30 posts categorized "●サスペンス系"

August 02, 2008

「屋敷女」

[劇場映画]★★★★☆

“この女凶暴につき”というコピーがぴったり。
とにかくベアトリス・ダル演じる謎の女が怖い怖い…
壊れゆく女を演じさせるとおフランスいち?
齢を重ね増々パワフルになったかも…
めずらしく妙にリアルなおフランスのユーロ・ホラー。
ちなみに主演のアリソン・パラディは
あのヴァネッサ・パラディの妹で何とコレがデビュー作!!!

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「屋敷女」
原題:A l'interieur

製作国:フランス(2007)
監督:ジュリアン・モーリー/アレクサンドル・バスティロ
製作:ヴェラーヌ・フレディアニ/フランク・リビエール
脚本:アレクサンドル・バスティロ
撮影:ローラン・バレ
音楽:フランソワ・ウード

出演:
ベアトリス・ダル(見知らぬ女)
アリソン・パラディ(サラ)
ナタリー・ルーセル (サラの母親ルイーズ)
フランソワーズ=レジス・マルシャソン
ニコラ・デュヴォシェル
リュドヴィック・ベルティロ
エマン・サイディ
エマニュエル・レンツィ(警官)

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クリスマス・イブの夜
4ヵ月前に事故で夫を亡くしたフォト・ジャーナリストのサラは
明日いよいよ出産という臨月の妊婦。
母や現在の恋人のジャン=ピエールには一人で過ごすと言い
愛していた夫、お腹の子の父である亡きマチューを想い
愛猫と共に静かに過ごしていたのだが…
見知らぬ女が電話を貸してほしいとやってきた…


予告編がインパクト有りすぎたのと、
ベアトリス・ダルにそそられて、つい観てしまったのですが…(汗)
予想を上回るエグさに思わず痛くて直視出来なかった所も…
うへぇ、真っ赤なタイトルバックどおりに
狂暴ダルちゃん登場してからは、血の海!
まぁ、画面が暗くてくっきりはっきり見えなかったのが幸いかも。

ストーリー的にはある程度想像はついたものの、
もう後味の悪いこと悪いこと(笑)
ただでさえ少ないお客がますますシーン…としていましたね。
やっぱりダルちゃんは強烈に恐かった…

主人公の出産を明日にひかえた臨月の妊婦サラ(アリソン・パラディ)
にはもちろん人生最悪な夜だけど、
巻き込まれた人達もとにかく悲惨極まりない…
理由の解らぬ者に殺されるかもしれない恐怖とともに、
この女の強さたるや!
その一途な想いで、目的を果たすべく、
ターミネーターかゾンビの如く躊躇いもなく襲いますから…
そう、悪気が無いだけにタチが悪いタイプの犯罪者。
こいつと戦うのにはまず精神力で勝らねば無理!
破水しながら最後まで闘いぬいたサラは
生まれて来る子を守ろうとするその気力で様々な激痛に耐えつつ、
敵を追い詰めるまで至ったのかも。

しかしながら、救いのないこの映画で
何より印象深かったのが胎児の表情の描き方。
胎児も悲鳴を上げるんです…(泣)
登場する優しい男達をためらいもなく排除する女。
母になりたい女の念は想像を絶するパワーをも産む…

このような事は起きてはいけない、起こしてもいけない。
生まれて来る子供に罪は無いんですから
ちゃんと母の胸に抱かせてあげて下さい。
彼らの幸せのために…ね。

→「屋敷女」オフィシャルサイト

B001FLUIQO屋敷女 アンレイテッド版
ベアトリス・ダル, アリソン・パラディ, ナタリー・ルーセル, ジュリアン・モーリー
キングレコード 2009-01-07

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July 20, 2007

「鳥」

[DVD映画]★★★★★

サスペンス&ホラーの巨匠ヒッチコックの傑作は
何年経っても素晴らしい!!!
わけのわからない怖さ…
人間の心理をズボッと刺激する手法は凄い。

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「鳥」

製作国:アメリカ(1963)
監督・製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ダフネ・デュ・モーリア
脚本:エヴァン・ハンター
音楽:バーナード・ハーマン

出演:
ティッピー・ヘドレン
ロッド・テイラー
スザンヌ・プレシェット
ジェシカ・タンディ
ヴェロニカ・カートライト
ドリーン・ラング
エリザベス・ウィルソン

____________
 
何度観ても怖いのなんの…
ゾンビものに通じる、いや以上かも。
サスペンス映画の巨匠ヒッチコックの描く
恐怖映画のバイブルともいえる傑作。

子供の頃から(親がヒッチコック好きだったので)
何度もコレを観て少々トラウマ気味で
カラスにも馬鹿にされないよう
日常生活でも細心の注意を払っているワタシだが(笑)
久しぶりに観てもやっぱりゾゾッとしますね。

もちろん古いカラー作品。
鳥さんは合成だってバリバリ解る画面ですが
そんな事以上に、大量の鳥がキーキー啼きながら人間を襲い
家の窓はもちろん、扉ですらも命がけで突き破ってくるんです…
窓に目張りをして家具でおさえて
家の真ん中で静かに隠れる主人公達…
それでもどんどん体当たりし、少しでも身を出そうものなら
血が出るまで攻撃してくるあたり
ゾンビのお約束のシチュにかなり近い。

そして一番怖いのは、何となくラジオで流れてくる情報はあるものの
『理由が解らず,群れて集団で襲って来るトコロ』
鳥の襲ってくる周期が解っても、
根本が解決されないのだから救いが無い。
車で逃げ出す者達をざまみろと言わんばかりに見送るヤツら…
自然の力に人間は屈するしかないのだ…

鳥
ロッド・テイラー ジェシカ・ダンディ ティッピ・ヘドレン

裏窓 ハリーの災難 めまい フレンジー ロープ

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September 12, 2006

「ナイロビの蜂」

[DVD映画]★★★★☆

蜂ってそういう事だったのだ…なかなか洒落た邦題だ。
アフリカ大陸でのエイズ問題の陰にある人権に関わる陰謀と夫婦愛。
サスペンスタッチで描かれているのでどんどん引き込まれた。

原題は「THE CONSTANT GARDENER」
残酷な現実と悲しい結末。
美しいアフリカの大地と人々と音楽、それと裏腹の極度の貧困。
強く深い夫婦愛。人間の命の尊さ。
これらがフラッシュバックが多用された映像となり、
サスペンスタッチで緊迫感をあおり、
心になだれのように流れ込んでくる期待以上の作品だった。

原作はジョン・ル・カレの同名ベスト・セラー「ナイロビの蜂」。
監督は「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス
この作品でレイチェル・ワイズは2005年アカデミー助演女優賞を獲得した、
イギリス映画ナイロビの蜂
アルベルト・イグレシアスの紡ぎ出す民族的な音楽も非常に印象深い。

* * * * * * * * * * * * * * * *

エキゾチックな美しさのある奔放で激しい気性、生まれながらの革命娘であり
慈善活動をしているテッサ(レイチェル・ワイズ)、
常に平常心を忘れないジェントルマン、
庭いじりの好きな英国の外交官ジャスティン(レイフ・ファインズ)。
この夫婦は夫ジャスティンの転勤でナイロビへやってきたのだ。

「じゃ、二日後に」
 
彼らが軽く抱き合い別れ、次に出会ったのは…
なんと遠く離れた土地の死体置き場だった。
いわくの多い妻テッサの死を探るうちに明らかになったのは、
人間の尊厳に関わる恐ろしい事実。

妻の死、怪しい交友関係、“スリー・ビー”の謎。
じわじわと明らかになる惨い真実と
妻のどこまでも真っすぐな正義感と愛情。
冷静沈着なジャスティンだったが、
どんどん妻の意思を継ぐかのように、
身の危険を顧みず謎に立ち向かってゆく。
観ている者は、それに呼応するように
アフリカの過酷な現実におののきながら、
どんどんこの物語のエピソードの洪水に溺れ、
その流れに吸い込まれる…。

こんな惨く悲しい出来事が許されて良いはずではない。
憤りと共に、無力で無関心だった自分が悲しくなる。
そして、ジャスティンの
 
「テッサが家だった」
 
この一言にじ〜んときてしまった。
ジャスティンに信頼され愛された正直すぎるテッサ。
そのテッサもジャスティンを信頼し自分流に愛を貫き、
夫もその愛を受け入れ、妻と同化するかのように突き進む。
なんて夫婦愛なのだろうか!
劇的な二人の出会いから、あまりにもあっけない別れ。
短い間だったが二人は幸せなのかもしれない。
お互い帰る家を見つけたのだから…。


ちなみにこれを観に行ったのはメンズデー!
実はおじ様達に囲まれて観る事となった!!
エンドロールが流れると鼻水をすする音が…
男の方もじ〜んとされたのかしら?
しかしながらこのメンズデーっつ〜のもいいですね〜!!!
最近お小遣いの少ないお父さん達や給料の少ないヤング達の強い味方かも。
どんどん映画館もコレを採用してあげて欲しいなぁ。


B000HEZ4BYナイロビの蜂
ジョン・ル・カレ ジェフリー・ケイン フェルナンド・メイレレス
日活 2006-11-10

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「ナイロビの蜂」オリジナル・サウンドトラック
サントラ ロンドン・セッション・オーケストラ アユブ・オガダ
B000EZ87TM
ナイロビの蜂 オリジナル・サウンドトラック【送料無料】

ナイロビの蜂〈上〉
ジョン ル・カレ John Le Carr´e 加賀山 卓朗
4087604500

ナイロビの蜂〈下〉
ジョン ル・カレ John Le Carr´e 加賀山 卓朗
4087604519


「ナイロビの蜂」オフィシャル・サイト

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September 09, 2006

「オープン・ウォーター」

[DVD映画]★★★☆☆

うわ〜いやだ〜!!こんな状況!!!
海のまん中に放っておかれ、気づかれないなんて!!!
しかもサメがうようよ…。

 
さすがサンダンス映画祭!
粗削りながら勢いのある作品が出て来るのはココ。
この作品もその一つだ。
監督はクリス・ケンティス
2004年アメリカで制作された単純ながらも
とにかく海の上でのイヤ〜なシチュエーションを描いた
ゾッとして虚しい気分になる作品オープン・ウォーター
これ観たらしばらくマリン・スポーツは出来なくなるな…。
 
忙しい二人ダニエル(ブランチャード・ライアン)とスーザン(ダニエル・トラヴィス)が
やっととった休暇でのダイビング・ツアー。
カリブの安全とされる海域での、
いい加減でゆるゆるなダイビングツアー。
忘れものをしたおっさんのせいで、
参加者の人数を数え間違えられ、
水深18M、約35分のダイビングのはずが、
終わりのみえない2人きりのツアーになってしまった!
そう、2人は海に置いてけぼり…

まさか…と、基本に忠実にその場に動かずいたのだが、
通りがかりの船にも気づいてもらえず、
(気づかれていないのだから)助けも来ず、
どんどん沖へと流されてゆく…。
クラゲやサメに襲われながら、果たして彼らはどうなる????
 
* * * * * * * * * * * * * * * *
 
朝9時45分の入水からほぼまる一日を描いている、
放っていったクルーや乗客ののんびり感とカリブな音楽、
残された二人の危機迫る状況、この対比が非常に恐ろしい。
粗っぽい映像が逆にリアル。

最初は希望もあったが、どんどん状況は悪化。
海のまん中で叫べど狂えど痴話喧嘩しても誰にも聞こえない。
ダンナはダイビング雑誌の仕事をしているにも関わらず、
皮肉にもこんな悲惨な運命となる。

命を救ったはずのキャンディ。
そこへまさかの襲撃。
生きたままサメのエサになる………そりゃいやだ。
それを回避するために彼女は…
やっと彼らの存在に気づいて大捜索が始まった時には…
あああああぁ!!!!!!!
とにかくズンと重い気分になる。

オチのカメラ…そういえばフリがあった。
全てでは無いが、実話というのが実にセツない。
これ観たあとは、しばらく海には行けそうもない…
と思ったくせに海釣りに行ってしまった(爆)。
午後空が暗〜くなってきた時は
「オープン・ウォーター」の海そっくりで
さすがに一秒でも早く陸に戻りたかったなぁ。

オープン・ウォーター
クリス・ケンティス ブランチャード・ライアン ダニエル・トラヴィス
B000FIKF16

「オープン・ウォーター」オフィシャル・サイト

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April 11, 2006

「ソウ2」

[DVD映画]★★★☆☆

なかなか面白いと評判だったので、期待大!
「ソウ SAW」の続編としては及第点!!!
ジグソウのクールな眼差しと相変わらずの痛〜いゲームにはもうクラクラ…。
しょっぱなからアタタタタ…もう痛すぎ!!

前作の監督・脚本を担当したオーストラリアの若い二人、
ジェームズ・ワンとリー・ワネルは今回は製作総指揮に。
監督はダーレン・リン・バウズマン。
2005年アメリカで制作されたシチュエーション・スリラー「ソウ」の続編!!
ちなみに今回も、ほとんどスタジオとその近辺でのロケのみだったという、
やはり低予算で制作されたらしい「< stong>ソウ2」。

マイケル(ノーム・ジェンキンス)が目覚めると、
暗いビルの一室に監禁されている事に気付く。
しかも頭と体にはとんでもない“器具”が取り付けられており、
身動きがとれない。
目の前に映し出されたモニターには怪しいヒ人影と眠っている自分の姿。
そう、ジグソウのゲームがまた開始されたのだ。

元刑事で今は警察に内勤のエリック・マシューズ(ドニー・ウォールバーグ)は、
鑑別所にいた息子ダニエル(エリック・ナドセン)を引き取りに行った。
心とは裏腹に巧く接することが出来ない。
そんな彼に、元同僚の女刑事ケリー(ディナ・メイヤ)から連絡が入る。
彼の知人のマイケルが殺されたというのだ。
しかも、エリックの名前が名指しで現場にあるという…
ジグソウ(トビン・ベル)に挑戦状を突きつけられたエリック達は、
ついに彼のアジトを見つけ、あっさりジグソウ逮捕となったのだが、
そこにあるモニターには捕われた8人の人物…
その中には…そう、エリックの息子のダニエルの姿があったのだ!
新たなジグソウのゲームがまた始まっていた!!!
8人は2時間以内にゲームに勝ち抜き、
解毒剤入りの注射器を手に入れなければ、
毒ガスによって命を落とすという。
さて…彼らとエリック、そして末期ガンのジグソウのゲームの結末は???

監禁された8人は…
・まだ若いティーンエイジャーのダニエル。
・これまで唯一ジグソウとのゲームに勝ち生き残った女性
 アマンダ(ショウニー・スミス)
・腕力だけは強いマッチョマンのサヴィエル(フランキー・G)
・クールでタフな中に優しさを持つ黒人男性のジョナス(グレン・プラマー)
・セクシーで孤高なジャンキー・レディ、
 アディソン(エマニュエル・ヴォージア)
・精神的に弱くやたら隅っこで叫ぶローラ(ビヴァリー・ミッチェル)
・パーカーのフードを深くかぶったヤクの売人オビ(ティム・バード)
・油ギッシュなファットなおやじガス(トニー・ナッポ)
彼らの共通点がゲームの大きな鍵。

「ソウ」の、あの最後まで悩まされる緻密さに比べると、
かなり読める展開で、ストーリーが今ひとつなのと、
登場人物と場面展開が多くて感情移入しにくいので、
精神的にというよりも見た目に痛い…。
しかしながら勢いと残酷度は、見事にパワーアップ!!!

痛々しいマイケルくんの目。
銃で撃たれ、
焼却炉で燃やされ、
神経ガスでやられ、
注射器にまみれ、
手首をザクザク…etc

しかも今回は、非常に病人っぽいジグソウの素顔…
あの冷た〜い視線を嫌というほど拝むはめになる。
新たにこれまでの経緯も明らかにはなるのだが、
今回も、非常に自分勝手な理由だ。

ヒントが今回はどんどん出てきて、途中で予想が確信に近づくので、
最後の衝撃は前作より少ないかも。
結局解明されない謎解きにごまかされてしまうけど、
やはり“ルールに忠実”なジグソウなのだ。
「なるほど〜、やっぱりね〜」と、思わず唸るが、
途中で放り出された伏線と謎、更に続く…そんな感を出し過ぎで、
ラストは何だかモヤモヤと後味悪い。
 
とはいえそれなりには楽しめ、B級テイスト満点!
続編としては及第点はとれているだろう。
拷問的に痛い仕掛けはさすがジグソウ!!
そう…ヤツは“自ら手を下さず最前列で鑑賞するのを好む”!
 
[特典]
・監督らによるオーディオ・コメンタリー
・予告編

ソウ2 DTSエディション
ドニー・ウォールバーグ ダーレン・リン・バウズマン ショウニー・スミス
B000DZI63U

ソウ&ソウ2 ツインパック (初回限定生産)
ケアリー・エルウェズ ジェームズ・ワン ダニー・グローヴァー
B000DZI644

「ソウ2」オフィシャルサイト
 
■映画「ソウSAW」レビュー

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January 22, 2006

「バタフライ・エフェクト」

[DVD映画]★★★★☆

記憶系の作品かと思ったらタイム・トラベルものだった!
少々荒っぽいけれど、全く先が読めないので最後まで楽しめる作品。
君は一体何処まで戻り続けるんだ!!!!!

愛する人のために過去を変えようとする、
ある特異体質の青年を描いたサスペンス・ドラマ。
脚本・監督はエリック・ブレス&J.マッキー・グラバーの二人。
緻密に仕組まれたストーリーはざっくりしているがなかなかのもの。
スピーディーで、アッと驚く展開と
過去に戻り続ける主人公の行動からは目が離せない!
2003年アメリカ制作の作品「バタフライ・エフェクト」。

以下がっちり、ネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

* * * * * * * * * * * * * * * *

冒頭の緊迫感からして上手い!
次はどうなるのか…最初から最後までドキドキしどおしだった!!

誰かに追われながら必死でメモを書く男。

「もし誰かがこれを見つけたら、それはぼくの計画が失敗した証拠。
 その時ぼくは死んでいる。でももし最初に戻れたら…
 その時はきっと彼女を救えるだろう         エヴァン」

その13年前、エヴァン7歳。
ショッキングな出来事を体験すると?ポッカリとその間の記憶喪失を起こす事が発覚。
エヴァンが自身の知らない間に書いた残忍な絵を先生に指摘された
母アンンドレア(メローラ・ウォルターズ)が彼を心配して病院へ。
その時からエヴァンは治療として日記をつけ始めた。
友達のトミーとケイリー兄妹の家で遊んでいる時。
そして…精神病を患う父親に面会している時。
やはり部分的に記憶が無い…。

その6年後、エヴァン13歳。
成長した悪ガキのトミー、可愛いケイリー、おデブ君のレニーと
爆弾で火遊びをしていたつもりが、大事故になってしまった時。
映画「セブン」を観て映画館でケイリーにキスした事から
エヴァンの愛犬クロケットが悪戯されて死んでしまった時。
やはり肝心な部分の記憶が無い…。
この事故が元でエヴァンは遠くに引越す事になってしまう。
引越トラックの窓から愛しいケイリーへ見せたメモには
「君を迎えに来る」と書いてあった。

その7年後、エヴァン20歳(アシュトン・カッチャー)。
優秀な大学生で記憶の研究をしている彼は、ルームメイトと
7年間記憶喪失が無かったと祝っていた。
ガールフレンドと7歳からずっとつけていた懐かしい日記を読みはじめたところ、
ある部分を読んだ時、日記の文字が揺れはじめ…周りの景色が変化しはじめた。
そう、愛犬クロケットの事件の場面にタイムスリップしてしまったようだ。
そして自分の失った記憶が鮮明に甦りはじめた…というかまるでその場に居た???
スリップした時と同じように急激なショックにより
また現在に戻ってきたエヴァンの鼻からは大量の鼻血が…
だが、自分の失った記憶の一部の復活に興奮が隠せない!!!
そして幼なじみの彼らに会い、記憶の抜けた部分の話しを聞き出そうと、
久々に故郷に帰るのだが…
そこで目にしたのは…自分とは違った厳しい現実だった。
プラモデル作りをして自宅に引きこもるレニー(エルデン・ヘンソン)、
セクハラを受けているウェイトレスのケリー(エイミー・スマート)、
刑務所帰りで修理工としているトミー(ウィリアム・リー・スコット)の噂…。
エヴァンとの再会に喜ぶケリーに、
例の事件やおぼろげな記憶について聞き出そうとすると、
彼女は顔を曇らせ、怒って帰ってしまった。
そう、彼女は約束通りにエヴァンが自分を迎えに来てくれたと思ったのだ…
それに気づかず、自分の失った記憶に夢中なエヴァンに失望し
幼い頃からの小さな希望を失った彼女は、何と絶望のあまり自殺してしまう。
それをトミーの電話で知り、決して忘れたわけでは無い約束への後悔の念と
すぐそこまで怒ってやって来ているトミーに殺される…
と生命の危機に瀕したエヴァンは、
“彼女を救いたい”という一心で、過去を変えてみようと決心した。

そして7歳の時のトミーとケイリーの父親ジョージ(エリック・ストルツ)との
映画ごっこの場面にタイムスリップ!
幼い子供に酷い要求をするケイリーの父親を罵倒した結果、実験成功???
再び目覚めるとベッドの隣にはケイリーが…。何とラブラブ状態♪
エヴァン自身も大学で優秀な大学生のようで彼のクラブまであるようだ。
クラブあげてケイリーとのロマンチックな夜を演出している所に、
相変わらずの乱暴者のトミーが、エヴァンを殺すべく乱入!
恐怖と憎しみから逆にトミーを殺してしまう!!
そして極悪人揃いのアメリカの刑務所にてつら〜いムショの洗礼を受け、
こんなトコロでやってられるか!
と同じ房の信心深い青年を味方にするため、小学校で書いた絵の場面へ。
そこで…自分の手を傷付け、またムショにリターン。
すると例の鼻血と共にキリストのような傷跡が掌に…。
すっかり信じた青年と共謀し、この現実から逃れ新たな人生を目指すために
再び過去へとタイムスリップ!
エヴァンとケイリー、その家族や友人達は
次の人生で果たして幸福になれるのか???

 

一瞬自身も何が起きたのか戸惑ってしまう!
幼い頃のスッポリぬける記憶の状態。
揺れる文字から周りが変化し一気に過去へと戻り目にする衝撃的なシーン。
何度も目まぐるしく流れるエヴァンの記憶の渦。
そして猛烈なスピードで思わぬ方向へ再構築される新たな人生。
エヴァンの目を通して観客も彼の意志による些細な変化から
周囲もろとも大きく変化する彼の人生を何度も経験する事になる。

“バタフライ・エフェクト”とは
「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」
=初期のごく小さな差違が、将来的に予測不能な大きな違いを生じる、
というカオス理論をテーマに、人間なら誰もが考える、
「あの時にこうしておけば!過去に戻ってやり直せたら!!」
こんな願いの結末を、これでもか、これでもか、とくり返し見せつける。

エヴァンは自分の失った記憶の時点限定で
自分の書いた日記や記録を“見る”事により過去へ戻れる能力を持っている。
逆に記憶の無いのは、未来の自分がそこ行動しているからでもあり…
この記憶を失った部分にのみ過去に戻れるというアイデアはなかなか面白い。
しかも、そこで新たに行った行為は極端に周囲にまで反映され、
全く違った世界が再構築されるのだ。
エヴァンがこれまでの全ての人生の記憶とを持っているのがミソ。
「失敗しても再チャレンジ!!」とばかり、
失った記憶を取り戻したい気持ちも手伝って、
その能力を駆使して何度も何度も過去を変えるハメになる。

エヴァンの父の言葉。
「この能力は他人の人格を変えてしまう、神のまねをしてはいけない。」
しかしエヴァンは、
愛するケイリーの命を救うため、
自分や家族の幸せを実現させるため、
鼻血を出しながら、脳を傷付けながら、何度も日記を見て過去に戻る。
だが、彼が過去に戻って、善かれと思って行った以前とは違った小さな事が、
周囲にとてつもない影響を及ぼし、それは必ずと言っていい程、
最初よりもより悪いほうへ、特に自分へと影響を及ぼしてゆく…。
まるで、幸せの量は一定なんだよ…と言わんばかりに、
人の人生までをも変えてしまう“過去を変える”という
神の領域に手を出してしまった彼に対する仕打ちなのか?。
結果的にケイリーと結ばれる幸せを犠牲にする事によって、
その他の幸福を手にしたのだろうか…。
あのラストシーンは運命的でもあり、
新たなる恋と人生の始まりを臭わせてもいて結構好き♪。


[特典映像]
別エンディングは必要無し。観なきゃ良かった。興醒め。
監督達も、これは無い!と思ったものは入れないで!!!
 
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
アシュトン・カッチャー エリック・ブレス J・マッキー・グラバー
B000AM6R00


「バタフライ・エフェクト」オフィシャル・サイト
 

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January 12, 2006

「エターナル・サンシャイン」

[DVD映画]★★★★☆
 
記憶を消してしまいたいほどの恋って???
実に不思議なラブ・ストリー。
豪華なキャストながら、役者さん達が演技の新境地を見せていた。
特にジム・キャリーとケイト・ウィンスレットは、
これまでにないキャラクターでは???

ヒューマンネイチュア」のコンビで、
脚本チャーリー・カウフマン、監督ミシェル・ゴンドリー
記憶を消したカップルと、その記憶を描いた、
風変わりっだけれど、実に古典的で切ないラブ・ストーリー。
2004年制作のアメリカの作品「エターナル・サンシャイン」。

ヴァレンタインデーを前に、独り寂しく帰宅したジョエル(ジム・キャリー)。
最近喧嘩して別れてしまったクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)に
会いに職場の本屋に行ったのだが、彼女は自分の事をすっかり忘れて、
新しいボーイフレンドがいた事にショックを受けていた。
だが、実は彼女は特定の記憶を消す仕事を請け負うラクーナ社に
彼の記憶を消去する依頼をしていたのだった…。
ポストの中にそれを知らせる手紙を発見したジョエルは、
彼もクレメンタインの記憶を消す事を決意!
彼女との想い出の品々を集めてラクーナ社へ!!
一晩で彼女の記憶をリセットし、新たに出直すために…

以下がっちりネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

* * * * * * * * * * * * * * * *

“○○はあなたの記憶を全て消し去りました。
 今後、○○の過去について絶対触れないようにお願いします。
                       ラクーナ社”

突然ポストにこんな手紙が入っていたら?
恋人や家族でなくても誰もがまず信じないであろう。
実際記憶を無くしていたら、どんなに悲しく寂しい思いをするだろう?
だからまだ彼女を愛しているのに、そんな現実に耐えられず、
ジョエル自身も記憶を消そうとするのだが、
その作業中に眠りながら夢の中で記憶を辿るうちに、
忘れたくない彼女との幸せで美しい数々のエピソードを思い出し、
ドクター・ハワード(トム・ウィルキンソン)に伝えていない、
古い記憶の中へ隠れようとする。
だが、どんなに「やめてくれ!」と叫んでも、あとのまつり。
しかも新しいボーイフレンドはラクーナ社のパトリック(イライジャ・ウッド)?
いてもたってもいられないジョエルなのだ!

しかもあんないい加減な作業で、
そんな簡単に都合良く“二日酔い程度”のリスクで
特定の記憶…忘れたい記憶だけを消す事が出来たら?
もしくは、忘れたくないのに忘れさせられてしまったら?
確かに便利そうだが、実は無意味だったりするのでは。
病気や事故なんかで記憶を失うのとはわけが違う。

この二人もやはり記憶を消しても振り出しに戻り、また同じ事をくり返す。
やっぱり出会うと惹かれ合ってしまう所がちょっと運命的。
だが、自分の無くした過去を知ったからこそ、
最後にやはり“イエス”と言えたのだと思う。
それにしても、まさか…あの人まで記憶を消していたなんて!!!。
こればっかりは気づかなかった!この人も同じ事をくり返しでいたし、
あの、ラクーナ医院で飼い犬を忘れようとしたご婦人も、
きっとまた犬を飼ってしまったような気がするなぁ。
自分の過去の行動にはある程度責任を持って、
つらい事でも受け入れ乗り越えるのが、学習であり人生の醍醐味。
愛情は深く心は広くなるというものだ。

ところでジム・キャリーってこんなに素敵だっけ?
生真面目な面白くない普通の男、いい人ジョエルを好演。
青だの赤だのグリーンだの髪の色がコロコロ変わる自由奔放なハデハデ姉さん、
気分次第でストレートに発言し行動するクレメンタインを演じる、
ケイト・ウィンスレットも若く見えてキュート。
不倫の受付嬢メアリー(キルステン・ダンスト)もこういう役にはぴったり。
個人的にはドクターがの右腕スタン(マーク・ラファロ)が渋くて素敵…。
イライジャ・ウッドが微妙なチョイ役というのも贅沢ですな。
 
実はこの作品、現実と回想と非現実が行ったり来たりして混乱しがちだが、
非現実なジョエルの記憶の中のシーンがとにかく楽しい!
キッチンシンクのお風呂や、室内での雨、突然消える人や物など
シュールかつコミカルな場面がくるくる展開して、非常に効果的で面白い。
この映像の洪水に流されながら、真相がどんどん見えてくるのだ。
二人の出会い〜幸福な絶頂期〜倦怠期〜別れ、
ジョエルの子供時代の記憶に逃げ込んだ彼らの体験などの、
数々の想い出をランダムにアルバムを繰るように目撃しながら、
成長してゆく愛の形の変化を登場人物と共に味わおう。
運命的な出会いや真実の愛を信じる事が出来るかも!

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション
ジム・キャリー ミシェル・ゴンドリー ケイト・ウィンスレット
B0007TW7W8

エターナル・サンシャイン
サントラ ジョン・ブリオン E.L.O.
B0007G8CSE

「エターナル・サンシャイン」オフィシャルサイト

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January 11, 2006

「バッド・エデュケーション」

[DVD映画]★★★★★

欲望と情熱と好奇心。ゲイの愛、絶対的な母性に対する憧れ。
監督の描く愛の形の根源がここに描かれているのかも…。

ペドロ・アルモドバル監督による
ゲイとゲイでは無い全ての人に捧げられたこの物語。
派手で大胆な色彩と美しい構図、描かれるのは生々しい人間の欲望と愛。
感想は賛否両論、男同士の絡みが苦手な方には勧められないが、
ちょっとしたサスペンス仕立てにより素直に楽しめた。
アルモドバル節は円熟しながらも健在だ。
2004年制作のスペインの作品「バッド・エデュケーション」。
原題は「LA MALA EDUCACION」。
 
1980年、マドリード。
映画の元ネタを収集している新進気鋭の映画監督エンリケの事務所に、
神学校寄宿舎時代の親友イグナシオと名乗る
役者志望の髭面の青年が売り込みにやってくる。
彼は自分の書いた映画の脚本を読んで欲しい、
そしてエンリケの映画に出演させてくれと言うのだが、
エンリケは少年時代と変わってしまった彼の風貌や、
イグナシオではなくアンヘルと呼んでくれという彼の言動に戸惑いつつも
ぐいぐいその脚本に惹きつけられていく。
何故ならそこに彼らの寄宿舎での少年時代の秘密が描かれていたのだ…。
初恋のイグナシオ、彼の脚本「訪れ」にも関心を抱いたエンリケは
この「訪れ」を映画化する事を決意した。
そして、制作が始まったのだが…
エンリケはイグナシオについての隠された真実を知ってしまう…。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

購入していたDVDをやっと観ました。
やはり…巨匠!大好きですっ!!
 
とにかく熱い視線!!
登場人物それぞれの熱っぽい視線がたまらない。
・突然現れた同級生だという美しい青年イグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)を
 好奇心と共になめまわすように見る映画監督エンリケ(フェレ・マルティネス)。
・その監督に対するこれまた熱っぽい青年イグナシオの情熱的な視線。
・天使の歌声の少年イグナシオ(ナチョ・ペレス)を
 涙を流さんばかりに見つめる若いマノロ神父(ダニエル・ヒメネス・カチョ)。
・その初恋?のイグナシオにちらちら目線を配る
 同級生の少年エンリケ(ラウル・ガルシア・フォルネイロ)。
・劇中で登場するサハラ(ガエル・ガルシア・ベルナル)の同僚
 ゲイの歌手パキート(ハビエル・カマラ)の男性を品定めする目。
・ベレングエル編集長(ルイス・オマール)のアンヘルを見つめる愛に狂える視線。
などなど…
男達の視線はなんと情熱的かつ欲望的なのだろう!!!
そしてその情熱と尽きる事の無い欲望は年月を経て数々の悲劇を生むのだ。
 
これらとは逆に遠巻きながら包み込むような女性達のあたたかい想いと眼差し。
絶対的な愛情をもって息子を信頼する、笑顔を絶やさないイグナシオの母と叔母。
目立たずさりげなく世話を焼く、若いメイクの女性(レオノール・ワトリング)。
彼女達が今回登場が少ないながら妙に印象的であった。
ここにはアルモドバル監督の母性に対する憧れや、
ある種のマザー・コンプレックスなどが表現されているのかも。

サハラを演じるガエル君の美しい女装、イグナシオとして見せる初々しい裸体…
反して、彼の中で渦まく欲望を見せる小悪魔的な表情の変化。
エンリケを演じる情熱家ながら繊細で冷静な部分も持つ、
フェレ・マルティネスの不思議な存在感。

エンリケの劇中映画「訪れ」のシーンを回想に使用し、
隠された真実をラストに向かってどんどん解明してゆく、
ちょっとしたミステリー的な展開もこの上なく上手い。
禁断の愛にふりまわされる様々な男達の欲情と欲望。
くり返し語られる新聞記事のネタ、ワニに食べられて死んだ女性の記事。
好奇心と欲望に勝てずに破滅に向かうと判っていながら
愛というものにふりまわされ続ける、そんな不器用な人間達が好きでたまらない監督。
鮮やかな色彩と共に、常に“様々な愛”について描き続ける
アルモドバル監督の情熱と好奇心の根源にふれた気がする、
生々しく美しいゲイ達の愛憎劇を描いた秀作だ。

[特典映像]
・ペドロ・アルモドバル音声コメンタリー
・削除シーン
・メイキング
・フェレ・マルチネス来日インタビュー
・オリジナル/日本版予告編
・ポスター・ギャラリー
・ジャンポール・ゴルチエ衣裳デザインギャラリー
 
バッド・エデュケーション
フェレ・マルチネス ペドロ・アルモドバル ガエル・ガルシア・ベルナル
B000BH4C42

オール・アバウト・アルモドバル BOX
フェレ・マルチネス ペドロ・アルモドバル ガエル・ガルシア・ベルナル
B000BHHYIS
特典映像が全てに付いているのでこれを購入。
「オール・アバウト・マイ・マザー」と「トーク・トゥ・ハー」そして
「バッド・エデュケーション」の3本入りのボックス。
3面デジパックのなかなかオシャレで豪華なパッケージ。
簡単な監督コメント・カード入り。 
 
バッド・エデュケーション ヴィレッジブックス
バッド・エデュケーション
ペドロ アルモドバル Pedro Almod´ovar 佐野 晶
4789725170

「バッド・エデュケーション」オリジナル・サウンドトラック
サントラ サラ・モンティエル ヴィヴァルディ・イプシ・カタルーニャ少年合唱団
B0007OE5F0

 
■ 映画「オール・アバウト・マイ・マザー」のレビュー
■ 映画「トーク・トゥ・ハー」のレビュー

■ ペドロ・アルモドバル監督の作品紹介はこちら
 

「バッド・エデュケーション」オフィシャル・サイト
 

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November 03, 2005

「マシニスト」

[DVD映画]★★★☆☆

あのイラストはドアじゃなくてハングマンゲーム…。
クリスチャン・ベイルの役者根性を観る価値は大!

こんな作品だったとは…予告編にまた騙された!
『366日目からの未体験ムービー』って…何だそりゃ?。
だが、クリスチャン・ベイルの30キロ減量という役者魂は必見。
彼のあの“歩く骸骨”の身体、ポカンとした虚ろな表情無くしては
この映画は成立しなかっただろう!

監督は ブラッド・アンダーソン、脚本は スコット・コーサー
アメリカの出資だが製作はスペインのザ・カステラス・プロダクション。
撮影は全てバルセロナで行われのでスタッフも
プロデューサーがフィルマックス会長のフリオ・フェルナンデス、
撮影は シャビ・ヒメネス、音楽ロケ・バニョス、
その他大勢のスペインのスタッフが活躍している。
なんとバルセロナでL.A.を舞台にした撮影をしていたのだ!
ぼくは怖くない」の怖い母さんアイタナ・サンチェス=ギヨンもキュートに登場。
その他ジョン・シャリアン、マイケル・アイアンサイドもなかなか安心感のある怪演。
物語の謎は伏線となってあちこちにちりばめられている…。
不眠症の男と共に謎を解き明かすまで眠れない映画「マシニスト」?
 
 
いきなり衝撃的なシーンから…。
どうやらす巻きにした死体を海に投げ捨てている主人公らしき男。
そこへ現れる懐中電灯を持つ男が…???
ブリーチ剤で手を洗い鏡に映るメモに書かれた言葉は
“WHO ARE YOU?”

バスルームの床の漂白にすら気を使う、
体重やすべき事などは忘れないように黄色の付箋紙にメモして冷蔵庫に張り付ける、
極めて神経質な機械工=マシニストのトレバー(クリスチャン・ベイル)は、
この一年間眠れずにいる。
痩せこけた身体だが日々勤め先の工場へ通っている。
しかもそんな身体ですら彼がひいきにしている
娼婦スティービー(ジェニファー・ジェイソン・リー)の所、
笑顔に癒されるウェイトレスのマリア(アイタナ・サンチェス=ギヨン)と
会話するのを楽しみに空港のカフェへコーヒーを飲みに行く事も欠かさない。

だが、自宅の冷蔵庫に見覚えの無いメモが。
“ハングマンゲーム”
(首吊り人形の絵が完成する前に隠された単語のスペルを当てるゲーム)
の最初の部分のようで、末尾の2文字が“ER”。
何だこれは?と捨ててしまったトレバーだったが、
工場で出会ったアイバン(ジョン・シャリアン)という謎の男の登場により、
同僚のミラー(マイケル・アイアンサイド)や、
彼自身にも不可解な事件が起きはじめた…。
日に日に増す怪事件により精神的にも社会的にも追い詰められてゆくトレバー。
彼の眠れない理由とは?
そして、彼は安眠する事ができるのか…???

以下結末は書きませんが若干ネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

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ぎょっとするシーンも多いが
一年間眠れない眠れない原因を主人公と共に
視聴者も謎解きに参加しながら進むいたってシンプルな作品。
現実と虚構が同等に交錯する描写の増えた昨今では、
特に目新しい手法ではないので途中ちょっと混乱するけれど、
勘の良い人はすぐこの仕掛けに気づくかも。

・ハングマンゲーム
・ブリーチ剤
・車のライター
・とんがりブーツ
・1:30
・母
・ルート66
・天国と地獄
・743CRN

そして…「ソウ」同様のタイトル「マシニスト」。
彼は母親想いで神経質で生真面目な機械工。
不眠症は彼の性格によるものであったのであろう。
父親のいないマリアの息子のニコラスと自分を重ねているがゆえに…。

ラスト近くで出てくる元の姿のクリスチャン・ベイルのほうが驚き!
まるで別人ではないか!!
体力の限界で行われた演技による、極限状態のリアルさ。
暗く汚れた地下道をヨロヨロ走る姿、
骨の浮き出た身体でのベッドシーンは印象的だった。
そして、全編に渡る独特の色調…特に空の色と青白い蛍光灯の部屋、
ヒッチコックを思わせる、テルミンを使用した不思議な音楽と、
何もかも怪しく思える、奇妙な緊迫感。
ストーリーはともかく雰囲気はなかなか味わえる。

ちなみに長く眠らないでいると、幻覚や妄想に悩まされるそう。
夢によって記憶が整理されているというし、
睡眠というのは身体にも脳にとっても大切なのだ。 
 
[特典映像]
・30分のメイキングがなかなか面白い!
 (真夏のスペインでのロケや製作秘話が満載)
・未公開シーン
 (たしかにネタバレになるので不必要なシーンだった。
   映画がよく分からなかった方は観ると良いかも)

マシニスト
クリスチャン・ベール ブラッド・アンダーソン ジェニファー・ジェイソン・リー
B000A2I7L2

ノベライズ
マシニスト
Scott Kosar 入間 真
4812419336

 
「マシニスト」オフィシャルサイト
 

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October 27, 2005

「ヴィレッジ」

[DVD映画]★★★☆☆

とてもセツない気分だったんだけど、
このどんでん返しのぶっとび具合には思わず笑いが…。

またもや騙されてしまった!シャマラン監督!!
ゲラゲラ笑いながらもセツなくなりました。
突っ込み所は沢山あるけど、
この“俺の空”的?なぶっとび感は「シックス・センス」より好き♪
しかもウィリアム・ハートだのシガーニー・ウィーバーだの…
ワキ役の豪華な俳優陣にも恐れ入りました。ハイ。
そんなM.ナイト・シャマラン監督による2004年アメリカ作品「ヴィレッジ」。
怖〜いスリラーかと思ったら、なんとゆがんだ愛の物語。
 
 
とある深い森に囲まれた周囲から孤立した古き良き時代を彷佛させる小さな村。
ここで7才の子供のお葬式がしめやかに行われていた…。
1890年〜1897年
村人全員が家族のように一緒に食事をとり、助け合い、幸せに暮らしている。
子供達が駆け回り、大人達がそれを微笑ましく眺め、若者達は恋をする…。
そんな一見、理想郷のような村には、奇妙な掟があった。
“森に決して入ってはならない”
“不吉な赤い色は土に埋めて封印”
“警告の鐘に注意”
これらは森に住む“彼ら”との協定なのだ…と、
村の年長者達は若い者達に教えていた。
そして、毎晩“彼ら”が来ないように寝ずの見張り番をたてている。
だが、ある日その掟が破れらた。
盲目の少女・アイヴィーは、大ケガを負ってしまった婚約者ルシアスのため、
町から薬を手に入れるために、森を抜けて村の外に出ることを決意する…。
そして父親から教えられた衝撃の事実…!!!
彼女の愛は彼の命を助ける事が出来るのだろうか???

以下結末は書きませんが若干ネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

謎、不安、秘密だらけ。
事あるごとに集会している年長者たち。
閉鎖されているが平和な村………だが、どこかがおかしい!!
無口だが好奇心旺盛で勇敢な若者ルシアス・ハント(ホアキン・フェニックス)と、
精白ゆえに掟を破っても許されてしまうノア・パーシー(エイドリアン・ブロディ)、
勇敢で真摯な盲目の少女アイヴィー・ウォーカー(ブライス・ダラス・ハワード)、
この友人達の関係が愛によって変化し始めた時。
村の平和を根底からゆるがすような展開となり、
思惑は意外な方向へ進んでしまった。

年長者達の語る町への異常なまでの嫌悪。
醜い外の世界にはふれないほうが幸せだと語る。
掟によって若者達は幼い頃から臆病になり、
森の“彼ら”への恐怖心は事件によって更に増幅してゆく。
だが、薬を入手出来ずに命を失う村人達もいる中で、
掟を疑問に思うルシアスのような若者も出て来た。
一見ユートピアのようなこのコミューンに、
遅かれ早かれ起きるべくして起きてしまった事件。
目の見えないアイヴィーは“見ず”に“感じる”事で救われた。
見えない事により情報量は減るけれど、そのほうが幸せな事もある。
このあたりが皮肉にもこの作品のテーマになっていたのだ。
何ともセツない物語ではないか…。

アイヴィーの見る色…愛する人の色…それを決して教えないのは
不吉な赤い“彼ら”のまとうケープ、赤い木の実、赤い花…
きっとそれらと同じに見えたのだろう。
となると…彼女に色の見えない人は…ちょっと寂しい。

そんな悲しい気分だったが、お約束の衝撃の事実には大爆笑。
もしかして…ってのを超えていた!
そりゃスゴイ!!ぶっとんでるなぁ〜もう!!
全ては必然によって未来へとつながる。
最初は絶望的だったが、アイヴィーによって
ほんの少しだけれど、村人達の未来への可能性が残った気がして、
セツなさも時間がたつにつれて希望に思えてきた。
でなければ…寂しすぎる。
 
さて、シャマラン監督の登場の仕方、今回は上手いね!
こういう趣きのある手法は好きだな。

ヴィレッジ
ホアキン・フェニックス M.ナイト・シャマラン エイドリアン・ブロディ
B0001A7D0E

 

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