「ポーの一族」
[コミック]★★★★★
前日の「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のところでちらりと触れた、
萩尾望都さんの「ポーの一族」(1974 年小学館)というコミック。
描かれてから、30年もたっていて今なお面白く読む事が出来た作品。
友人に貸すといつも返って来ないコミックで実は購入3回目。
借りると返したくなくなる名作といったトコロでしょうか。
ポーの一族=バンパネラ(吸血鬼)の一族になったエドガー少年と
その関連人物達の1750年ごろから1976年までの実に約220年の間の物語である。
第1話では、ポーツネル男爵、妻のシーラ、エドガー、
そしてエドガーの実の妹のメリーベルの美しい4人が家族…バンパネラの一家として
とある街にやってくる。
そして、この1話目でいきなり家族を失う事になるエドガーが、
これまた突然孤独になってしまった少年アランをつれて、
長い時の旅路へと旅立つのだ…。
最愛の妹メリーベルを失ったエドガーがアランに言う。
「君はどうする?…来るかい?
おいでよ…。君もおいでよ。ひとりではさみしすぎる…」
その後、時系列の順序はバラバラ(何とも斬新!)に1話、
1話と読みすすめるうちに、彼等の生い立ち、どうしてバンパネラになったのか、
が解きあかされてゆく。
身体が一度死んでしまったバンパネラは齢をとらず成長しないので、
エドガーとアランは時間を超え、国も超え色々な街を渡り歩き、
長い時をかけて数々の痕跡を残す。
ある時は、森の中で少女リデルを拾い育てたり、
学生と国定公園で一夜を明かしたり、
西ドイツのギムナジウムに入学したり、降霊術の集会に出席してみたり…
数々の遺書や日記、証言、絵画などによって点と点はつながり、
それらが彼等の『存在した』証拠となる。
そして、奇しくもエドガーが人間であった時の子孫達と出会う事になるのだ。
霧に包まれたポーの村。そこではバラが咲き乱れ、
その花びらを煮詰めたバラのお茶を飲むバンパネラ達。
永遠に時が止まってしまった彼等は新しい生気(エネジイ)を人間から奪い、
お互いに分け与え、存在する。
人間に悟られないように『息をしているふり』『鏡に映るふり』
『怪我をして痛いと感じるふり』など、常に生きているふりをしながら…。
人間からエネジィを奪わねば存在出来ない彼等は、なんともはかなくもの悲しい。
エドガーは思う。
「こんなものになってまで、生きているのか…」
その心もやがて歳を重ねるごとに冷たくひえてしまうのだが、
どこかで、いつも人間だったあの頃、
家族や仲間と過ごしたあの頃に帰りたがっているのだ。
エドガーはそんな孤独な子供のヴァンパネラ…。
このコミックを買ったのは3度目なのだが、
割と新しい文庫サイズになった傑作集のあとがきに、
作家の宮部みゆき氏も「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」にふれていた。
やっぱり、同じ事を思う人がいたのだ!!!(ホッ)
萩尾望都さん…やっぱり天才!!!
ポーの一族 (1) 萩尾 望都
ポーの一族 (2) 萩尾 望都
ポーの一族 (3) 萩尾 望都










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