13 posts categorized "映画:韓国"

July 07, 2007

「彼女を信じないでください」

[DVD映画]★★★☆☆

良いと思ってついた嘘が一人歩きしはじめ
どんどんどんどんドツボにハマってゆく
そんな彼女が可愛くて♪
そして田舎の家族パワー…恐るべし…!!!

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「彼女を信じないでください」

製作国:韓国(2004)
監督:ペ・ヒョンジュン
脚本:チェ・ヒデ/パク・ヨンソン
音楽:チョ・ヨンウク

出演:
チェ・ヒチョル(カン・ドンウォン)
チュ・ヨンジュ(キム・ハヌル)
ヒチョルのお父さん(ソン・ジェホ)
ヒチョルのおばあちゃん(キム・ジヨン)
ヒチョルの妹(イ・ヨンウン)
ヒチョルの恋人(ナム・サンミ)

「彼女を信じないでください」オフィシャルサイト

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元詐欺師で仮釈放の身の女、ヨンジュと
姉の結婚式に向かうために
たまたま電車に乗り合わせて
プロポーズに行く途中に指輪を無くした
田舎の薬剤師の青年ヒチョルの
ドタバタ人情ラブコメディ。

かなりベタでコミカルながら
思ったよりも爽やかで
さらっと観れる良い話であった。
百戦錬磨の詐欺師のはずの
ヨンジュのついた嘘が周囲の人に勝手に解釈されて
どんどんこじれてゆく所が面白い。
嘘をつく時の彼女の顔が可愛くて魅了的だ。

詐欺は高度に頭を使うゲームだと言い切る。
さすがに嘘のプロ。
人の心を自在にあやつり同情をかう手腕は天下一品。
家族も息子より彼女を信じてしまうのだが
それはそもそも彼女の心の中に(姉に対してもそうなのだが)
人に対する優しさや愛情、そして正義感があるからだ。

田舎のおせっかいながらも人や自然に優しく生きる人々に触れ
どんどん彼女の優しさが、溢れ出てくる。
もしかするとヨンジュの初めての恋???
吉本新喜劇ばりのベタさだが
何だか気持ちのよいラストシーンもグッド♪

B000BD3DT6彼女を信じないでください (通常版)
キム・ハヌル ペ・ヒョンジュン カン・ドンウォン
ハピネット・ピクチャーズ 2005-12-23

by G-Tools

彼女を信じないでください
サントラ デラ・リーズ キム・ハヌル
B0009EOZX0

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「私の頭の中の消しゴム」

[DVD映画]★★★☆☆

公開時の宣伝コピー『死より切ない別れがある。』
という言葉がとても印象的だった。
愛する人の記憶の中から自分の事が消えて行く悲しみ。
自分の記憶の中から愛する人の事が消えて行く悲しみと恐怖。
妻の病気の悲しい現実と、それを受け入れようと努力する
夫の献身的な愛情表現とやるせない感情がたまらない。

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「私の頭の中の消しゴム」

製作国:韓国(2004)
監督・脚本:イ・ジェハン

出演:
チョルス(チョン・ウソン)
スジン(ソン・イェジン)

「私の頭の中の消しゴム」オフィシャルサイト

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今更…ですが「明日の記憶」で観ていた事を思い出し
やっぱりレビュっておこうかと。

若年性アルツハイマーという言葉が一般に知られるようになり、
ストーリーの予想はついていたけれど、
病気によって消えてゆく彼女の記憶…
崩れてゆく日常をささえようとする二人の愛を
主にチョスルの目を通して
とにかく切なくドラマティックに美しく描いてゆく。

恋人時代、新婚時代の必要以上のアツアツぶりが、
お約束のように後で悲しさを誘う。
孤独で粗野だったチョスルがスジンと出会い、
唯一家族と思える存在になったのに、
妻のスジンが自分の事を忘れ
彼女の元恋人のヨンミンと勘違いして名前を呼ぶシーン。
スジンに“はじめまして”と挨拶するトコロなど、
チョルスの悲しみこらえ震える表情にはジーンときた。

作為的なシーンも多くて少々ベタで
特にラストのほうなどあざとい気もするが
これでもか、これでもか、とつきつけられる
悲しい現実と、それを受け入れようとする
チョルスの献身的な愛情表現とやるせなさ。
一瞬記憶が戻った時のスジンの切ない心遣い。
若すぎるスジンとチョルスにはあまりにも過酷。

彼ら夫婦のなれそめのトコロから、既に病気は進行していた。
この作品は“若年性アルツハイマー”を素材に描いた
とある夫婦の恋愛ドラマ。
画面のいたる所に暑苦しいほど愛が溢れているのが切ない。
“コンビニ”のシーンは…まるで天国。

今後自分が煩う可能性がゼロでは決して無いアルツハイマーという病。
少々健忘症気味のワタシにはちょっと怖いストーリーでもあったが
観ておいて良かったとも思う。
「明日の記憶」でも書いたのだが
こういった映画は“病気の存在を知る”事と
人とのつながりの大切さを教えてくれる。
特に身近な人への愛情は、病に伏した時に痛感するものだから…

B000E40TLW私の頭の中の消しゴム(字)
三木眞一郎 チャ・スンジェ 小林さやか
ジェネオン エンタテインメント 2006-03-10

by G-Tools

私の頭の中の消しゴム SPECIAL BOX (初回限定生産)
チョン・ウソン イ・ジェハン ソン・イェジン
B000AAER4U

私の頭の中の消しゴム
フレデリク・フランチシェク・ショパン パガニーニ
B000AU1JK0

私の頭の中の消しゴム
木村 元子
4094080481

私の頭の中の消しゴム
深田恭子/及川光博
B000R3ALU4

■映画「明日の記憶」レビュー

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June 29, 2007

「トンマッコルへようこそ」

[DVD映画]★★★★☆

人間の愚かさと笑顔の力強さを教えてくれる韓国の戦争ファンタジー作品。
美しく印象的なシーンにジブリアニメの影響を色濃く感じる。

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「トンマッコルへようこそ」

製作:韓国(2005)
監督:パク・クァンヒョン
原作・脚本:チャン・ジン
音楽:久石譲

ピョ・ヒョンチョル(シン・ハギュン)
リ・スファ(チョン・ジェヨン)
ヨイル(カン・ヘジョン)
チャン・ヨンヒ(イム・ハリョン)
ムン・サンサン(ソ・ジェギョン)
スミス(スティーヴ・テシュラー)
ソ・テッキ(リュ・ドックァン)
村長(チョン・ジェジン)
キム先生(チョ・ドッキョン)
ドング(クォン・オミン)

→「トンマッコルへようこそ」オフィシャルサイト
トンマッコルはこんな村♪

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森や山や空や戦闘機、軍人と不思議な少女。
テーマといい、音楽といい、映像といい、
まるでジブリ映画を観ているようなファンタジー。
道ばたにいる人形とか千と千尋みたい。
音楽が久石さんだし…しょうがないけど
とにかくテーマ曲が耳に残るのはさすが。

朝鮮の南北戦争当時が舞台なので
ちょっととっつきにくいのと
下妻的ベタでマンガチックな合成やスローモーションは
好き嫌いがあると思うが
ワタシは結構好きなので楽しめた。
イノシシ事件はひっぱりまくる。

トンマッコル…無垢で子供のような
のほほんとした村人達がとにかく魅力的。
軍人達はこの村人にかかると
敵も味方もありゃしないし、国籍も関係ない。
本来の人間の生活、山麓での日常生活に戻ってゆく…

でもそこにも忍び寄る戦争の影。
闘いに巻き込まれて命を失う大勢の者達…
空から落ちてくる弾頭の雨…
戦争の悲惨さを辛辣に描いているのに
美しく良い話に思えるのが
この映画の不思議なところ。
人間の醜い部分と共に、人間の素晴らしさと強さを
猛烈に強調しているからかもしれない…
妙に心が洗われる物語であった。

髪に野の花をつけて笑うヨイルちゃんの顔は
忘れられないよ…。

B000J6HYPOトンマッコルへようこそ
シン・ハギュン パク・クァンヒョン チョン・ジェヨン
日活 2007-03-02

by G-Tools

「トンマッコルへようこそ」オリジナル・サウンドトラック
久石譲
B000HOJE38

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September 06, 2006

「グエムル —漢江の怪物—」

[劇場映画]★★★★☆

勢い満点!毒も満点!小市民満点!な怪獣映画!!
まさかこんな内容だとは思いもしなかった!!

うひょ〜!個人的にツボ!!
カンヌで驚愕されたという2006/9/2公開されたこの作品。
おバカなファミリーならではのブラックな笑いと
妙にがっちりアニマトリクスで作られた、
グロテスクな怪物とのからみがたまらない!!!
 
実は久しぶりに試写会で鑑賞だった♪
韓国の若手監督ポン・ジュノのファンでもありつつ、
エイリアンものも怪獣系のB級特撮なんかも大好きなワタシ。
このグエムル —漢江(ハンガン)の怪物—には
心躍る気分で開始前からワクワク…。
当日は満席では無かったのでゆったり観る事が出来た。
公開中なのでネタバレにならない程度に感想を!

* * * * * * * * * * * * * * * *

しょっぱなから悪意に満ちたシーンから。
全てはココから始まったわけだ。
そして…登場するのは韓国を代表する大きな川、
漢江の河川敷で売店を営むどこかマヌケな男達、
カンドゥとその父ヒボン。
のどかだった河川敷だが、突然現れた巨大な怪物の登場と共に、
一生忘れないだろう惨劇の現場に一転!
しかもカンドゥは娘のヒョンソを目の前で怪物にさらわれてしまった!!!
最愛のヒョンソが死んだものだと“激しく”悲しむ一家。
ところが事態は思わぬ方向に…
さて無事ヒョンソは救出されるのか?
謎の怪物はどうなる?
 
「お父さん、助けて!」
 
のキャッチコピーとTVスポットで
感動出来る怪獣映画かと思ってしまうが、
全編に渡って極めてブラックでシニカル。
非常に良く出来たB級映画の香りがぷんぷんする。
タブーにはあえて超ストレートに切り込みまくり、
極限状態での人間…主に普通の人々のおかしな行動を
ブラック・ユーモアを散りばめ描く独特の手法、
緊張と緩和を上手〜く使い分けるテンポの良さといい、
「ほえる犬は噛まない」「殺人の追憶」の
ポン・ジュノ監督ならではのエッセンスが一杯!!!
笑ってはいけない所で、ついつい吹き出したり突っこんだり…
大きな外的勢力に圧迫された小市民の底力を見せつける!!!

加えて、超個性的なキャラクターを演じる役者陣が抜群!
特に主人公であるおバカな一家、
家長ヒボンピョン・ヒボン)漢江の河川敷で売店を営む一家の長、ヒョンソの祖父。
長男カンドゥソン・ガンホ)父親と同居し家事手伝い中のダメ長男。ヒョンソの父親。
次男ナミルパク・ヘイル)大卒のフリーター。反政府攻撃運動の経験有。
長女ナムジュペ・ドゥナ)カンドゥとナミル妹。アーチェリーの銅メダリスト。
ヒョンソコ・アソン)怪物にさらわれるカンドゥの娘。笑顔の可愛い13歳の中学生。
ヒボン父ちゃんのダメ息子を含め、全員への絶対的な愛!!
そして、このダメ一家の期待の星、ヒョンソへのこの一家の熱〜い愛情で、
一致団結ヒョンソの救出に執念を燃やし、ここぞという時のマヌケっぷり!!!
怪物に挑むヒボンをはじめカンドゥ、ナミルの男性陣はもちろん、
ナムジュとヒョンソら女性陣のキリッとした表情も印象的だ。

そして、ハリウッドの技術を駆使した
スピーディーでいや〜な動きの怪物は、勢い良く登場し、
次々と食料である人間を襲い続ける…。

観る人は選び、後味は良いものでは無いけれど、
次々と迫り来る、先の読めない展開に
思わず引き込まれてしまった!!!
小市民の目線でのブラック・ユーモア、
ワタシはポン・ジュノ監督のココがツボみたい。

OST/グエムル(漢江の怪物)(送料無料)
オリジナルサウンドトラック/グエムル(漢江の怪物)

→「グエムル —漢江(ハンガン)の怪物—」オフィシャルサイト
→「グエムル —漢江(ハンガン)の怪物—」公式ブログ

ポン・ジュノ監督の作品。
■映画「ほえる犬は噛まない」レビュー
■映画「殺人の追憶」レビュー

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April 28, 2005

「ボイス」

[DVD映画]★★☆☆☆

少女の顔が一番怖い!!
これもやはり、ホラーというよりもサスペンス?
韓国ホラーは、やはり何となくセツない系に振ろうとする傾向があるかも。
予告編が最も怖い作品だった。

原題は「PHONE」。
とある携帯電話番号にかかってくる不気味なノイズと女の声。
この声を聞いた人は次々謎の死を遂げていた。
これを手にした女性ジャーナリストの物語。
監督はこの手のものを手掛けつつあるアン・ビョンギ
主演は「リメンバー・ミー」のハ・ジウォン。
地元韓国で大ヒットした2003年の作品「ボイス」。

女性ジャーナリスト、ジウォン( ハ・ジウォン)は
彼女の関与した援助交際に関するスクープ記事が発端で、ストーカーに悩んでいた。
そこで親友のホジュン(キム・ユミ)が、今は使っていない別宅を隠れ家に提供。
広い邸宅の一室につないだ、パソコンのモニターに
たまたま出て来た番号へと携帯番号に替えたジウォン。
だが、まだ誰にも教えていないはずの携帯が鳴り出した…。
その時ちょうどそばにいたホジュンの幼い娘ヨンジュ(ウン・ソウ)が
電話に出た途端、全身を痙攣させ白目をむいて絶叫!
その携帯電話からは不気味なノイズが聞こえていた。
それからヨンジュの様子がおかしくなり、
ジウォンの身のまわりにも不可解な出来事が起こりはじめた。
ジャーナリストという職業、そして親友とヨンジュのために、
ジウォンは真相を突き止めようと捜索を開始する…。

携帯番号の持ち主を遡り、
失踪した女学生のジニ(チェ・ジヨン)までたどり着く。
ホジュンの夫で会社取締役のチャンフン(チェ・ウジェ)の妻に対する愛情と
反する事なかれ主義的な態度。
父親への愛着をむき出しにし、母を憎みはじめるヨンジュ。
不妊症を越えてヨンジュを授かったホジュンの異常なまでのヨンジュへの愛情。
ホジュンはそんな娘が怖いのだが、大切で仕方がないのだ。
そして、親友とその子を家族のように慕うジウォン。
閑静な住宅街、そして大邸宅での奇妙な出来事。
ストーカーの謎の死。
そして、思わぬ所でからまり合う運命の糸。
まるでこれはテレビの昼メロか、とってもサスペンス劇場的なゆるい展開で終わる。
携帯電話、大邸宅、ジャーナリスト、刑事、ストーカー、血のつながらない親子、
三角関係、崖、日記などなど…、
随分身勝手な理由や、過剰な愛情あっての事件であった。
とはいえ「リング」や「サイコ」「エクソシスト」「サスペリア」などなどの
諸外国のホラー映画へのオマージュは満載。
何が怖いってヨンジュちゃんの睨む顔!
特にニヤッと笑うトコロはゾゾッ。
 
ボイス 特別版
ハ・ジウォン アン・ビョンギ キム・ユミ イ・ユジン

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April 16, 2005

「オールド・ボーイ」

[DVD映画]★★★★☆

こりゃ凄い!
評判どおり。なかなか見応えのある作品だった「オールド・ボーイ」。
チェ・ミンシクの凄みのある演技は絶品!
最近観た韓国映画の中でも傑作のうちの一つだ。

監督・共同脚本は「JSA」のパク・チャヌク
出演は「シュリ」のチェ・ミンシク、「春の日は過ぎゆく」のユ・ジテ
「バタフライ」のカン・ヘジョン
音楽はチョ・ヨンウクのプロデュースで
若くして素晴らしい才能を発揮しているイ・ジス
チェ・スンヨン、シム・ヒョンジュンの3人の作曲家で3人の人物を描き競作。
2004年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞。
とにかく前情報無しで観て楽しもう!!

以下結末は書きませんが若干ネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします。

冒頭、とある雨の日。
まるで新橋の酔っぱらい状態の極々普通のサラリーマン、
オ・デス(チェ・ミンシク)は、
妻と幼い娘の待つ我家へ娘の誕生日祝いの天使の羽のプレゼントを買い、
電話ボックスで“帰るコール”をしていた所を、
紫の傘を持った男達に誘拐され狭い小部屋に監禁される。

いったい誰が、何の目的で?

何故監禁されているのか不明。
外は見えず場所も分からない。
食事や身の回りは世話される。
ただ…テレビの試聴は可能。

そこでオ・デスは自分が妻殺しの容疑者になっている事を知る。
孤独との戦い。蟻にまみれる妄想。謎のガス。催眠術師の女。
いつしか彼はは自力で脱走すべく鍛え始めるのだ。
そして…15年が過ぎた時…
突然解放された。

お前は誰だ?何故俺を15年も監禁した?

持たされていた携帯電話に謎の男からメッセージがあり、
一軒の寿司屋に入ったオ・デス。
そこにいた美しい手の冷たい女の板前ミド(カン・ヘジョン)と共に、
犯人を探す事になるのだが、これすらも犯人が仕組んだ罠だった…。
妻を殺され15年の自由を奪われた復讐に燃えるオ・デスは、
監禁時に与えられた餃子を作った店を探し食べ歩き、
ついに監禁された場所を突き止めた。
そんな彼等の前に現れた謎の男ウジン(ユ・ジテ)は、
お互いの命を賭けた“ゲーム”を強制。

5日以内に謎を解き明かせ。解き明かせなければお前を殺す。
 解きあかせば…オレが死んでやる。

もはや、オ・デスは監禁した犯人を突き止め復讐するしかないではないか!!!

どうして監禁されたかではなく、どうして解放されたか。
オ・デスの舌は喋り過ぎた。
今までの人生を復習しろ。そして思い出せ。

オールド・ボーイ=卒業生。15年の意味。
情報を集め、無くした記憶をたどり、自らの軌跡をたどり、
思いもかけない事実にたどりついた時、
オ・デスはおぞましい新たな事実を知る事となる…。

“まさかこんな商売が!”“復讐しあう?”
というアイデアがとにかく素晴らしいと思ったら、
1996年から1998年にかけて「漫画アクション」連載されていた漫画、
オールド・ボーイ —ルーズ戦記土屋ガロン・作/嶺岸信明・画が原作。
おそるべし!日本コミック界のパワー!!
そしてこれをパク・チャヌク監督に勧めたのが、
殺人の追憶」のポン・ジュノ監督だというではないか!!!
さすが…サブカル・オタク!やっぱりセンスが良い。

さて映画だが、もちろんこの面白い設定だけではなく、
伏線を含め非常に上手く作られている。
オープニングからエンディングまで細部に凝りまくった濃密な映像。
更に語り口とテンポの良さ。
模索しながら少しずつ掘り進むトンネルが一気に開通した時の衝撃。
重いテーマをちゃめっけでカバーした演出がニクイ。
まず、オ・デスのダメおやじから進化した魅力的なドレッド風ヘア。
自主筋トレとイメージ・トレーニングで強化された怒るオ・デスのファイティング!。
トレードマークのハンマーの差す先、赤いライン。
韓国ではなかなかめずらしいベッド・シーン。
催眠ガスで眠る彼等を切なげにガスマスク着用で眺めるストーカー野郎。
監禁部屋探しの餃子の食べ歩きはなかなかツボだった。
何より必見なのはチェ・ミンシクの役者根性の入った肉体改造と迫力の怪演!!!
そして、激痛・グロテスクシーンが意味深げに多用されている。
“あんな生き物”を生で食べたり、
“こんなもの”をスポンと抜いたり
“まさかのそんなもの”をジョキッとなど…
アタタ…なシーンには要注意!。

傷ついたものに復讐は最高の薬だ。やってみろ。

だが、復讐の先にあるものは明るい未来であるわけが無い。

獣のような自分だが、生きているいる価値があっても良いではないか

舌は災いのもと。だがまさか“あんな理由で…”とは!!
男女の愛。家族の愛。親子の愛。究極の愛。
どこかで歪んでしまった愛情はその歪みが大きい程、
狂おしく、より激しく突き進む。
重い…重すぎる!!!
それでありながら、確認のためにもう一度観たくなる、濃厚な一本。
 
オフィシャル・サイト
 ↓
http://www.oldboy-movie.jp/

オールド・ボーイ プレミアム・エディション
チェ・ミンシク パク・チャヌク ユ・ジテ カン・ヘジョン

by G-Tools

切なく印象的なワルツが良かった!
オールド・ボーイ オリジナル・サウンドトラック(CCCD)
サントラ

原作コミック
オールド・ボーイ —ルーズ戦記
土屋ガロン 嶺岸信明
オールドボーイ—ルーズ戦記 (1) オールドボーイ—ルーズ戦記 (2) オールドボーイ—ルーズ戦記 (3) オールドボーイ—ルーズ戦記 (4) オールドボーイ—ルーズ戦記 (5) オールドボーイ—ルーズ戦記 (6) オールドボーイ—ルーズ戦記 (7) オールドボーイ—ルーズ戦記 (8)

オールド・ボーイオフィシャルブック
メディア出版部

ノベライズ
オールド・ボーイ
大石 圭


 
■コミック「オールド・ボーイ —ルーズ戦記」レビュー
 

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March 31, 2005

「ブラザーフッド」

[DVD映画]★★★★☆

正直、愕然とした。
強烈な戦場の地獄絵図。敵も見方もごちゃまぜの肉弾戦が目の前で繰り広げられる様。
プラトーン」とかあちら系の戦争映画に近い映像に仕上がっていた。
とにかく戦争の醜い実体、狂気、悲惨さ、が伝わってくる作品「ブラザーフッド」。

監督は「シュリ」のカン・ジェギュ
出演は「友へ/チング」のチャン・ドンゴン
日韓合作ドラマ「フレンズ」で深田恭子と共演したウォンビン
先日惜しくも亡くなった「バンジージャンプをする」のイ・ウンジュ
ラスト・プレゼント」のコン・ヒョンジン
オールド・ボーイ」のチェ・ミンシク、「火山高」の不良高校生キム・スロなど。
2004年、韓国本国でも大ヒットした。

1950年、ソウル。
家族想いの靴磨きジンテ(チャン・ドンゴン)と
高校生のジンソク(ウォンビン)兄弟は、そば屋を営む母親を支え、
ジンテの婚約者ヨンシン(イ・ウンジュ)とその弟妹と共に、
貧しいながらも平和に暮らしていた。

6月25日朝鮮戦争勃発。家族はソウルから避難していたのだが、
突然兄弟は18〜30歳の男子という事で、避難民ながら徴兵されてしまう。
体弱い弟ジンソクを大学で学ばせる事に母親と共に夢を託していた兄ジンテは、
手柄を立て太極勲章を授与され、特例により除隊を認められた親子がいる、
という上官の言葉を信じ、自分を犠牲にしてでも弟を守ると決意。
地雷の設置や奇襲など、危険な任務に率先して志願するようになる。
手柄をたて出世するにつれて“兵士=殺人マシーン”へと変わってゆく兄。
ジンソクはそんな兄の行動が理解出来ない。
そして戦争と数奇な運命は何度も彼等兄弟、そして家族を元の同僚を
醜い争いへと巻き込んでゆくのだ。
ただ弟を守りたい一心で戦う兄。
それを失望しつつも兄からの愛情を受けて悩む弟…。

だが“戦争”は戦場だけでなく、市街地、農村と
あらゆる所に暗いねじれた影を落とす。
兄弟を待つ家族ですら、知らず知らずのうちに騙され、利用され、
ひょんな事から“敵扱い”標的になってしまうのだ。
そして、極限状態では、敵や味方、思想や愛国心などは無意味なものとなる。
太極勲章をもらってもそれは同じ事。昨日の味方も明日は敵へと化す。
愛する者の死によって、命がけで信じていたがゆえに怒り復讐に燃えるのだ。
山村での虐殺。そしてゲリラ的な攻撃。戦場への慰問。
所々で「地獄の黙示録」を彷佛させるシーンがあった。何処も同じだ。
同じ言葉を話す人達との戦い、昨日は同志であった者、そして肉親…虚しい限り。

普通に家族と共に平和に暮らす。
それがある日一転し、国のために命を捧げる事を良しとされ、
敵とされる者を殺すことすら良しとされる“戦争”。
この作品ではその悲惨さが、戦場での生々しい痛みが、リアルに描かれている。
家族の待つに家に帰りたかったヨンマン(コン・ヒョンジン)。
どの兵士もそう思っているのに、
目の前の敵=人間を殺さねばその願いすらかなわない。
ジンソクは言う「これが全部、夢だったらいいのに…。
弟が生き残ってくれれば例えに憎まれてもいい、自分は鬼畜にでもなろうという、
兄の異常なまでの自己犠牲の愛情は弟には有難迷惑的でもあり、当然誤解も生じる。
これは家族を第一に考えた兄だからこその愛であろう。
学歴コンプレックスもあったのだろう、これまでも弟のために生きてきた兄。
だが、きっかけは何であれ
“英雄になった”自分に自信を持ち何かが狂い始めた事も確かだ。
元同僚の少年への対応だけは理解し難い部分があった。
だがその栄誉の勲章ですら、あっという間に覆る。
なんて虚しい栄光だろうか。

兄にもらった万年筆が兄弟を繋ぐ。
次に会う時に返してもらうよ…。」機会を作りたかったジンソク。
だが、次は…50年も後の事になるのだった。

ブラザーフッド・オフィシャルサイト
 ↓
http://www.brotherhood-movie.jp/

ブラザーフッド プレミアム・エディション
チャン・ドンゴン カン・ジェギュ ウォンビン イ・ウンジュ

by G-Tools

ブラザーフッド コレクターズBOX (完全予約限定生産)
チャン・ドンゴン カン・ジェギュ ウォンビン イ・ウンジュ

ブラザーフッド オリジナル・サウンドトラック(CCCD)
サントラ BoA

関連書籍
TJムック「ブラザーフッド オフィシャルBOOK」

『ブラザーフッド』シナリオ写真集
カン・ジェギュフィルム

「韓流スターの時代2」ブラザーフッド
~ウォンビン/チャンドンゴン



 

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March 30, 2005

「子猫をお願い」

[DVD映画]★★★☆☆

良かった!これ、何となく好きだなぁ…。
一言では言えないのだけれど、
社会に出たばっかりの女の子が誰でも感じるような社会や家族に対する希望や挫折。
そんな小さな夢や悩みを普通に描いた、
とても後味の良い青春映画「子猫をお願い」。

ロケ場所である仁川の街のせいか、少し懐かしい…そんなイメージがする。
監督はこれが長編デビューの女流新人監督チョン・ジェウン
ほえる犬は噛まない」で、可愛いくて面白い!と思ったが、
この作品のペ・ドゥナのキャラも。こういう役にはハマるなぁ彼女。
イ・ヨウォンの可愛くてプライドの高いちょっと鼻につく女の悩める姿、
モデル出身のオク・ジヨンの地味でクールな存在感、
中国系の双子イ・ウンシル(亡くなった彼女とは別人)と
イ・ウンシルの何気ないインパクトも印象的。
2001年韓国の作品。

埠頭ではしゃぎながら卒業写真を撮る5人の少女。
満面の笑みで踊り、歌い、はじけまくっている。

そして一転して通勤電車。青い画面へと変わる。あれから一年後。
女子商業高校の同級生の彼女達は、それぞれ別の道を歩んでいた。

ヘジュ(イ・ヨウォン)は容姿端麗で上昇指向が高い、証券会社のOL。
テヒ(ぺ・ドゥナ)は実家のサウナの家事手伝い。
         時々手の不自由な青年のタイピングをしている。
ジヨン(オク・ジヨン)は定職も無く、年老いた祖母と二人暮らし。
           テキスタイルデザイン画が得意なのだが、活かせていない。
ピリュ(イ・ウンシル)とオンジョ(イ・ウンジュ)の双児達は
チャイナタウンでアクセサリーの露天商。

そんな彼女達も何かの機会には集まっての同窓会。
連絡は主にテヒがメールや携帯電話でとっている。
ヘジュの二十歳の誕生日にもジヨンは拾った子猫ティティを
手作りの箱に入れてプレゼントにするのだった。
ところが…OLのヘジュにはとても世話が出来ないと返されてしまい、
また子猫はジヨンの元へと戻って来る。
ジヨンの家にも事件が起きて子猫はテヒへ、テヒからも子猫は…といった具合に、
次々と彼女達の手を彼女達の思いと一緒に渡り歩く。
子猫を手渡す時…それは何かを決断した時でもあった。
二十歳の悩める少女達は様々な夢を描きながら、挫折し、そして再起し、
友と傷つけあい、そして助けられ、自らの夢を追い続けるのだ。

5人の少女達の友情物語…といってもベタな感動ものではない。
実に淡々と、個々のキャラクターを明解かつ丁寧に描いている所に好感が持てる。
女友達にありがちな一見仲良さそうで、でも確実にある個々の確執。
友達だから言えること、言えないことがある。
友達だからこそ、利害関係なくつきあることがある。
どこの国の女の子も同じなんだなぁ…。そう思えるエピソード。

クラブでの同窓会。
画面にカシャカシャと打たれるタイプライター。携帯メール。
常に持ち歩く携帯電話。着メロでのHappy birth day♪
プライドの高い末っ子のヘジュ
若く可愛いOLであるためのコンタクトレンズ、そしてレーザー手術での視力矯正。
大学進学。彼氏。先輩達の愚痴。イラついた時のゲーセン。
まだまだ男尊女卑な父親とそれに従う家族が嫌いなテヒ
トニーローマでの寒い家族ディナー。
身障者の詩人との恋。電子レンジで薬を煎じる母。
旅をする夢。ワーキング・ホリデー。
口数の少ない謎の多いジヨン
貧しい家庭。子猫の手のサイン。デザインの勉強。留学。アルバイト。
崩れた家。猫の鳴き声。行く所がないジヨン
いつでも一緒で力強く生きる双児の姉妹ピリュオンジョ
そして…皆が気になる将来の夫を見る方法!

彼女達の新しい旅立ち…。Good bye!という大きな文字。
エンディングのカラカラ変わるクレジットもテンポ良く、音楽も爽やか。

果たして自分の女友達。
中学・高校・大学時代の友人。二十歳だった頃、社会に出た頃の友人。
そして、現在友人と呼べる人が何人いるのだろうか???
何か忘れていた事を少し思い出させてくれた映画だった。
青くて、甘ちゃんだった、夢いっぱいだったあの頃…。
まさかまだ、こんな事やっているとは夢にも思わなかったなぁ。 

オフィシャルサイト
 ↓
http://www.koneko-onegai.jp/
 
子猫をお願い
べ・ドゥナ チョン・ジェウン イ・ヨウォン オク・ジヨン

by G-Tools

 

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March 22, 2005

「箪笥 −たんす−」

[DVD映画]★★★☆☆

韓国ホラーの歩むべく道を模索している…そんな感じがした作品のひとつ。
怖いというよりセツない作品であった「箪笥」。
哀しくいメロディが耳に残る。

韓国の古典怪談「薔花紅蓮伝」をベースに、
霊にとりつかれた家に住む美しい姉妹と家族の物語。
スピルバーグ監督が、高額でリメイク権を獲得したらしい。
クワイエット・ファミリー」のキム・ジウン監督による2003年の韓国映画。
「ピアノを弾く大統領」ドラマ「学校4」のイム・スジョン
「恋愛小説」ドラマ「秋の童話」などで10才でスターとなったムン・グニョン
「H」「カル」などスクリーン・ホラー・クィーン?ヨム・ジョンア
「KT」などのベテラン演技派俳優キム・ガプスと、
少ないながらがっちりとしたキャスト。
『女校怪談』「子猫をお願い」などの、
“ガーリー・ムービー”専門プロデューサー、オ・ギミン。
 
冷たく暗い一室で、精神科の医師から質問される一人の少女。
うつ向いていて、顔はよく見えない。
彼女のものだという家族写真を見せるのだが少女は無言。
そして医師は“あの日の事”について語るように促す。

郊外の湖畔に立つ古く静かな一軒家に、
父ムヒョン(キム・ガプス)の車で清楚な姉妹が到着した。
彼女達は久し振り戻って来たようで、船着き場で足を水につけくつろいでいる…。
しかし、父に呼ばれその暗い玄関に入ると…
美しい継母ウンジュ(ヨム・ジョンア)が笑顔で迎えるが、どうも様子がおかしい。
姉スミ(イム・スジョン)には感心が無いようなのだが、
妹ユソン(ムン・グニョン)には冷たいのだ。
そんなゆがんだ関係の3人を、どこかあきれ醒めた目で見ている父。

その夜、ユソンは部屋に無気味な音や気配を感じ隣の部屋の姉のベッドにもぐりこむ。
スミは妹を優しく守ると決意するのだが、
彼女自身も恐ろしい悪夢にうなされ続けるのだ。
この不思議な現象はどんどんエスカレートして行き、
スミまでもフラッシュ・バックのような幻影を見るようになる。
「この家もあの女も何かがおかしい!!!」
遊びに来た親戚夫婦の奥さんは、姉妹のいない4人の異様な雰囲気の食卓で、
てんかんのような発作を起こし少女の霊を見る。
継母も何かを恐れ、金切り声をあげるのだ。全てに静かに対応する父。
どんどん増すユソンに対するせっかんを父親に訴え続け、
ついに父が嘆くように、依願するように、スミに口を開くのだが…。

最後で明らかになる事実を知ってから、二度観ると悲しさが増すのである。
そういえば、途中で「あれ?」と思った。
船着き場での手相。父の呼び声。足のマニキュア。箪笥の洋服。錠剤。
父のかける電話。家族の写真。生理。フラッシュ・バックの映像。
そして…箪笥。
幼い霊が復讐をするためにこの茶番をずっと続けていたなんて。
事実を知った上だからこそ、セツなすぎる…。

よくある仕掛けとはいえ、一つ一つのモチーフの美しく繊細な作り込みは素晴らしい。
ただ、それが一方でストーリーを複雑にしている。
いかにもホラ−的な音響効果だけは、ベタにドキドキ出来て好感が持てる。
4人の食卓」といい、日本やハリウッドなどのホラーを見事に融合しつつ
韓国テイストに重厚に美しく仕上げる近年の韓国ホラー。
トラウマとそれに関する精神的な病ネタが意外と多い。
でも近い将来、とんでもない作品が生まれそうな予感がするなぁ。
濃密でクオリティの高い映像美と身近な恐怖。
ジャパニーズ・ホラーの先鋭達!これは要注意かも!!!
 
箪笥−たんす−オフィシャル・サイト
ここにも小細工あり。ちょっぴりドキッ!!
BGMで流れるイメージソングは微妙。

http://www.tan-su.jp/home.html
 
 
箪笥
イム・スジョン キム・ジウン ムン・グニョン ヨム・ジョンア

by G-Tools

美しく静かでセツないメイン・テーマが素敵なサントラ
箪笥 オリジナル・サウンドトラック
イ・ビョンウ

原作本
箪笥—薔花紅蓮
キム ジウン

謎はこちらの小説で解決?
姉妹—Two Sisters
吉村 達也


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January 05, 2005

「4人の食卓」

[DVD映画]★★★☆☆

うわ………!!!
単なる幼児虐待だけではないが、子供のいる方にはかなりきついシーンが…。
もの悲しい虚無感の残る、怖いというより悲しい作品。
日本ホラーに近い、身近な日常における人間の怖さを
見事なまでの完成度で描いたミステリー・ホラー「4人の食卓」。
韓国の女流監督イ・スヨンによる2003年の作品。

インテリア・デザイナーのジョンウォン(パク・シニャン)は、
うたた寝していて慌てて降りた、終電で眠りこける2人の子供を目にする。
青白い蛍光灯に照らされ空を向いて熟睡する2人…。
この二人が実は親に毒殺された事を翌日知った。
彼のフィアンセ、ヒウン(ユ・ソン)は照明のデザイナーで、
結婚を目前にモダンな食卓をジョンウォンの部屋に準備した。
テーブルではなく座席を照らす、斬新かつスタイリッシュなもの。
ある日、ジョンウォンはあの、地下鉄で見た子供達が向かい合わせで
その食卓に座っているのを見る。
それから…忘れていた過去が現れ始め、運命の歯車は変わってゆく…。
ジョンウォンには7歳までの記憶が無いのだ。

嗜眠症〈しみんしょう:ナルコレプシー〉という一種の眠り病を持つ女性
ヨン(チョン・ジヒョン)にはつらい過去と不思議な力があるらしく、
病気の発作で倒れた彼女を自宅へ運んで介抱した時、
彼女にも食卓の子供達が見えたのだ。
ヨンにすがる気持ちでジョン・ウォンは自分の見る不思議な夢と子供達の事、
そして、自分の過去を知ろうとするが、ヨンは乗り気ではない。
ヨンの過去とは、そしてジョンウォンの過去とは???

“電車に乗っていて隣で寝ていると思っていた人は死んでいた”
“飛び下り自殺で落ちてくる人と目が合ってしまった”
“育児ノイローゼの母親が赤ん坊をベランダから落とした”
“ひき逃げされた子どもの死体がマンホールの中に”

…など、実際にもありそうなエピソードが映画の描く恐怖である。
これらの出来事にもし出会ってしまったら…。
本当の真実をトラウマとして抱え込むのか、
もしくは忘却することによって封印するのか、
または自分に都合の良い記憶に置き換えるのか…
人によって大きく変わるのでは無いか?

猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」のチョン・ジヒョン演じるヨンが、
美しくミステリアスで、意外といい。
そして、パク・シニャンの追い詰められた表情も緊迫感と郷愁をあおる。
パクのフィアンセのヒウン役のユ・ソンは強い現代女性を演じ、
ジョンウォンの父であり神父役のチョン・ウク、
ヨンと同じマンションの主婦ジョンスク役のキム・ヨジン
絶妙な表情でこの物語に深みをと衝撃を与える。

はっきりとした解決は無く、前述のとおり“悲しい虚無感”が残るのだが、
う〜ん、と唸らせるだけの映像美と新人監督にしては完成度がある。
ポン・ジュノ監督を思わせるキャラクターを描く上手さと衝撃的なシーン。
ごく普通の人の、心の“闇”と“病み”。
近代的だけれど手抜き工事のビルや、マンションから見えるマンション群が、
日本のそれらと酷似していて、とても虚しく見えた。

公式サイト
美しく仕掛けも凝ったサイト。
本編で見逃したトコロなど要チェック!新たな発見もあるかも…。

http://www.4table.jp/
 
4人の食卓
オ・ジョンワン イ・スヨン

 

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