フジオ〜北へ逃げろ!」
「わかったよ!ミッちゃ〜ん!!」

ちょっと気持ち悪いくらいの師弟愛。
想像どおりB級通り越してZ級に近いノリ。
最初から最後までテンポと間が悪い、典型的なダメ邦画。
基本的に「ランド・オブ・ザ・デッド」のパロディなのだが、
ゾンビ映画、パロディ作品としてもちょっといただけない。
極めてスローな展開なので2倍速で観て丁度良いかも。

しかしながら、
Vシネのドン哀川翔演じる格闘マニアのミッちゃんの
ハゲヅラと格闘技に熱〜くマヌケなキャラの濃さ!
邦画界の若手のドン浅野忠信のどうでもいいような演技とアフロヘア
それにシンクロする何ともいえない微妙なボケキャラのフジオのおバカさ!
この二人の柔術が地味〜に柔術で愛しく?絡みあう姿!!
ゾンビに寝技で立ち向かう(笑)
基本に忠実なブラジリアン柔術の動作は観る価値あり???
かなりシュールで苦笑い必須だが、
このゆるさがツボに入る人は入るのであろう。
もう少しテンポが良くて緊張と緩和の差が絶妙だったりすると
もっと面白く観れたと個人的には思う。

ヨウコちゃん(奥田恵梨華)の存在もちょっと微妙だし
ゾンビ・ファイトでの古田新太楳図かずお先生は
かなりキビシイキャラクターでちょっとイタい。
途中で挿入されるアニメーションの部分が一番良かったな。
あのテンションが映像で活かせたらまた変わったかも…。
今度原作読んでみよう…
でも…、花くまゆうさくだし…きっとそもそも微妙か(笑)

B000FI8LIU東京ゾンビ
花くまゆうさく 佐藤佐吉 浅野忠信
ハピネット・ピクチャーズ 2006-07-28

by G-Tools

東京ゾンビ
花くま ゆうさく
488379038X

東京ゾンビオフィシャルサイト

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September 23, 2006

「電車男」

[DVD映画]★★☆☆☆

何だか憎めない初々しさがいい!
もう解説の必要もないオタク青年とお嬢様系美女の
ネット掲示板の書き込みに応援されて成就する?
実話をもとにした純愛ストーリー。

へ〜!なるほど!!
映画はこんな表現だったんだ〜。
と、思ったよりは面白かった映画版電車男
テレビ放映されていて、DVDで観ていたのを思い出した。
そういえば最近秋葉原に行っていないので、
ドラマや映画やドキュメント観てびっくり!
すっかり変わってしまったなぁ…
以前は外人とPCヲタばっかだったのになぁ…


アキバ系の彼女いない暦22年の22歳の男が
電車の中で酔っ払いにからまれる女性を助けたことから、
インターネットの掲示板でレスで応援されながら
出来過ぎた美女と結ばれるという、
心あたたまる逆タマ的純愛物語。
2005年公開の映画版。監督は村上正典

* * * * * * * * * * * * * * * *

「電車男」のドラマを先に観ていたので、
(ちなみに本は未読)
どうしてもあのキョーレツさと比べてしまうのだが、
突っ込み所が満載!!!!!

「そんな男はおらんやろ〜!
 こんな女はおらんやろ〜!!
 アノ役者があんな役するんかいな!」

得意のネットで情報収集、
掲示板のみんなに協力してもらいつつ
逆にみんなが励まされてゆくのがいい!
明らかに出来過ぎだけれども、
何だか微笑ましくて確かに元気がもらえるな。

電車男を演じるのが山田孝之くん。
「あんなヲタはおらんやろ!」
普通にイイ男で普通にカップルじゃん…
いや、
エルメスを演じるのが中谷美紀さん。
「あんな美人でええ女はおらんやろ!」
美しく、上品、性格も良く、素直で、優しい、
しかもある意味新鮮な?電車男を常に肯定してくれ、
更にドロドロした男女関係も希薄、
究極の母性を持つ、無機質な理想の女性像…
なんだかふわふわつかみ所の無い感じの女性だ。
お?こりゃ、アニメのヒロインではないか!
なんだ、
「実は似合いのカップルじゃん!!!!!」
と勝手に納得してしまった。
しかも経験上、育ちのいいお嬢さまの中には
意外と強烈に天然の人物は存在するので、
あながち無い話では…とすら思えたり。
男も女もチャンスはある!勇気次第!!そんな物語に、
何やらほんわか楽しむ事ができた。
恋人なんてモノは本人達が良ければ全て良し!!!
ネットのお友達もいいもんだ…と。

唯一残念だったのは…
最初と最後のドラマとリンクしたサービスと
ベタすぎのオチ。アレはしょうがないのかなぁ…

 

B000BDG2JO電車男 スタンダード・エディション
金子ありさ 村上正典 山田孝之
東宝 2005-12-09

by G-Tools

 
伊東美咲・伊藤淳史コンビの強烈なドラマ版。
この二人よりお色気OL役の白石美帆のキャラが印象深い(笑)
ドラマ版ほうがアニオタワールドを描こうとしていて、ディープな感じ。
オープニングとドラマの中のアニメーションも近々土曜深夜枠にて
『月面兎兵器ミーナ』?とかいうタイトルで実際にアニメ化するそう。
GONZOがちゃんと作ってくれるのならゼヒ観てみよう!!!
だから『電車男』のドラマも番外編が放送されるのか。
電車男 DVD-BOX
中野独人 伊東美咲 伊藤淳史
B0009VRGFM

大ヒットした書籍版
電車男
中野 独人
4104715018

 
映画「電車男」オフィシャル・サイト

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September 10, 2006

「バッシング」

[劇場映画]★★★★☆

小林政広監督の真骨頂?エンターテイメント性はゼロ!
極力ドキュメントタッチで描かれた、
重いテーマだがなかなか見応えのある作品。


やっと観ることができた!
公開まで長い道のりだったバッシングだ。
小林政広監督が2005年のカンヌでコンペティションに出品、
レッドカーペット歩いたのだが、結果賞は取れなかったが
報道され話題になった問題作。
その後、日本ではなかなか公開が決まらず、
昨年の夏の第6回東京フィルメックスでグランプリを受賞し、
本年2006年6月やっと渋谷のイメージフォーラムでの劇場公開が開始され
その後各地で細々と公開されている。

非武装地帯へボランティア活動に行っていた有子(占部房子)は
誘拐され人質にされたのだが、日本政府のおかげで無事帰国。
だが、彼女ととその両親が、自己責任について有子を批判
周囲の人々から“バッシング”を受けるその経緯を
ドキュメントタッチで描いたちょっと重い作品。
もちろん小林作品、予算は、無い。
いつもの北海道ロケで、いつもの淡々とした撮り方だ。
だが、この作品のインパクトは…いつもと異なった。

小林フリークとして、これが話題になり評価されたというのは納得。
これまでの作品は感情移入出来ないというかさせないというか…
そういうシュールな世界を妙にリアルに描いていたのだが、
今回はネタがタイムリーでリアル(フィクションだが)。
主人公の有子やその父(田中隆三)、義母(大塚寧々)、
有子を解雇したホテルの社長(香川照之)など、
彼らを敬遠、中傷する人々は決して我々から遠くない存在だ。
いつ自分がその中の誰かになるかもしれない…そんな脅威、
観るものをいやがおうでもこの問題の中にひきずり混む勢いがあるのだ。

「この国じゃ、皆が怖い顔をしている。」
「皆が喜んでくれる、あの顔が見たい」

失敗だらけで居心地の悪い日本での生活から逃げ、
海外の非武装地帯でのボランティア活動に生き甲斐を感じ、
そこにしか自分の存在価値を見いだせない有子の行動は
余りにも安直で、必ずしも正しいとは言えない。
自分の人生を投げ打って苦しんでいる人々に手を差し伸べるのは
なかなか出来ない殊勝な行動だ。
しかも、行っているのは“人助け”なのだ。
彼女の人生だから、彼女が生きたいように生きれば良い。
ただ…彼女の動機は家族を追い込んでまでの大義なのだろうか?
自分の行ったことで周囲にどんな影響を与えるのか、
国の警告をふりきって、紛争地帯に行くという事は、
もはや一個人としてだけでなく、
誰もが母国を背負っているという事を自覚をしていない。
そんな彼女には理想論や大義名分では済まされない
個人的にも悲惨な結果が待っていたのだが…

だが、ここに描かれているのは
そんな彼女とその家族の受けた、
匿名での“バッシング”
権力をかざしての“バッシング”
直接手を下す“バッシング”
社会からの“バッシング”
人が人を追いつめる醜い行為だ。

決して全面的に褒める事は出来ない有子の行動だが、
凶悪犯罪を犯したわけではない。
どちらかといえば現地で凶悪犯罪にあった被害者である。
命を落としたらヒーローであった。
国の…国民の援助で帰ってきたらまるで犯罪者扱い。
この皮肉な結果で何を学ぶべきだろうか。

あらゆる登場人物の立場にたってみると
現代社会のあらゆる混沌とした矛盾が浮き彫りになり、
有子の痛々しさが際立ちまくる。
こんなに深く考えさせられた小林作品は初めてで
とても新鮮だった。
 
 
元ミュージシャンの小林監督の歌う「バッシング」エンディング曲
寒かったころ
小林政広
B000FDF124

「バッシング」オフィシャルサイト

 
小林政広監督の初期3作品のDVDが2006/7/29発売された

クロージング・タイム ◆20%OFF! クロージング・タイム

海賊版=BOOTLEG FILM ◆20%OFF! 海賊版=BOOTLEG FILM

歩く、人 ◆20%OFF! 歩く、人

映画監督小林政広の日記 映画監督小林政広の日記
小林政広監督のブログ本。

神楽坂映画通り 神楽坂映画通り
小林監督の自伝本。

→「歩く、人」レビュー
→「KOROSHI 殺し」レビュー
→「フリック 完全版」レビュー

■小林政広監督の映画レビュー

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September 09, 2006

「ゲド戦記」

[劇場映画]★★★☆☆

もはや原作の『ゲド戦記』とは違ったストーリだが
スタジオジブリの作品としては新鮮で普通に面白かった!

2006年7月29日公開のスタジオジブリの最新作、
宮崎吾朗監督の初監督作品であるゲド戦記!!!
早速賛否両論というよりも…否なる感想の多いのだが、
個人的には大いに感動はしなかったがこれはこれで新鮮で良かったなぁ!
特に『テルーの唄』のアカペラが流れるあたり、
主人公のアレンと一緒に鳥肌が立ち涙が流れそうだった。
手嶌ちゃんの声と吾朗監督によるこの歌詞は本当に秀逸だ。

現在まだ公開中なので極力ネタバレしない程度に感想を。
ちなみにワタシはアーシュラ・K・ル=グウィン
原作ゲド戦記のそこそこファンでもあり、
話の内容はあまり覚えていなかったため、
期待しなかった分想像以上に楽しめた!!!
こんな個人的には思い入れのある『ゲド戦記』のため、
レビューがちょいと長くなってしまった。
 

なんだ、普通に面白いじゃん!* * * * * * * * * * * * * * * *

300ピース ゲド戦記 エンラッド王宮 300-242
 
少し前になるが、公開から約2週間後、都心から少し離れたシネコンで鑑賞。
いいですね〜シネコン!
何と言っても綺麗でスクリーンが見やすい座席、
ゆったりくつろげ、冷房も強すぎずちょうど良い♪
公開から1週間目のレイトショーだが、
客席の80%以上はうまっている感じだった。

この作品、まず一発目の予告編がよく出来ていた。
暗く重い壮大なスケールの物語を彷彿させる意味深なシーン。
原作の『ゲド戦記』をどのように描くのか?興味が沸き
手嶌葵ちゃんの透明感のある歌声と共に期待をくすぐる。
ところが次に公開直前と公開後のTVスポットや広告は、
ゲド(声:菅原文太)が語り、テルー(声:手嶌葵)やアレン(声:岡田准一)が叫ぶもの。
『ゲド戦記』はお子様が楽しめるほんわかジブリ作品では無いはずなのだが、
ちょっと「千と千尋の神隠し」を彷彿させるものとなっていた??? 
  
ともあれ、本編を鑑賞!!
冒頭の荒海と激しい竜の闘いのシーンは圧巻。
衝撃的なアレンの登場には正直驚いた。
繊細かつ危なっかしい現代っ子っぽいイメージのアレンに反し、
大賢人ゲドの絶対的な安心感のある父親のような眼差し、
テルーとテナー(声:風吹ジュン)や下世話なワキ役の登場人物の存在には救われ、
クモ(声:田中裕子)の普遍的な恐怖に共感してしまう部分さえも。
自分の思い描いたキャタクターとは全く違っていたが、逆にそれも意外で面白かった。
音楽も今回は久石さんではないからか、主張し過ぎずさらっと映像にマッチしている。
ちょっと民族的なバグパイプの音や古楽器の音が面白い。
シーンによっては音楽に騙されて?感動しそうになる部分も。
ちなみに菅原文太さん、田中裕子さんの声の演技はさすが!!!
岡田准一君の声もダメダメ美少年アレン君に違和感無くはまっていた。
手嶌ちゃん意外はまるで大河ドラマのようなメンツがズラリ…
 
だが、この映画は原作の『ゲド戦記』ではもはや無い。
第3巻の『さいはての島へ』をベースに
第1巻の『影との戦い』や第4巻の『帰還』
などの『ゲド戦記』の重要なテーマであるエピソードを融合し
アレンを中心とした新たなるストーリーとして描いたものだ。
どちらかといえば『アレン戦記』?とすら言える位の再構築っぷりでl
個人的には「なるほど…こう持ってきたのか!」と感心。
かなり荒削りだが、勢いのある動のシーンと静のシーンも新鮮で、
気付くと鑑賞中、隣の席の女の子は泣いていた。
エンドロールが終了すると会場は一瞬の沈黙………。
こんな事は初めてだ。

劇場から出たエレベータ等で聞こえてくる会話は、
「面白い!良かった!」という声と
「よく解らなくて全くダメだった!作り直し!!」という声の両極端。
どちらかというと後者が優勢。
あからさまな拒否反応には少し残念だったかな…。
当日観ていた年齢層はレイトショーなので少し高めだったけど、
やはり観客の求めているスタジオジブリ作品は、
『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』…
『千と千尋の神隠し』などの宮崎駿監督の世界のよう。
この映画にはジブリ映画のお約束である
可愛い動物系のキャラクターは一切登場しない。
壮大なスケールでの冒険物語でも無い。
孤独で不安な主人公達が架空の小さな世界で、
極めて精神的な闘いを繰り広げる地味な物語だ。
 
短時間で語るために一度きりしか出てこない固有名詞を使ったセリフで
人間関係を説明していたり、原作本に忠実すぎるセリフの流用が
本を読んでいない観客にとっては文字どおり、“何の事か解らない”であろう。
更に、原作に忠実であり重要なテーマながら
現代社会の問題とリンクする部分をクローズアップして描いているので
少々説教臭くなってしまったのも否めない。
個人的には、もっと“真の名前の重要さ”についてや“魔法を使う事のリスク”
印象の薄い“大賢人ゲドたるゆえん”を描いてもらえると観やすかったかな。

とはいえ、粗っぽいながらも『ゲド戦記』の世界をこれほど簡潔かつ魅力的に
一つの物語としてまとめあげられているのには正直本当に驚いた。
読むのにちょっとした努力を有する『ゲド戦記』の入門作品としては
なかなか良かったのではないだろうか。
色んな意味で一見の価値はある。
  
  
『ゲド戦記』ではなく『アレン戦記』? * * * * * * * * * * *
 
300ピース ゲド戦記 テルーとアレン 300-241

スタジオジブリ作品としてはある意味新鮮で、
個人的には楽しんでしまった『ゲド戦記』
この作品、観た時よりも後からじんわり効いてくるのが不思議だ。
原作の内容もざっくりと紹介しつつワタシの勝手な解釈を!

そもそも最初にジブリが『ゲド戦記』をアニメ映画化すると聞いて喜んだが
連作でなく、1作品だけで完結させる?
しかも監督は宮崎駿氏のご子息でジブリ美術館のデザイン&館長をされていた
宮崎吾朗氏??????????
………もう、唖然とした。
 
あの『ゲド戦記』が2時間弱で描けるはずがないではないか!!!
 
この無理難題をどう解決し映画化するのかは、非常〜に興味深かった。
原作はずいぶん前に読んだので、うろ覚えな部分もあるが、
“真の名を使用し魔法を使うという妙なリアルさのある魔法の定義”
“世界の均衡を保つため、むやみに魔法を使わない事の大切さ”
“光と闇・生と死はどちらがあってこそ存在する”
こんな中世ヨーロッパの香りがする原作者アーシュラ・K・ル=グウィンの書いたアースシーの世界は、
聖書をベースとしていながら勧善懲悪だけではない世界の調和を説いた少し異質な宗教観や
人間の心の闇の恐ろしさを重点的に描いた精神論的なストーリーが印象的だった。
誰もが単純に楽しめるヒーローの冒険物語ではないが、一度ハマると面白い。

第1巻『影との戦い少年ゲドが影と闘いながら旅をし魔法を学ぶ。
第2巻『こわれた腕環エレス・アクベの腕輪を探すゲドは墓所の巫女アルハと出会う。
第3巻『さいはての島へ大賢人となったゲドはアレン王子と共に死の国との境で戦う。
第4巻『帰還最終章:心身共に疲れ果てた初老のゲドは故郷へ帰り懐かしい人と再会する。
第5巻『アースシーの風続編:老人になったゲドと家族の元へまた死の国から何かが…
外 伝『ゲド戦記外伝アースシーの世界を5編の短編で描いた外伝集。
 
と、続編・外伝も含めるとの全6巻からなるファンタジーの名作。
ワタシが読んだ時は第4巻で完結されていたのだが、いつの間にか増えていた(笑)
暗くて地味な展開で最初は少し戸惑うが、この世界に入り込み読み出したら止まらない!!
子供より、思春期〜大人の心に大きく訴えかけてくる物語だった記憶がある。
この内容を原作のストーリーに沿って2時間でまとめるなどという事は、
どう考えても物理的に不可能だなのだ。
 
では、なぜこの第3巻を発展・変化させまとめた作品になったのか?
地味な物語だとはいえ、本来なら第1巻のゲドの少年期から順に
何作かに分けて描くのが描くのが王道なのだが、
あえて、ゲドではなくアレンを主人公にし、
ゲドではなくアレンが影と戦うこの映画は、
吾朗氏にとって立場的にこの原作の最も身近で共鳴したのが、
偉大な父を持つアレンというキャラクターだったからなのでは?
現在の自分の状況を反映させ、
アレンと共に、絶対的な偉大なる父の存在、
目に見えぬ大きな圧迫感に苦悩し捕えられ、
しかし運命を受け入れ、自分なりに戦ったのでは??
そう思うと、極めて素直に作り上げたこの“宮崎吾朗的アースシーの世界”
これは、もはや『ゲド戦記』ではなく『宮崎吾朗監督のゲド戦記』であり、

『アレン戦記』=『宮崎吾朗戦記』ではないか!!!!
 
と、勝手に納得してしまったのだ(苦笑)。
深読みしすぎなのかもしれないが、
どうも吾朗監督がこの作品のアレンのイメージとダブってしまう。
 
ちなみにパンフレット等によるとこの映画は
宮崎駿作で『ゲド戦記』にインスパイアされたという
絵物語シュナの旅を原案にしているそうで、
その中で描いたキャラクターやシーンが今回の『ゲド戦記』
そのまま登場している部分も多い。
なるほど…
父親の生み出したキャラクターと原案を使い、
息子が父親の望んだ『ゲド戦記』「シュナの旅」を融合し、
一つのアニメーション作品に仕上げたのだな。
スタジオジブリが描く『ゲド戦記』
その手法としては極めて妥当な表現だったのか!!!!!

しかも『ゲド戦記』シリーズの中で最も変化に富み、現代にも通じるテーマの
「さいはての島へ」をベースにしたこの描き方は間違ってはいなかったと思う。
結果として、老若男女をターゲットとした幅広い観客に向けての
これまでの“スタジオジブリ作品”では無くなってしまったが、
ある意味それも新鮮でもあった。
今回とてつもないプレッシャーと戦ったであろう吾郎監督!
困難な課題に挑戦した、初の映像作品としては
荒削りながらいい仕事をしたのではなかろうか。
そして、同時にスタジオジブリの看板の重さも痛感したと思う。
次作からだ。彼がどう出てくるのか期待したい。
そして何よりもこの映画で『ゲド戦記』について興味を持たれた方は
原作をお読み頂きたい!!
少年ハイタカと魔法との出会いと苦悩の旅、テナーとの出会い、
この映画とは違った、アレンとハイタカの旅や
テナーとテルーとハイタカの関係を通して、
また違ったル=グウィンのアースシーの世界を知る事となるだろう!!!
 
ところで原作者のアーシュラ・K・ル=グウィン女史が、
この映画について自らのサイトで怒りをあらわにしている。
(とてもありがちなのだが)どうやら契約時の条件と話が違っていたようだ。
たしかにこの映画のタイトルが『ゲド戦記』というのは
原作としては納得がゆかないだろう。
自分の描いた設定では無くなっているのだから…。
この辺りがクリアになっていなかったのは知らなかった。
「シュナの旅」とも融合させ描いた時点で、
少なくともサブタイトルをつけるべきだったのでは?と個人的には思う。
DVD化の時にはもゼヒ対応しておいたほうが良さそうだ。
 

ゲド戦記・オリジナルサウンドトラックゲド戦記・オリジナルサウンドトラック
寺嶋民哉 カルロス・ヌニェス

スタジオジブリ・プロデュース 「ゲド戦記歌集」 テルーの唄 (ゲド戦記 劇中挿入歌) アースシーの風に乗って―映画「ゲド戦記」完全ガイド THE ART OF TALES from EARTHSEA―ゲド戦記

by G-Tools

ゲド戦記
アーシュラ・K・ル=グウィン 清水 真砂子
ゲド戦記 全6冊セット 影との戦い―ゲド戦記 1 こわれた腕環―ゲド戦記 2 さいはての島へ―ゲド戦記 3 帰還―ゲド戦記最後の書 アースシーの風 ― ゲド戦記V ゲド戦記外伝

シュナの旅
宮崎 駿
4196695108

この映画の物語や設定とキャラクター原案になっている絵物語。
映画にはこれとそっくりそのままのシーンも…。

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February 01, 2006

「恋愛寫眞」

[DVD映画]★★☆☆☆

ダサイ!でも、ちょっとドキっとして心が洗われる…。
美しい映像と切り取られた写真と共に描かれる、
ありえない!!愛と青春の恋物語。

全く期待せずに観たので意外と心に残った。
愛情と情熱を忘れたクリエーターや写真の好きな人にゼヒ観てもらいたい。
監督は「トリック」シリーズなどの堤幸彦
映像よりも写真のほうが印象に残った2003年公開の日本の作品。
感動はしないが、初心に戻らせてくれる。
映像的にはとても美しい映画「恋愛寫眞」。
 
  
広告などの仕事をしているがうだつのあがらないカメラマンの誠人(松田龍平)。
ある日、美大生時代の元恋人の静流(広末涼子)の手紙と
彼女の撮った写真が彼のもとに届いた。
内容はニューヨークで行う彼女の写真の個展に招待するとの事だった。
焦りと嫉妬と懐かしさで動揺する誠人だったが、
静流が死んだという噂を耳にしたのだ…。
彼はが静流が手紙に同封してきた写真に映っているニューヨークの風景、
彼自身が撮った彼女の顔写真だけを頼りに真冬のニューヨークへやって来た。
しょっぱなから様々なニューヨーク流の洗礼を受け、
身体がボロボロになりながらも静流を探し始める…。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 

スタイリッシュに仕上げているが内容はかなりベタ。
中心人物以外は結構怪しくコミカルな登場人物だらけ。
度々入る堤式の演出が狙っているんだろうが少々寒い…。
更に、主人公でありストーリー・テーラーである
松田龍平くんのヘタな英語と演技はさておき、
広末涼子の天然なぶっとび娘はなかなか良かった。
ラッコ顔で柔らかい光の中で微笑む顔にはキュンとする。
意外なバイオレンス風な展開とオチはいま一つだが、
冒頭の語りが無ければ意外と面白かったと思う。
ニューヨークでの友人アヤ役の小池栄子さんは可哀想なくらい酷い役回りだが…。

非常によくある話。
先輩よりも後輩、先生よりも弟子
上昇志向のある者より素直で天真爛漫で無欲な者
が、先に才能を開花し評価される。
これが原因で、東京とニューヨーク…生と死により遠く離れてしまった元恋人達が、
一通の手紙によって再び“写真”という媒体により
ニューヨーク”という街に引き寄せられ、
主人公は恋人の存在の大きさに気づいてゆくという、
まどろっこしい、極めてこっ恥ずかしい、
ちょっぴりセツないラブ・ストーリー&サクセス・ストーリー。
 
謎の女を演じ自分の身の上を隠しながら、
天真爛漫にまっすぐに生きていた彼女への嫉妬と一途な愛。
彼女の作品とそれに対する愛情に、忘れていた自分の才能や情熱を思い出す。
彼女の切り取る時の心の動きと撮られた写真がとにかく素敵だ。
面白いと思う街の1コマ、一瞬一瞬のきらめき、をトリミングしてシャッターを切る。
ワクワクしながら現像が上がって来るのを待つ。
ベタ焼きからセレクトして大きく引き延ばした時の感動!!
カメラを初めて持った時の感覚が甦ってきた。
そう、写真を撮る時の醍醐味。
これを忘れてしまっては人の心に響く作品は撮れない。
例えそれが、どんな被写体であっても…。

クリエイティブ全般にこれは当てはまる心意気。
どんな状況であっても、愛情と情熱を無くしてつくっては、
人の心を掴む事はなかなか出来ない。
どんなに美しくても、それなりの、何か足りないものになってしまう。
キュレイターのコンボイは、人の心を掴むアーティストを見抜く天才。
プロのカメラマンになるまで待ってる
そう言っていた静流の言葉を思い出し、
眠る静流を撮った写真を認めてくれた事により、
初めて誠人自分の才能を信じ、静流の才能を受け入れ、
チャンスをしっかり利用出来る真のプロのカメラマンになれたのである。
愛しい者の名を語るあたりがキャラに合っていていい。

ツッコミたくなるエピソード満載、いらない場面も満載。
でも、個人的にはちょっと気に入っている。
仕事に対するモチベーションが下がった時には
この作品を思い出すことにしよう。

ちなみにラストの山下達郎の曲はちょっと盛り上げ過ぎかも。
ドラマの「漂流教室」を観ている気分になってしまう。

恋愛寫眞
広末涼子 堤幸彦 松田龍平
B000BKJFBO

 
「恋愛寫眞」オリジナル・サウンドトラック
サントラ 見岳章 武内享
B000095KZG

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January 31, 2006

「あゝ!一軒家プロレス」

[DVD映画]★★★☆☆

個人的に好き!期待以上の出来!!
故、橋本真也氏の真剣な表情がなかなか素敵だった!!!
強くて可愛いいソニンゃんにもグッとくる。
一部のプロレス・ファンなど人によってはかなり楽しめるかと思う!!!!!

製作・企画が高橋がなり、原案はテリー伊藤、監督は久保直樹という
特殊な感じの濃いメンツ。
ソフト・オン・デマンドの初の一般映画制作の作品らしい…。
でも、エロさを期待してはダメ。
大真面目に下らな〜い“格闘ゲ−ム的人情ドラマ”が見事に繰り広げられている、
TVスポットがとっても気になっていた2004年公開の「あゝ!一軒家プロレス」。

人気プロレス団体“ZERO”の看板レスラー獅子王耕太(橋本真也)。
彼の愛妻、麻美(粟田麗)の夢である念願の一軒家がついに完成!
その白い豪邸で新築完成パーティが行なわれていた。
最上階の部屋では白いピアノを弾く麻美。広い家ではしゃぐ息子。
続々とやってくる客を接待しているのは、
マネージャーで麻美の妹の石塚那美(ソニン)。
そこへ、獅子王の成功に一役かっているテレビ局プロデューサー山路(佐野史郎)、
招かざる客、獅子王と因縁深いマーク・一条(ニコラス・ペタス)がやって来る。
この一条がふっかけ、若手レスラー達が喧嘩を始め、
とんでもない大乱闘に発展した上、爆弾まで仕掛けられ、
まだ莫大な金額のローンが残っているにも関わらず、
夢のマイホームが一瞬にして崩れ去ってしまった!
麻美の命は無事だったが大怪我で入院。
愛する妻の病気を治すため、またマイホームを再建するための資金を作るべく
無理なスケジュールでの興業を組むわ、レスラー達への給料もままならないわ、
興行主に払うお金も無くなるわ…レスラー達も逃げ出す始末。
そんな所へテレビ局プロデューサーの山路が“おいしい話?”を持ってきた。
今建築中の家をテレビ局が出資して完成させ、
その屋敷内で“殺人プロレス団体”と試合をし実況放送する。
“ZERO”が勝てばその家は獅子王のものにしてやるというのだ。
一度は断ったこの極悪なレスラー達との試合。
でも麻美の奇病は酷くなる一方…
ついに獅子王はこの“おいしい話”に乗る決意をする。
さぁ!どうなる?“ZERO”と獅子王一家!!!

* * * * * * * * * * * * * * * *

『もしも〜わたしが〜家をたてたなら〜♪』
そう、あのメロディーを白い家の白い部屋で白いピアノを弾く麻美さん(笑)。
清楚で美しい妻のために建てた豪華な白い一軒家。
これのために繰り広げられるとんでもない大珍事&大格闘!
レスラー達によってボロボロにされる部屋。
鳩時計に仕組まれた爆弾!
崩れ去る…ああ!マイ・ホーム!!

“ZERO”という団体名に、まずムフッ♪
「もっとちゃんとショーをやれ!」と怒る橋本にジ〜ン。
おちぶれてゆくプロレス団体の妙にリアルなエピソードあり、
トイレでの大格闘、遊廓まがいのタイコ橋や電気風呂、
シャンデリアのあるガラス張りルーム
“ZERO”のためにお手伝いする二人組の無茶なファイト…などなど
ありえない場所での小道具もり沢山のとんでもない格闘が満載♪
人を選びすぎるが、端切れのよい潔さがなかなか好感の持てる作品。
思った以上の出来で意外と凝ってると思ったら
制作費5億円って? 本当か??

獅子王演じる橋本の生真面目な演技、
金髪の人だの、プレデターだの、妙に演技の上手いニコラス・ペタスだの、
人魚病(そりゃなんじゃ?)の皮膚がメリメリッと剥がれるトコロ、
ソニンのムキムキの戦闘シーンとカプッと獅子王を噛むあたり、
が各種マニアにはたまらないかも。
義妹の義兄への道ならぬ密かな愛にもジ〜ンとくる。
とにかくソニンちゃんが健気で可愛いのなんの…。
怪し気な医者と現場監督役の浅草キッドのお二人、
こき使われるラーメンズの人、視聴率に情熱を注ぐP役の佐野史郎、
あのシチュエーションで妙に浮く感じ。
これがまた嘘っぽくてサラッと観ることが出来る。
セリフで「大ボス」って言えてしまうところがいいな。

ストーリーはベタな B級ながら、テンポの良さといい、
所々の気の利いた演出といい、格闘シーンといい、
あまりにも下らな〜いラストシーンといい、心地よくつっこめるので、
個人的には「いかレスラー」よりはこちらがツボ。
橋本さんのご冥福をお祈りしつつ、気持ち良く鑑賞完了♪
 
あゝ! 一軒家プロレス
ソニン 久保直樹 橋本真也
B00076RFT6

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December 07, 2005

「約三十の嘘」

[DVD映画]★☆☆☆☆

予告編がちょっと面白そうだったので期待し過ぎだったか???
良くも悪くも小劇場の芝居を観ているような…
こぢんまり小さくままり過ぎた小作品。
もともとお芝居だし、しょうがないのだがちょっと残念