3 posts categorized "テレビドラマ"

January 19, 2005

「悪魔のようなあいつ」 - 2

[DVDドラマ]★★★★☆

最終話の特典映像で脚本の長谷川和彦氏が語っているが、
当時視聴率が11.6%であまり芳しく無かったとは…。
演出・プロデュースの久世光彦氏の意向で
三億円強奪事件の犯行現場の再現シーン”以外は全てスタジオ撮影だったそう。
だから車や電車の中の窓の外が全てバリバリのハメコミだったのか。
三石さんというスタントのチームを担当とした人が、
実際取り調べられた時のエピソードなどを参考に、かなりリアルな再現をし、
犯人でしか知らないようなネタもこのドラマに提供してしまったよう…。
4巻から随時登場するこの回想シーン(ここだけフィルムでロケ撮影)は本当に見事。

三億円事件”という未解決事件のある種の“愉快犯”の犯行は
ロマンを感じる不思議な痛快感がある。
“街頭三億円インタビュー”でもコメントされているが、
誰も死なせず、警官に扮装した青年が緻密な計画で三億円の強奪に成功した
この犯人は決して憎めない、ヒーロー感すら感じられるところがあるのだ。
三億円という前代未聞の額…当時の金額で三億、現在であれば1ケタ多い額だろうか。
この“強奪した紙幣を使うとバレるので、時効をひっそり待つ
このシチュエーションといい、
時効まであと半年と迫った緊迫ムードといい、
ガッツンガッツン入る主題歌『時の過ぎゆくままに』といい、
上村 一夫の同名原作コミックといい、このコラボ感は見事。
実際は視聴率とドラマというメディアの関係上、
時効の日までドラマが続かなかったという裏話もあるそうなのだが、
それはそれで、こう落とすとは想像つかなかった。

港町、横浜だけを舞台に描かれたこの作品。
良(沢田研二)の帽子とサスペンダーが似合い過ぎる。
野々村(藤竜也)のサングラスの下の目は、いつもその良を想う。
良達の夢は、悲しい結末で幕を降ろすのだが、暗い絶望感は不思議と無い。
それは、良の満足気な顔と、実際にあのロマンは終わっていないという事実。
実際に時効を迎えた日、本当の彼はどうしたのだろう?
そんな平凡な一市民の考える夢とロマンなのかもしれない。
 
では、ざくっとDVD BOXセット-2に納められている6〜9各巻の感想を。

6 第11,12話

三億円はどこに??
白戸の言葉はなんと、そんな事だったとは?
表を作り、容疑者を消して行く良。
ところが意外な人の犯行だった…。
世界地図を広げ夢の島へと模型の船を走らせる野々村。
彼の良への気持ちはどうなるのか?
誕生日を迎え28才になった良は言う。
三億円は青春なんだ。三億円というお金の存在を越えた…
良、あんたは何処へゆくのだ?
女達、ノノだけが良より好きなものがある。
 
7 第13,14話

まさかの事態!
細川俊之演じる、王の手引きをうけるはずが、あんなヤクザ者に邪魔されるとは!。
台風による豪雨で化膿した傷。熱でうなされる良。
あの病気は『発狂』もしくは『記憶喪失』になって死を迎えるなんて!!
天真爛漫のノノの愛がセツない。
更にセツない野々村…。
そして、三億円は…いかん、これは面白すぎる!!
 
8 第15,16話

三億円事件”の展覧会でついに狂ったか?良??
忘れてしまったほうが良かったのか、思い出したほうが良かったのか???
ついに殺人までも犯してしまって…。
細川俊之演じる、王のキャラと一本調子の話し方が無気味でいい。
それにしても野々村と良の過去。それだけの愛情とは思えないが…。
良を愛した者は皆吹不幸になるのか。
篠ひろこ演じる彼女…ひたむきさがセツない。
岸辺一徳デイブ平尾のくどい演技も笑える。
さあ、三億円はどこに?
 
9 最終話

日本を脱出するんだ…。ダメな時は戦争だ!
良は本当に狂ったのか?それとも正気なのか?
“お祭りだ。戦争だよ。”
あまりにも悲しいりんごの歌。
初めて走ったいずみまで…そんなに綺麗さっぱりしていいのか?
ラストシーンで良は笑っている。
三億円の舞う中で満足気に笑う良の顔は、どこか満足気だ。
 
 
悪魔のようなあいつ DVDセット 2
沢田研二 藤竜也


悪魔のようなあいつ DVDセット 1
沢田研二 藤竜也


原作コミック
悪魔のようなあいつ (上)
阿久 悠, 上村 一夫


悪魔のようなあいつ (下)
阿久 悠, 上村 一夫



■ ドラマ「悪魔のようなあいつ-DVDセット-1」のレビューはこちら
■ コミック「悪魔のようなあいつ」のレビューはこちら

上村一夫の作品
■ 上村一夫の作品紹介1はこちら
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沢田研二主演の映画
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沢田研二復刻盤シリーズ〈CDアルバム〉2005/3月発売!
■沢田研二復刻盤シリーズ

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January 18, 2005

「悪魔のようなあいつ」 - 1

[DVDドラマ]★★★★☆

阿久 悠, 上村 一夫の原作コミックとほぼ同時に進行したという
TVドラマ「悪魔のようなあいつ」がDVD化されている。
1975年6月〜9月にTBSで放送された沢田研二主演のフィクション作品。
全9巻で17話で完結。レンタル屋で見つけて…はまってしまう…。

面白い!!!

結末もだが、設定もストーリーも先日のコミックとは“別モノ”として楽しめる、
ドラマ・主題歌・劇画のコラボものとして、なかなかの秀作!!
そう、あの世紀の未解決事件1968年12月10日に起った“三億円事件”の物語。
しつこいくらいの『時の過ぎゆくままに』が耳に残る。

可門良(沢田研二)は、孤児院の先輩だった元刑事の野々村(藤竜也)の経営する
クラブ「日蝕」で歌手として働いているが彼には秘密があった。
時効まで密かに目立たず過ごしていたのだが、
あと半年という時になって、自分の脳腫瘍に気付いたり、
良に金を要求し脅す元上司の八村(荒木一郎)、
三億円事件”解決に執念を燃やす白戸刑事(若山富三郎)、
良の美しさと影に惹かれる女達…八村の妻史子(安田道代)、妹いずみ(三木聖子
看護婦山川静枝(篠ヒロコ)、元野々村の女の日夏恵い子(那智わたる)etc…
彼等が…彼等自身と良の運命を狂わせていく…。 

思いきり昭和のテレビドラマ感があふれ、
ハード・ボイルド有り、お茶の間ドラマ有り、愛憎有りと
あらゆる娯楽の要素を含んだ異色かつ痛快な部分のある作品。
何より沢田研二の美しく、謎を秘めた男の魅力が絶大だ!
あと○○日とショート・ホープにダーツ矢を投げる良。
三億円事件”これによって墜ちてゆく人々。
良は言う。「三億円は青春なんだ」。
その犯行に気付いていながらも気持ち悪いくらいに優しく良を愛し守る野々村、
ひたすら執念深く良を追う白戸刑事も
彼も良逮捕に別のロマンと夢を見たのだろうか。
一見俗物にしか思えない描かれ方の女性や良の周りの人々には、
あまりにも悲しい物語なのだが、
本当は彼等の背景にも良を愛さずにいられなかった理由があったし、
良なりに利用しつつも彼女達を愛し、悩み、甘えていたのだ(と思う)。
原作コミックには無い、この“人間臭さ”がドラマにはある。
そして、今やビッグなお笑いやGS出身の役者さんが出演しており、
そんなトコロも見所の一つだ。

では、ざくっとDVD BOXセット-1に納められている1〜5各巻の感想を。

1 第1,2話

舞台は横浜。最初から良の病気の症状が…。
毎回頭痛に悩まされる。尾崎紀世彦のキレっぷりがたまらない。
良を見つめる藤竜也の色気、若林富三郎が迫力満点。
ショッポをダーツでカウントダウンする、華奢なジュリー。
こういう犯罪者の役、ポーカーフェイス そして歌の上手さは適役だ。

2 第3,4話

ついに病気が判明。
グリオブラストマ=神経膠芽腫(GLIOBLASTOMA)という脳腫瘍の一種。
死が近いと知り電車内で暴れる良。
そしてあれよあれよと現れた三億円の札束には圧倒される。
懐かしい聖徳太子さんや伊藤博文さんなどが…。
それを、毛布にくるんで隠す場面は見ているこちらがドキドキする。
あらゆる関係が明解になり深みを増す、見応えありの2巻。

3 第5,6話

あの三億円はどこに???
伊東四郎の怪演!オカマっぽいヤっさんが強烈だ。
白戸刑事が去ったと思えば、まさか八っつあんのせいで…。
かなり危険な香りのするこの巻。
尾崎紀代彦のキレ方と、どうしても長過ぎるもみあげが気になる。
ここにきて、やっとコミックのような人物紹介有り。
どろどろしていてハマってます。
ついに殺意を露にする良…。ああ!気になる!!

4 第7,8話

おお! 三億円強奪の手口がこんなに細かに…
何度も車乗りかえたり、キャデラックとかチューブとか
とんでもないトコロに移したり、隠したりと大変だ。
下準備…衣裳や拳銃バイクなども…なるほど。今ならバレバレだろうが…
伊藤四郎ヤっちゃんの手下に岸辺一徳がこれまた妙演。
それにしても野々村さん。良に何を求めているのか?????
二人で服のままプールで泳ぎ、笑い合うシーンが印象的。
愛情がハンパでない。この二人の関係って?

街頭三億円インタビュー”が、レトロで面白い。
当時は当たり前なんだが、髪の色がみんな黒い。

5 第9,10話

白戸さ〜ん。妹誘拐してまで…。ホントに凄い執念!
腹巻き姿も板について…。
故、浦辺粂子さんが八村モータースで白戸さん相手にいい味出している。
篠ヒロコさん…看護婦の彼女の背中の綺麗さ!
ゆるい展開と思っていたら、何てことだ!!!
三億円はどこ?え?不法侵入の白戸さん!!!!
 
 
悪魔のようなあいつ DVDセット 1
沢田研二 藤竜也


悪魔のようなあいつ DVDセット 2
沢田研二 藤竜也


原作コミック
悪魔のようなあいつ (上)
阿久 悠, 上村 一夫


悪魔のようなあいつ (下)
阿久 悠, 上村 一夫


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沢田研二主演の映画
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沢田研二復刻盤シリーズ〈CDアルバム〉2005/3月発売!
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November 28, 2004

「海峡を渡るバイオリン」

[テレビドラマ]★★☆☆☆

夕方番宣を観てつい観てしまったテレビドラマ、
草なぎ剛主演の「海峡を渡るバイオリン」
実在の人物、『東洋のストラディバリ』と賞賛されるバイオリン製作者である、
陳 昌鉉〈しょうげん〉さんの半生を描いた本
海峡を渡るバイオリン」のドラマ化作品。

1935年。祖国韓国の農村で少年時代を送っていた5才の昌鉉少年(イ ドンホ)は、
ある日、たまたま“バイオリンの音色”に出会う。
そして、1942年、太平洋戦争が始まり韓国が日本の統治下に入り、
母国語でなく、日本語を話すように強制された時の日本人の若い教師が、
相川喜久衛(オダギリ ジョー)だった。
彼から“バイオリン”、そして“美しさ”など幾多の事を学び憧れる日々…。
それも長くは続かず、相川は出征して別れる事となる。
更に父の逝去と不幸は続き、お金をかけず学問を続けるため
昌鉉は14歳にして最愛の母(田中裕子)を独り残して日本に渡ったのだ。
それから2年後、戦争は終結したが、
昌鉉の祖国は分断され祖国に帰れなくなってしまった。

1950年。朝鮮戦争が勃発、母からの音信は途絶えたままだ。
なんとか大学まで進んだものの、国籍の為に教師にもなれず、
『ストラディバリウス』…世界最高峰のバイオリンの職人の弟子にもなれず、
木曾の山奥の木材の伐採現場で働きながら、
自分で工房を建て、なんと“独学”でバイオリンを作る昌鉉(草なぎ剛)。
そんな時出会ったのが南伊子(菅野美穂)…後の妻になる彼女だったのだ。

1965年。日韓国交正常化。
やっと昌鉉の母から一通の手紙が昌鉉の元に届いた。そして始まる文通。
とにかく『神=ストラディバリウス』を作るために、
自分の家族の生活を犠牲にしてまで、
狂ったように素材を集め、バイオリン製作に没頭する昌鉉。
その心の奥にある祖国の母への愛情と、
自らも、更には子供たちにまで苦労を強いている妻の切実な心がぶつかる
ある嵐のシーンが素晴らしかった。
お互いの本心を吐き出す二人、生命の危機、母との再会は…???。

ドラマ自体は3時間で収めるために、ほとんど伝記状態。
フィクションとしてかなり演出されているのだが、
時間が飛ぶので、原作を知らないのでちょっと入り込めない。
ただし、昌鉉の独学でのバイオリン製作に対する狂わんばかりの“職人魂”と、
そうせざるを得なかった時代の波は強烈に伝わってきた。
草なぎくんの演技に昌鉉に対する愛情がこもっていたからだ。

猛烈な感動と努力とそれに附随してきた出会い。
ワーズワースの一節を語る相川喜久衛、
医師でバイオリン指導者でもある丸山恒夫(田中邦衛)
バイオリン界で著名な篠崎弘嗣教授(石坂浩二)、
ストラディバリウス奏者、
…そして大切な家族。
激動の時代に苦労の末夢をかなえた一人の職人。
この事実が最も感動に値すると思った。


原作本

海峡を渡るバイオリン
陳 昌鉉


ワーズワース詩集
ウイリアム・ワーズワス 田部 重治

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