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September 16, 2006

「ブロークン・フラワーズ」

[劇場映画]★★★★☆

最初から最後までジム・ジャームッシュ節全開!
可笑しくももの悲しい?とある初老の男の人生をふりかえる、
過去の女性を訪ねる旅とは…!

これもG.W.に劇場鑑賞したもの。
あまりにもゆるゆるのエチオピアン・ジャズが耳について離れないので、
速攻サントラを購入してしまった…♪
ホントにこの監督音楽のセンスがいい!!!
そしてビル・マーレイの軽妙な演技がこ映画にぴったり!
今回はかなり思わせぶりなストーリーなのに、
思わずにやにやしてしまう…そんな作品だ。
2005年カンヌ映画祭審査員特別大賞(グランプリ)受賞作した、
アメリカの鬼才ジム・ジャームッシュ監督のブロークン・フラワーズ
 

その昔はモテモテで、数年前にパソコンで成り上がって悠々自適な生活初老の男、
だが、なぜかちょっとヒッキー気味のドン(ビル・マーレイ)。
いっつも家でも外でもジャージ姿で無表情。
その日は同棲していた彼女は出て行ってしまったが、
特に引き止めるわけでもなく、ソファーでうたた寝する始末…。
そこへ一通のピンクの手紙が届いたのが、この物語の始まり。

『人生ってフシギないたずらをするものね。
 あなたと別れて20年が経ちました。
 息子はもうすぐ19歳になります。
 あなたの子です。
 別れたあと、妊娠に気づいたの。
 現実をうけいれ、ひとりで育てました。
 内気で秘密主義の子だけど、
 想像力は豊かです。
 彼は二日前、急に旅に出ました。
 きっと父親を探すつもりでしょう…。』

この手紙を見たお隣さんのウィンストン(ジェフリー・ライト)、
子だくさんで仕事を3つもこなし、しかもネットにはまりまくる、
どうやら推理小説好きな彼は盛り上がりまくり、
早速手紙の分析をはじめ、得意分野に興味津々…。
口ではイヤだと言いながらも、どうも手紙の内容が気になるドンの
そんな性格を知っていて、
勝手にドンの息子の母を探す一人旅を企画した。
そして彼の旅が始まった。

* * * * * * * * * * * * *

とにかく全編にわたって、
気まずさ満載、肩すかし満載、ナイスな音楽満載、
そしてキャスティングの絶妙さ!!!
このジム・ジャームッシュ節全開だ!

極めてコム・ジャームッシュらし〜い、ロード・ムービー。
あるきっかけで旅が始まり、ちょっとした夢とロマンを求めるも、
目にするのは求めたロマンとは違うしょっぱい現実の珍道中。
劇的な変化は無いのだが、沈殿した何かをちょっとかき回した事により
新たな何かは産まれ、そして少しいつもと少しだけ違った日常は続く…
そして冒頭の手紙の配送される所や「ドン・ファン」の映画に始まり、
あらゆる所でお得意の小ネタは満載!
ゆる〜いイカした音楽がまたとってもグ〜♪

女たらしでITで成功した金持ちなのに、なんだかとってもダメ男なドン。
20年前につき合った4人の女性の家と1人の墓を
着慣れないスーツを着込んでピンクの花束を持って訪ねでも、
どこでも古い恋人には、気まず〜い雰囲気。
めげずに手がかりののピンク色とタイプライターをチェックするのだが、
謎は解決される気配がない。
だが…どうしても気になるのは息子の存在。

登場する5人の女性それぞれのキャラが
それぞれの女優さんのこれまでのイメージと違っていて楽しめる!
・ピンクのスーツの出て行った恋人シェリー(ジュリー・デルピー
・ピンクのバスローブがお似合いの娘ロリータと二人暮らしのローラ(シャロン・ストーン
・ピンクの名刺を差し出す夫婦で不動産成金となったドーラ(フランセス・コンロイ
・ピンクのパンツでバリバリ動物と会話する?カルメン(ジェシカ・ラング
・ピンクのタイプライターが庭にあったライダースのペニー(ティルダ・スウィントン
まさかあの黒髪の女性が雪の女王だったなんて!!!
息子疑惑の青年はどこかで観たと思ったら
「ストーリー・テリング」に出ていたマーク・ウェバー
カルメンのアシスタントのちょっとセクシーなお姉ちゃんはクロエ・セヴィニー
そして何よりビル・マーレイ!!!!!
更に個人的にはジェフリー・ライトの図々しさもツボ。
彼らのすっとぼけた演技無くしてはカンヌで評価はされなかったであろう、
このキャステングの絶妙さたるや…ジム・ジャームッシュの手腕。

そして…感動的な結末は無い、あの肩すかし感。
よくも悪くも「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のままというか…
ピンクへの徹底したこだわりや「ブロークン・フラワーズ」とは粋なタイトルもいい。
でも、人生の間に軽妙に優しさを吹き込んでくれて、
自分というものを見つめ直させてくれる、そんな作品だ。

ところで、「エリザベス・タウン」といい、
車の旅のプランニングやBGMを作るのって流行なのかな?
 

B000I8O8Y8ブロークンフラワーズ
ジム・ジャームッシュ ビル・マーレイ ジェフリー・ライト
レントラックジャパン 2006-11-24

by G-Tools

映画「ブロークン・フラワーズ」オリジナル・サウンドトラック
サントラ ザ・グリーンホーンズ・ウィズ・ホリー・ゴライトリー ムラトゥ・アスタトゥケ
B000EMH89U

 

B000I0RDOSジム・ジャームッシュ / アーリー・コレクションDVD-BOX (初回限定生産)
ジム・ジャームッシュ クリス・パーカー リーラ・ガスティル
キングレコード 2006-11-22

by G-Tools
待ってましたっ!ジム・ジャームッシュ監督の初期代表3作DVDがBOXで再発売! 「パーマネント・バケーション」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」を収録。BOXには「ダウン・バイ・ロー特典ディスク」つき

ジム・ジャームッシュ作品集 DVD-BOX 1989-1999
ジム・ジャームッシュ 工藤夕貴 ジョー・ストラマー
B0007IMMTM

こちらは中期の4作品のDVD-BOX。
「ミステリートレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」「デッドマン」「ゴースト・ドッグ」を収録。スリムケースでコンパクト。ポストカードセット付。

ジム・ジャームッシュ
4924609757
結構充実していて重宝している2000年発行の書籍。「パーマネント・バケーション」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
「ダウン・バイ・ロー」のシナリオも掲載されている。

ジム・ジャームッシュ
遠山 純生
4872951034

2006年5月に発売されたジム・ジャームッシュ本。
『パーマネント・バケーション』から『ブロークン・フラワーズ』まで、ジム・ジャームッシュ監督の作品紹介、監督のインタビュー&コメント、彼をとりまく人々のコメントが、濃厚かつコンパクトにまとめられている。
懐かし〜いあのシーン、このシーンなどの写真もふんだんで、本の厚さに対しては、意外と読み応え有!
 

「ブロークン・フラワーズ」オフィシャルサイト

■ 映画「コーヒー&シガレッツ」レビュー
■ ジム・ジャームッシュ監督の愛すべき作品達

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May 28, 2005

「コーヒー&シガレッツ」

[劇場映画]★★★★★

やっと観れた&お久しぶりっ!
ジム・ジャームッシュ監督が1986年から撮り始めたモノクロの短編作品、
コーヒー&シガレッツが18年後にやっと1本の映画として完成!!

そもそもはテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のために撮った
「コーヒー&シガレッツ〈『変な出会い』〉」。
これが、数々の映画祭でも上映される事となり、この長編への構想が出来たそう。
「コーヒー&シガレッツ2:メンフィス編〈『双子』〉」(1989)
「コーヒー&シガレッツ3:カリフォルニアのどこかで」(1992)
この2本も映画祭での評価を受け、
そのあと1993年に2本、とんで2003年に6本と
長い年月をかけて綴られた11編97分からなるオムニバス作品。
これだけ並ぶと圧巻だ!!

たしか最初の3作はジムのパートナーであるサラ・ドライバー
豚が飛ぶとき」の公開時に同時上映されていたと思う。
俳優はジム・ジャームッシュ御用達のロベルト・ベニーニスティーブ・ブシェミ
トム・ウェイツホワイト・ストライプスイギー・ポップ
GZARZAなどのミュージシャン、
ケイト・ブランシェットビル・マーレイらの大メジャーな俳優まで様々。
シネセゾン渋谷で4/2から公開されていたのだが、
レイトショーになってやっと観る事が出来た。
結構人も入っていて驚く。カフェとのコラボがイマっぽい。

コーヒーとタバコとちょっと微妙な距離のある人間達の会話。
これが独特のテンポと音楽に乗り、実に軽妙なリズムで淡々と進む。
ちょっとした間合や何気ないしぐさ、本人が演じる本人のエピソードなどが
観客をくすぐりまくる。

オープニングはノリノリのナンバー、リチャード・ベリーの『ルイ・ルイ』♪

『変な出会い』1986
(ロベルト・ベニーニ/スティーヴン・ライト)
とあるカフェで待ち合わせたテンションの違う居心地悪そうな二人。
変てこなオチと、ずらっと並んだコーヒーカップが印象的。

『双子』1989
(ジョイ・リー/サンキ・リー/スティーヴ・ブシェミ)
「ミステリー・トレイン」を彷佛させるプレスリーネタと、
双児の相反しながらシンクロした演技がさすが姉弟。

『カリフォルニアのどこかで』1992
(イギー・ポップ/トム・ウェイツ)
音楽性の違う二人の有難迷惑なひたすらズレまくった会話が絶妙。
何だかんだと禁煙を破って意気投合と思えば、ドラムのネタでまた離れ、
お互いジュークボックスに曲が入っているか確認している部分には爆笑。

『それは命取り』2003
(ジョー・リガーノ/ヴィニー・ヴェラ/ヴィニー・ヴェラ・Jr)
タバコは毒だと言いつつ、コーヒーを飲みまくる友人。
子供が食べている高価な『豆』が日本製…これはヘルシーという意味か?

『ルネ』1993
(ルネ・フレンチ/E・J・ロドリゲス)
砂糖の量にこだわり飲んでいる、謎の美女ルネと、
興味しんしんなボーイの会話が典型的なコメディ。
だが、ルネの読んでいる雑誌が超ハード!

『問題なし』1993
(アレックス・デスカス/イザック・ド・バンコレ)
意外と有りがちなのでは?
久し振りに会いたくなり電話で呼び出したものの特に話す事も無く順調。
それが本当か妙な気をまわす友人が空気を読めずに空回り。

『いとこ同士』2003
(ケイト・ブランシェット)
高級ホテルでの成功した女優と、そうではない、いとこの会話。
ちらほら毒を吐くいとこに、引きつりながらもさりげなくあしらい、
笑顔を絶やさないケイト!この両方、さすが女優の演技!!

『ジャック、メグにテスラコイルを見せる』2003
(メグ・ホワイト/ジャック・ホワイト)
ストライプスの二人が出演。
オタク青年が共鳴体の実験のためテスラコイルを自慢げに見せるが…
どうやら彼女のほうが上手のよう。

『いとこ同士?』2003
(アルフレッド・モリナ/スティーヴ・クーガン)
ただのファンなのか本当に親戚なのか、緻密な家系図を持って来た
初めて会う俳優同士の牽制しあい、利用しあう姿が絶妙。

『幻覚』2003
(GZA/RZA/ビル・マーレイ)
健康に気遣い紅茶を注文する、クラブで活躍するミュージシャン達と、
お忍びで?カフェで働くビル・マーレイの素頓狂な会話!!!

『シャンパン』2003
(ビル・ライス/テイラー・ミード)
仕事の合間に人生に紙コップでのコーヒーをシャンパンに見立てて乾杯!
切なくもユーモラスな素敵なご老俳優達。

そして…エンディングはイギー・ポップの『ルイ・ルイ』♪
こちらはイギーちゃんらしいハードな音。

エンドロールのジョー・ストラマーへのクレジットが泣ける。
ちなみに各シークェンスごとに流れる音楽もファンク、スカを中心に、
もちろんザ・ストゥージズやトム・ウェイツのナンバーも含め、
ムーディーなメロディまで主張し過ぎず程よく流れ、
モノクロ画面のスクリーンにしっくりくる。

全編とりとめもないバラバラの会話と音楽なのだが、
“タバコとコーヒーは最高のコンビ”“カフェインは体に悪い”
“地球はひとつの共鳴体”“コーヒーとタバコが昼食?”
などと、
それとなく、各エピソードを上手くつなげている辺り、
さすがジム・ジャームッシュ!!!
カフェでコーヒーを飲みながら、タバコの煙くゆらし、
知っている人、知らない人と語り合い過ごすひととき。
微妙な間柄の登場人物達の、ちょっと気まずい時間達。
こういうちょっとしたシチュエーションをユーモアに描くのがとにかく上手い!
11本の“気まずさ”を大いに楽しんだ。

ちなみに各地で公開され(て)いるようなので、
気になる方はゼヒお早めに!!
 
 
2005/9/9発売決定!
国内版DVD 
コーヒー & シガレッツ
(初回限定生産スペシャル・パッケージ版)

B0009YGWOU

国内版サントラ
コーヒー&シガレッツ
サントラ
B0007OE3Q6

 
輸入版ビデオ
Coffee & Cigarettes / (B&W Slip)
COFFEE & CIGARETTES / (B&W SLIP)
B0002I83YU

輸入版サントラ
Coffee and Cigarettes
Original Soundtrack
B0001XAO7U

 
 

最近発売されたジム・ジャームッシュの作品集DVD-BOX(限定生産)
ジム・ジャームッシュ作品集 DVD-BOX 1989-1999
工藤夕貴 ジム・ジャームッシュ ジョー・ストラマー
B0007IMMTM

*「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット
 「デッドマン」「ゴースト・ドッグ」1989-1999制作の4本が収録。
 スリムでおしゃれなケース入り。ポストカード付。

ちなみに、これ以前の作品
パーマネント・バケーション
ストレンジャー・ザン・パラダイス
ダウン・バイ・ロー」のDVDは現在入手が難しい。
 何度も観過ぎてビデオが伸びたので、この機会にゼヒDVD、再発売を望む!

結構充実していて重宝している2000年発行の書籍。
ジム・ジャームッシュ
4924609757
*「パーマネント・バケーション」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
 「ダウン・バイ・ロー」のシナリオも掲載されている。
 

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