5 posts categorized "映画:アジア"

October 20, 2005

「カンフーハッスル」

[DVD映画]★★★☆☆

個人的にはいまひとつ「笑えねえ〜」。
期待し過ぎたので、大爆笑まではいかず不完全燃焼。
しかし、下らなさは確実にパワー・アップ!!!
おバカ度はモーレツにレベルアップ!!!
濃密に手の込んだ小ネタ、小ワザが満載なので、
常に、プププッ、ウヒャヒャ、アチャー、アタタ、ってトコロ。
これ、劇場で観たほうが楽しめたに違い無い。
DVD鑑賞だったのが残念だ。
少林サッカー」のチャウ・シンチー監督のカンフー・アクション。
あの“ありえね〜”というキャッチは上手い!
ホントに有り得ないマンガの世界。
2004年中国・アメリカ製作…つまりハリウッドとのコラボした
極めて下らなさを追求した映画「カンフーハッスル」。
 

夢は街を牛耳るギャング団“斧頭会”に入ること…
という情けないチンピラ、シン(チャウ・シンチー)。
“斧頭会”を無視して独自に
ある日、たよりな〜い相棒と貧民街の“豚小屋砦”へ乗り込むが、
こ汚い住民達はめっさ強い!!!
後から来た斧頭会の大勢の輩をも片付けてしまう。
そして組長の復讐が始まった…。

* * * * * * * * * * * * * * * 

冒頭はからザックリと…には驚いたけれど、
ちょっととっちらかり間延びした感は否めない。
あの斧のやっさん達にも少し頑張ってもらいたかった。
カンフーの3達人にはもうちょっと活躍していてもらいたかった。
シンチーに至っては…立ち位置が微妙すぎ、ここまで引っ張るか?
と、突っ込み所はいっぱい。
エピドードがあっち行ったりこっち行ったりで、
誰かに感情移入することは出来ず、キャラを応援しにくい作品だった。

が、下らなさは確実にパワー・アップ!!!
豚小屋連中のキャラクターの濃ゆさたるや!!
住人達はお金は無いけれど、異常にムキムキしていて素早い動き。
中にはものすごいカンフーの達人がいて、
「カンフーが得意でどうしていけないの〜?」なんて。
大家夫婦、特にお金にガメつい奥さんには大笑い。
あの騒音おばさん、ただ者で無さ過ぎ!足速すぎだって!!
ゆるやかに空飛ぶ姿はちょっぴりキュート。
伝説のカンフー達人爺さんも良かったな〜。
ビニールのサンダル履きのこ汚い爺さんの強さたるや!
まさかと思った必殺ガマ拳法。
古典的な騙し討ち。おいおい…。
シャウ・シンチーの描く、一見イケてない普通以下の人の達人技。
このギャップは相変わらず面白い。
そういえば、半ケツの兄さんや、口のでかい姉さんは意外と活躍せずだった。
『如来神掌』って…んなアホな。

お約束、少年時代のいい話。
キャンディーのエピソードは、女の子が可愛かったからか(笑)
個人的には今ひとつ…パワー不足で煮え切らず。
だって、シンチーかっこ良すぎ。

世間的にも評判かなりよくて、ワタシが期待し過ぎたのもあるのだが、
エンタテインメント性はアップしたけれど、
ちょっと散らかった印象の作品だった。
素晴しい小ネタの数は多いし、
下らない事にいろんなもん賭ける姿勢は好きなんだけど。
次作に期待!!!!

カンフーハッスル コレクターズ・エディション
チャウ・シンチー ユン・ワー ブルース・リャン
B0001M3XGK

カンフーハッスル 達人之素
チャウ・シンチー ユン・ワー ブルース・リャン
B0009I8T42

 
ハッスル度100%!
かなり面白い
「カンフーハッスル」オフィシャルサイト
 

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February 13, 2005

「涙女」

[DVD映画]★★★☆☆

“泣く”のではなく“哭く”現代にこんな風習がある事にびっくり!
フライヤーをもらってからずっと観たかった作品だったが、
まさかこんな物語だとは思わなかった!!
」「男男女女」(日本未公開)とインディペンデントでの作品で
国際映画祭での受賞やノミネートを経験する、
中国の監督リュウ・ビンジェンによる2003年の作品「涙女」。
カナダ・フランス・韓国の合作とクレジットされている。
やはり本国では検閲によってなかなか公開出来ないようだ。

グイ(リャオ・チン)は働かず麻雀で負けてばかりのダメ夫ゲンと
田舎から出て来て北京に住み、彼女の稼ぎで何とか食いつなぐ日々を送っていた。
ある日、3つの不幸がグイを襲う。
・借りていた子供の親が子を捨ててトンズラ。
・ゲンがケンカで麻雀仲間にケガを負わせ監獄行き。
・そのケガの治療代9千元の負担をする事に。

「なんて私は不幸な女!」とバリバリの嘘泣きで治療代を要求する夫婦を追い返す、
その声を聞いた葬儀屋を営むグイの元彼氏のヨーミン(ウェイ・シンクン)は、
グイの元劇団員だった経歴とこの“哭き”の能力を活かして、
中国の葬儀で大声をあげて高らかに歌い泣き踊り場を盛り上げる
プロの“哭き女”で稼げるかも…ともちかける。
手探り状態で始めた“人の不幸で成り立つ”この商売、
グイは徐々に売れっ子になり、超多忙な日々。
お金も入り、問題も徐々に解決するかと思われたが、
ヨーミンから思いもよらぬ連絡が…。

見事な嘘泣きからこの“哭き女”を始めたグイ。
スマートすぎる体とちょっとキツめの顔を持つ美人だが、
どうも孤独な方向へ向かう運命に翻弄される。
感情が入っていないとギャラを減らされ、キレたりしながらも懸命に“哭く”。
自分の優しい感情を普段は押し殺し、
パワフルに他人の葬儀に奔走し続けるグイ。
最後に見せる、彼女の本当の涙。
この“泣き”のためにある映画であった。

不思議な地方の風習と現代文明のマッチが面白い。
殺伐とした風景の中の、グイの華やかな色・柄の衣裳。
原色使いの派手な花環や“はりぼて”の作り物を持ち、お祭りのように練り歩く葬列。
麻雀卓を囲んでの葬列、なんと…お犬様まで!
色々な家族のそれぞれの葬儀の中で“哭く”決して上手いとはいえないグイの歌、
そして…やはりラストシーンの“泣き”!!!
これが強烈に目と耳に焼き付くのであった。

「涙女」オフィシャルサイト

http://www.miraclevoice.co.jp/namida/

涙女
リュウ・ビンジェン ダン・イエ リャオ・チン ウェイ・シンクン


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November 16, 2004

「友だちのうちはどこ?」

[DVD映画]★★★★★

こういう、まっすぐな子供でありたかった。
間違って隣の席の子のノートを持ち帰った少年が住所を知らないその子の家へ
一人でノートを返しにゆく…というなんとも純朴なストーリー。
脚本、編集、監督はアッバス・キアロスタミの名作「友だちのうちはどこ?」
素人起用で有名なキアロスタミは、この作品でもとある村の兄弟を起用。
1987年イランの作品。

イラン北部のコケール村の小学校。
先生(ホダバフシュ・デファイ)がみんなの宿題を見ていた。
モハマッド・ネマツァデェ(アハマッド・アハマッドプール:弟)は
宿題を紙に書いてきたので「今度同じことをしたら、退学だ」と叱られている。
人事だと思っていた隣の席のアハマッド(ババク・アハマッドプール:兄)が
家に帰ってみると…なんとモハマッドのノートが入れ替り入っていたのだ!。
「早く返さないと大変!」
とアハマッドは母(イラン・オリタ)に何度も説明するのだがとりあってくれない。
しょうがないのでこっそり家を抜け出して、
友だちの住む隣のポシュテ村まで向かうのだ。
遠い道のりをやっと村に着くが、誰も友だちの家を知らない。
色んな人々に聞いては走り、聞いてはまた走り…
どんどん暗くなって行く中、友だちの家をひたすら探すアハマッド…

道に迷いどんどん暗くなってゆく中をトボトボ歩いた経験をした人は
心ぼそいこんな気分を思い出すのではないか。
ここかと思えば違う、やっと見つけたと思ったら違う、今度こそと思っても…
でも「友だちが退学なったら困る」とひたすら家を探す。
ああ、なんて純粋なんだろう!
そして、この行動力!!
自分がもし、この少年だったら
「友だちには悪いけれど、明日返そう」と諦めると思う。
なんたってこの映画の大人達は、昨今の日本の親とは違い厳しいのだ。
しかし、彼はいてもたってもいられない…そんな少年。
そしてこの経験はそんな彼をきっと少し大きくしたであろう。
アハマッドの不安で悲しげなだが、まっすぐで大きな瞳が忘れられない。

友だちのうちはどこ?
友だちのうちはどこ?

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October 01, 2004

「少女の髪どめ」

[DVD映画]★★★★☆

心を洗われたい!と観たのが「少女の髪どめ」
監督と同名原作「少女の髪どめ」は、
「運動靴と赤い金魚」マジッド・マジディ
第25回モントリオール映画祭グランプリ受賞の2001年イラン作品。


これは、父親の代わりに建築現場で(少年として)働く
アフガン難民の少女と彼女を助けようとする少年の純愛物語。
お茶をいれるのが上手いラーマトが
女の子だと偶然知った少年ラティフは、
彼女に恋心を抱きはじめる。
そして、彼女を守るためあらゆる手を打つのだが、
裏目に出てしまい…。というセツないストーリー。
背景にあるアフガン難民の問題が全編にわたって描かれているが、
ラティフ少年にとってはそんな事関係ない!
くらいな密やかな惚れっぷりがたまらない。
この少年の微妙なマスクといい
地味だがあとでじわっとくる作品だった。
ストーカーと純愛は紙一重なのである。

少女の髪どめ
少女の髪どめ


原作本はこちら

少女の髪どめ
広鰭 恵利子, Majid Majidi, マジッド マジディ

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September 27, 2004

「小さな中国のお針子」

[DVD映画]★★★☆☆

ラブストーリーというより、青春映画「小さな中国のお針子」
全編をヴァイオリンの優しい音色が包みこむ…。

配給がアルバトロス、つまりフランス映画。
監督であり原作者ダイ・シージェがフランス語で書いた半自叙伝
「バルザックと小さな中国のお針子」の映画化作品。制作年は2002年。

1971年文化大革命の嵐の中国。
知識階級に家に生まれたルオとマーは、反革命分子の子供として、
"再教育"のため目覚まし時計すら見た事もない人々の暮らす僻地の農村に送られ、
農作業や鉱山の仕事の日々を送る。
そこで2人は美しいお針子として評判の仕立て屋の孫娘に出会うのだ。
美しく聡明な『お針子』に二人は恋をし、西洋文学が禁止されている革命時代に、
バルザックユーゴートルストイなどの本を隠し持っていた、同じ"再教育"されている青年から盗み、
本の読めない『お針子』にそれらを読んで聞かせるのである。
自分の知らない世界を知った『お針子』の人生は
恋人ルオの語ったバルザックの小説によって大きく変わる事に…。
文学とは何か、知識とは何か、文化とは…と問いかけてくる。

純粋で濃いキャラクターの村の人々が魅力的。
『お針子』のおじいさんの仕立て屋の服も周りの山々の緑に映えて、美しい!
文学から影響を受けて折衷になった服も可愛らしい!!
仲良くミシンで動かすドリルで村長さんの歯を治療するのは大笑い。
(あんな歯の治療の仕方はいやだ)
そして、同じく『お針子』に恋心を抱きつつも、見守るだけのマーの愛情。
男女3人組によくあるパターン。
ああ!青春…。

そういえば男のセンチメンタルさが良く描かれていた。
遠い日のあの村や『お針子』への想いを馳せる現代の二人。

あの二人がこんなに想っていても、
本人は、彼等の事を忘れてしまっているかも…
女とはそういう生き物なんです。

小さな中国のお針子
小さな中国のお針子
 

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