6 posts categorized "★失われた記憶系"

July 07, 2007

「私の頭の中の消しゴム」

[DVD映画]★★★☆☆

公開時の宣伝コピー『死より切ない別れがある。』
という言葉がとても印象的だった。
愛する人の記憶の中から自分の事が消えて行く悲しみ。
自分の記憶の中から愛する人の事が消えて行く悲しみと恐怖。
妻の病気の悲しい現実と、それを受け入れようと努力する
夫の献身的な愛情表現とやるせない感情がたまらない。

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「私の頭の中の消しゴム」

製作国:韓国(2004)
監督・脚本:イ・ジェハン

出演:
チョルス(チョン・ウソン)
スジン(ソン・イェジン)

「私の頭の中の消しゴム」オフィシャルサイト

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今更…ですが「明日の記憶」で観ていた事を思い出し
やっぱりレビュっておこうかと。

若年性アルツハイマーという言葉が一般に知られるようになり、
ストーリーの予想はついていたけれど、
病気によって消えてゆく彼女の記憶…
崩れてゆく日常をささえようとする二人の愛を
主にチョスルの目を通して
とにかく切なくドラマティックに美しく描いてゆく。

恋人時代、新婚時代の必要以上のアツアツぶりが、
お約束のように後で悲しさを誘う。
孤独で粗野だったチョスルがスジンと出会い、
唯一家族と思える存在になったのに、
妻のスジンが自分の事を忘れ
彼女の元恋人のヨンミンと勘違いして名前を呼ぶシーン。
スジンに“はじめまして”と挨拶するトコロなど、
チョルスの悲しみこらえ震える表情にはジーンときた。

作為的なシーンも多くて少々ベタで
特にラストのほうなどあざとい気もするが
これでもか、これでもか、とつきつけられる
悲しい現実と、それを受け入れようとする
チョルスの献身的な愛情表現とやるせなさ。
一瞬記憶が戻った時のスジンの切ない心遣い。
若すぎるスジンとチョルスにはあまりにも過酷。

彼ら夫婦のなれそめのトコロから、既に病気は進行していた。
この作品は“若年性アルツハイマー”を素材に描いた
とある夫婦の恋愛ドラマ。
画面のいたる所に暑苦しいほど愛が溢れているのが切ない。
“コンビニ”のシーンは…まるで天国。

今後自分が煩う可能性がゼロでは決して無いアルツハイマーという病。
少々健忘症気味のワタシにはちょっと怖いストーリーでもあったが
観ておいて良かったとも思う。
「明日の記憶」でも書いたのだが
こういった映画は“病気の存在を知る”事と
人とのつながりの大切さを教えてくれる。
特に身近な人への愛情は、病に伏した時に痛感するものだから…

B000E40TLW私の頭の中の消しゴム(字)
三木眞一郎 チャ・スンジェ 小林さやか
ジェネオン エンタテインメント 2006-03-10

by G-Tools

私の頭の中の消しゴム SPECIAL BOX (初回限定生産)
チョン・ウソン イ・ジェハン ソン・イェジン
B000AAER4U

私の頭の中の消しゴム
フレデリク・フランチシェク・ショパン パガニーニ
B000AU1JK0

私の頭の中の消しゴム
木村 元子
4094080481

私の頭の中の消しゴム
深田恭子/及川光博
B000R3ALU4

■映画「明日の記憶」レビュー

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July 05, 2007

「明日の記憶」

[DVD映画]★★★☆☆

“若年性アルツハイマー”という病気の悲しい症状。
誰にでもあるちょっとした物忘れが
病気の兆候であったのが他人事とは思えない。
でも、極悪人が登場しないこの映画はとても暖かく
人とのつながりの大切さを教えてもくれた。

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「明日の記憶」

制作国:日本(2005)
監督:堤幸彦
エグゼクティブプロデューサー:渡辺謙
原作:荻原浩『明日の記憶』(光文社刊)
脚本:砂本量・三浦有為子
音楽:大島ミチル

出演:
佐伯雅行(渡辺謙)
佐伯枝実子(樋口可南子)
伊東直也(坂口憲二)
佐伯梨恵(吹石一恵)
生野啓子(水川あさみ)
木崎茂之(木梨憲武)
吉田武宏(及川光博)
浜野喜美子(渡辺えり子)
河村篤志(香川照之)
菅原卯三郎(大滝秀治)

「明日の記憶」オフィシャルサイト

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こういう失われる記憶系の作品を観ると
いつも気付くのが今の自分の幸福さと
周囲の人の存在の有難さ。

完成度の高さやリアルさはともかく、
渡辺謙さんの存在感はやっぱりすごい。
若年性アルツハイマーを
バリバリ働いている広告営業マンが
50を前にして突然この病に侵されてゆく様子を
美しく淡々と丁寧に描いている作品だった。

もの忘れ、めまいや、妄想、パニック状態など
当事者の身に起きた様子を映像的に何とか描こうと
本人の視野でのカメラワークが印象的だ。

樋口可南子演じる愛妻がとても良い妻で…
何て幸せな夫なのだろうと思った。
奥多摩での陶芸教室をとおして結ばれた
二人の恋愛ストーリーとして
美しくまとめあげているので
とにかく美しく切ない。

誰にでも経験した事があるようなささいな症状が
まさか自分の身にも…とつい考えさせられるのではないだろうか。
そして、自分に、近親者に…と思うと
日々生きる事の大切さ、人とのつながりの有難さ
をやはり感じざるを得ないのだ。
ちなみにこの映画には善人しか出て来ない。
だからかもしれないが、とてつもない優しさに包まれている。

こういった映画は
泣こうとして観る映画ではない…
“病気の存在を知る”ためにだ
と個人的にはそう思っている。

B000FPEMX6明日の記憶
渡辺謙 荻原浩 堤幸彦
東映 2006-10-21

by G-Tools

明日の記憶
荻原 浩
4334924468

明日の記憶 オリジナル・サウンドトラック
サントラ 大島ミチル 宮本文昭
B000EWBCEM

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February 13, 2006

「きみに読む物語」

[DVD映画]★★★☆☆

カサベテス母子の描き出す運命的な愛の形。
最後の最後にグッときた!
こんな風に逝けたらどんなに幸せだったろう…
奇跡を起こし続け、初恋を貫き通したありふれた男の物語!
こんなにも超正統派の純愛ラブストーリーを久しぶりに観た!!

監督は故ジョン・カサヴェテスとこの作品にも出演している
女優ジーナ・ローランズの息子ニック・カサヴェテス
原作は若手作家の ニコラス・スパークス
アルツハイマーという重いテーマを扱いながら、
赤い糸で結ばれた“運命的な永遠の愛”を
美しい映像と共に、より劇的に描き出している。
2005年公開のアメリカ作品「きみに読む物語」。
 
 
療養生活を送る老婦人アリー(ジーナ・ローランズ)の所へ
毎日のようにやってくる老人男性デューク(ジェームズ・ガーナー)。
彼はいつも同じ、ある物語を彼女に読み聞かせるのだ。
彼女に起こる奇跡を信じて…。

1940年6月6日。アメリカ南部の小さな町。
休暇で都会からやって来た17歳の金髪ではつらつとした令嬢
アリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)に、
地元の材木置場で働く、自信家だがごく田舎の普通の青年
ノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)は一目惚れ!
観覧車にぶら下がってデートの約束をとりつけたり、
道路に二人寝転んで運試しをしてみたり、
かなり強引なアタックを重ねて遂に二人は恋におちる…。
身分は違うが、いつでも一緒、離れられない二人。
1772年に建てられたウインザー農園をいつか買い取り改築し、
共に暮らそうと結ばれた二人だったが、
アリーの両親に交際を反対され、
彼女は夏の終りを待たずしてニューヨークの学校へ連れて行かれてしまう。
1年間365日毎日アリーに手紙を書いたノアだったが、
彼女からの連絡が一度も無いまま第2次世界大戦が始まるのだった。

この自分自身の物語を興味深く聞く老女アリー。
そして先を知りたいとノアにせがむのだ。
果たしてアリーの記憶は戻るのだろうか???
 

以下ネタバレ有り。この作品を楽しむため、
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

 
* * * * * * * * * * * * * * * *
 
最初と最後、しばしば現れる水辺で戯れる“渡り鳥”白鳥の群れと、
若い二人、白髪の二人の姿。
ちょっと美し過ぎるが、後になる程グッとくる。

老人になった現在の二人と若い頃の二人のエピソードが
交互に語られて少しずつ彼らの過去が明らかになってゆく。
観ているこちらがこっ恥ずかしくなる位に愛しあう恋人達…そして別れ。
離れている間のあまりにも違う彼らの生活…
アリーは戦時中ボランティアで看護をしていた時に知り合った、
富豪の息子ロン(ジェームズ・マースデン)とごく自然にまた新たな恋をする。
ロンのスマートな言葉は最初から最後までなかなか“男前”だ。
一方ノアは戦場から戻り、本格的に失恋した事を知る。
だがアリーの事が忘れられないノアは
彼女との約束のあの農園を買い取り、古い屋敷を狂ったように改築した。
そして寂しさをまぎらわせるマーサ・ショー未亡人とのつきあい。
こんな横恋慕なんかがそれぞれあったが、
結局運命的に再び巡りあう彼らはお互いに
どうしても忘れらず惹かれあう一度しかない“初恋”の相手なのだった。

アルツハイマーで記憶障害を持ち、日々の出来事や家族すらも忘れてしまう
入院中の妻へ、心臓病を患っている夫が彼ら自身の物語を読み続ける。
つかの間でも彼女の記憶が戻る事を願い毎日読み聞かせる…。
子供達に『お母さんが私の家だ』と語るノア。
書き記された『これを読んでくれたらあなたの元へ』というアリーの言葉。
彼女の最期の言葉は『私達一緒に死ねるかしら?』だなんて…。
 
アリーの記憶が一瞬だけ戻った時のノアの喜びよう!
そして彼女が不安になるやいなや、それが去ってしまった時のノアの落胆ぶり。
二人と家族のアルバムをめくるノアの顔…。
ノアにこんなにも愛されたアリー、
アリーもそんなノアをこぼれてゆく記憶の奥で常に愛し続けていたのだ。
それを忘れないよう書き記した物語。
アリーはどんなに不安だった事か!しかもそれすらも忘れてしまう病。
だが、最期にまた奇跡は訪れた!!!

ただありふれた普通の男ノアの、唯一誰にも負けない誇れる事。
『全身全霊をかたむけて愛する女性がいる。
 それは彼女が若くても年老いて病気になっても変わる事は無い…。』
初恋の相手と結ばれ老いるまで共に過ごす事が出来る…
つらい病があったにせよ、何て幸せな夫婦なのであろうか!
出来そうでなかなか出来ない愛の形だ。

前半のゆったりとした夢のような古き良き時代のエピソードや、
ここぞという時に訪れるちょっとした愛の奇跡など、
小説を上回る悪意の渦巻くこの時代に、もの足りなさを感じるかもしれないが、
この作品には病の過酷さ、リアリティを追求してはいけない。
あくまでも“あるありふれた夫婦”の一途な永遠の愛、
運命的な恋愛を描いたこの物語のページをめくりながら、
彼らに起きる奇跡を期待するようになる。
人々に一筋の希望を与える作品なのだと思った。
 
 
きみに読む物語 スタンダード・エディション
ライアン・ゴズリング ニコラス・スパークス ニック・カサヴェテス
B0009X59K4

きみに読む物語 プレミアム・エディション
ライアン・ゴズリング ニコラス・スパークス ニック・カサヴェテス
B0007D3NJ0

原作本
きみに読む物語
ニコラス スパークス Nicholas Sparks 雨沢 泰
4902088584

続編小説
きみに読む物語 ‐もうひとつの愛の奇跡‐
ニコラス・スパークス 雨沢 泰
4902088843


「きみに読む物語」オフィシャル・サイト

 
75歳を越えて増々円熟した演技が素晴しいジーナローランズの出演作品
■映画「フェイシズ」レビュー
■映画「こわれゆく女」レビュー
■映画「グロリア」レビュー
■映画「スケルトン・キー」レビュー

■監督:カサベテスファミリー・カテゴリー

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January 22, 2006

「バタフライ・エフェクト」

[DVD映画]★★★★☆

記憶系の作品かと思ったらタイム・トラベルものだった!
少々荒っぽいけれど、全く先が読めないので最後まで楽しめる作品。
君は一体何処まで戻り続けるんだ!!!!!

愛する人のために過去を変えようとする、
ある特異体質の青年を描いたサスペンス・ドラマ。
脚本・監督はエリック・ブレス&J.マッキー・グラバーの二人。
緻密に仕組まれたストーリーはざっくりしているがなかなかのもの。
スピーディーで、アッと驚く展開と
過去に戻り続ける主人公の行動からは目が離せない!
2003年アメリカ制作の作品「バタフライ・エフェクト」。

以下がっちり、ネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

* * * * * * * * * * * * * * * *

冒頭の緊迫感からして上手い!
次はどうなるのか…最初から最後までドキドキしどおしだった!!

誰かに追われながら必死でメモを書く男。

「もし誰かがこれを見つけたら、それはぼくの計画が失敗した証拠。
 その時ぼくは死んでいる。でももし最初に戻れたら…
 その時はきっと彼女を救えるだろう         エヴァン」

その13年前、エヴァン7歳。
ショッキングな出来事を体験すると?ポッカリとその間の記憶喪失を起こす事が発覚。
エヴァンが自身の知らない間に書いた残忍な絵を先生に指摘された
母アンンドレア(メローラ・ウォルターズ)が彼を心配して病院へ。
その時からエヴァンは治療として日記をつけ始めた。
友達のトミーとケイリー兄妹の家で遊んでいる時。
そして…精神病を患う父親に面会している時。
やはり部分的に記憶が無い…。

その6年後、エヴァン13歳。
成長した悪ガキのトミー、可愛いケイリー、おデブ君のレニーと
爆弾で火遊びをしていたつもりが、大事故になってしまった時。
映画「セブン」を観て映画館でケイリーにキスした事から
エヴァンの愛犬クロケットが悪戯されて死んでしまった時。
やはり肝心な部分の記憶が無い…。
この事故が元でエヴァンは遠くに引越す事になってしまう。
引越トラックの窓から愛しいケイリーへ見せたメモには
「君を迎えに来る」と書いてあった。

その7年後、エヴァン20歳(アシュトン・カッチャー)。
優秀な大学生で記憶の研究をしている彼は、ルームメイトと
7年間記憶喪失が無かったと祝っていた。
ガールフレンドと7歳からずっとつけていた懐かしい日記を読みはじめたところ、
ある部分を読んだ時、日記の文字が揺れはじめ…周りの景色が変化しはじめた。
そう、愛犬クロケットの事件の場面にタイムスリップしてしまったようだ。
そして自分の失った記憶が鮮明に甦りはじめた…というかまるでその場に居た???
スリップした時と同じように急激なショックにより
また現在に戻ってきたエヴァンの鼻からは大量の鼻血が…
だが、自分の失った記憶の一部の復活に興奮が隠せない!!!
そして幼なじみの彼らに会い、記憶の抜けた部分の話しを聞き出そうと、
久々に故郷に帰るのだが…
そこで目にしたのは…自分とは違った厳しい現実だった。
プラモデル作りをして自宅に引きこもるレニー(エルデン・ヘンソン)、
セクハラを受けているウェイトレスのケリー(エイミー・スマート)、
刑務所帰りで修理工としているトミー(ウィリアム・リー・スコット)の噂…。
エヴァンとの再会に喜ぶケリーに、
例の事件やおぼろげな記憶について聞き出そうとすると、
彼女は顔を曇らせ、怒って帰ってしまった。
そう、彼女は約束通りにエヴァンが自分を迎えに来てくれたと思ったのだ…
それに気づかず、自分の失った記憶に夢中なエヴァンに失望し
幼い頃からの小さな希望を失った彼女は、何と絶望のあまり自殺してしまう。
それをトミーの電話で知り、決して忘れたわけでは無い約束への後悔の念と
すぐそこまで怒ってやって来ているトミーに殺される…
と生命の危機に瀕したエヴァンは、
“彼女を救いたい”という一心で、過去を変えてみようと決心した。

そして7歳の時のトミーとケイリーの父親ジョージ(エリック・ストルツ)との
映画ごっこの場面にタイムスリップ!
幼い子供に酷い要求をするケイリーの父親を罵倒した結果、実験成功???
再び目覚めるとベッドの隣にはケイリーが…。何とラブラブ状態♪
エヴァン自身も大学で優秀な大学生のようで彼のクラブまであるようだ。
クラブあげてケイリーとのロマンチックな夜を演出している所に、
相変わらずの乱暴者のトミーが、エヴァンを殺すべく乱入!
恐怖と憎しみから逆にトミーを殺してしまう!!
そして極悪人揃いのアメリカの刑務所にてつら〜いムショの洗礼を受け、
こんなトコロでやってられるか!
と同じ房の信心深い青年を味方にするため、小学校で書いた絵の場面へ。
そこで…自分の手を傷付け、またムショにリターン。
すると例の鼻血と共にキリストのような傷跡が掌に…。
すっかり信じた青年と共謀し、この現実から逃れ新たな人生を目指すために
再び過去へとタイムスリップ!
エヴァンとケイリー、その家族や友人達は
次の人生で果たして幸福になれるのか???

 

一瞬自身も何が起きたのか戸惑ってしまう!
幼い頃のスッポリぬける記憶の状態。
揺れる文字から周りが変化し一気に過去へと戻り目にする衝撃的なシーン。
何度も目まぐるしく流れるエヴァンの記憶の渦。
そして猛烈なスピードで思わぬ方向へ再構築される新たな人生。
エヴァンの目を通して観客も彼の意志による些細な変化から
周囲もろとも大きく変化する彼の人生を何度も経験する事になる。

“バタフライ・エフェクト”とは
「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」
=初期のごく小さな差違が、将来的に予測不能な大きな違いを生じる、
というカオス理論をテーマに、人間なら誰もが考える、
「あの時にこうしておけば!過去に戻ってやり直せたら!!」
こんな願いの結末を、これでもか、これでもか、とくり返し見せつける。

エヴァンは自分の失った記憶の時点限定で
自分の書いた日記や記録を“見る”事により過去へ戻れる能力を持っている。
逆に記憶の無いのは、未来の自分がそこ行動しているからでもあり…
この記憶を失った部分にのみ過去に戻れるというアイデアはなかなか面白い。
しかも、そこで新たに行った行為は極端に周囲にまで反映され、
全く違った世界が再構築されるのだ。
エヴァンがこれまでの全ての人生の記憶とを持っているのがミソ。
「失敗しても再チャレンジ!!」とばかり、
失った記憶を取り戻したい気持ちも手伝って、
その能力を駆使して何度も何度も過去を変えるハメになる。

エヴァンの父の言葉。
「この能力は他人の人格を変えてしまう、神のまねをしてはいけない。」
しかしエヴァンは、
愛するケイリーの命を救うため、
自分や家族の幸せを実現させるため、
鼻血を出しながら、脳を傷付けながら、何度も日記を見て過去に戻る。
だが、彼が過去に戻って、善かれと思って行った以前とは違った小さな事が、
周囲にとてつもない影響を及ぼし、それは必ずと言っていい程、
最初よりもより悪いほうへ、特に自分へと影響を及ぼしてゆく…。
まるで、幸せの量は一定なんだよ…と言わんばかりに、
人の人生までをも変えてしまう“過去を変える”という
神の領域に手を出してしまった彼に対する仕打ちなのか?。
結果的にケイリーと結ばれる幸せを犠牲にする事によって、
その他の幸福を手にしたのだろうか…。
あのラストシーンは運命的でもあり、
新たなる恋と人生の始まりを臭わせてもいて結構好き♪。


[特典映像]
別エンディングは必要無し。観なきゃ良かった。興醒め。
監督達も、これは無い!と思ったものは入れないで!!!
 
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
アシュトン・カッチャー エリック・ブレス J・マッキー・グラバー
B000AM6R00


「バタフライ・エフェクト」オフィシャル・サイト
 

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January 12, 2006

「エターナル・サンシャイン」

[DVD映画]★★★★☆
 
記憶を消してしまいたいほどの恋って???
実に不思議なラブ・ストリー。
豪華なキャストながら、役者さん達が演技の新境地を見せていた。
特にジム・キャリーとケイト・ウィンスレットは、
これまでにないキャラクターでは???

ヒューマンネイチュア」のコンビで、
脚本チャーリー・カウフマン、監督ミシェル・ゴンドリー
記憶を消したカップルと、その記憶を描いた、
風変わりっだけれど、実に古典的で切ないラブ・ストーリー。
2004年制作のアメリカの作品「エターナル・サンシャイン」。

ヴァレンタインデーを前に、独り寂しく帰宅したジョエル(ジム・キャリー)。
最近喧嘩して別れてしまったクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)に
会いに職場の本屋に行ったのだが、彼女は自分の事をすっかり忘れて、
新しいボーイフレンドがいた事にショックを受けていた。
だが、実は彼女は特定の記憶を消す仕事を請け負うラクーナ社に
彼の記憶を消去する依頼をしていたのだった…。
ポストの中にそれを知らせる手紙を発見したジョエルは、
彼もクレメンタインの記憶を消す事を決意!
彼女との想い出の品々を集めてラクーナ社へ!!
一晩で彼女の記憶をリセットし、新たに出直すために…

以下がっちりネタバレ有り。
これから観る方はこの先を読まない事をお勧めします

* * * * * * * * * * * * * * * *

“○○はあなたの記憶を全て消し去りました。
 今後、○○の過去について絶対触れないようにお願いします。
                       ラクーナ社”

突然ポストにこんな手紙が入っていたら?
恋人や家族でなくても誰もがまず信じないであろう。
実際記憶を無くしていたら、どんなに悲しく寂しい思いをするだろう?
だからまだ彼女を愛しているのに、そんな現実に耐えられず、
ジョエル自身も記憶を消そうとするのだが、
その作業中に眠りながら夢の中で記憶を辿るうちに、
忘れたくない彼女との幸せで美しい数々のエピソードを思い出し、
ドクター・ハワード(トム・ウィルキンソン)に伝えていない、
古い記憶の中へ隠れようとする。
だが、どんなに「やめてくれ!」と叫んでも、あとのまつり。
しかも新しいボーイフレンドはラクーナ社のパトリック(イライジャ・ウッド)?
いてもたってもいられないジョエルなのだ!

しかもあんないい加減な作業で、
そんな簡単に都合良く“二日酔い程度”のリスクで
特定の記憶…忘れたい記憶だけを消す事が出来たら?
もしくは、忘れたくないのに忘れさせられてしまったら?
確かに便利そうだが、実は無意味だったりするのでは。
病気や事故なんかで記憶を失うのとはわけが違う。

この二人もやはり記憶を消しても振り出しに戻り、また同じ事をくり返す。
やっぱり出会うと惹かれ合ってしまう所がちょっと運命的。
だが、自分の無くした過去を知ったからこそ、
最後にやはり“イエス”と言えたのだと思う。
それにしても、まさか…あの人まで記憶を消していたなんて!!!。
こればっかりは気づかなかった!この人も同じ事をくり返しでいたし、
あの、ラクーナ医院で飼い犬を忘れようとしたご婦人も、
きっとまた犬を飼ってしまったような気がするなぁ。
自分の過去の行動にはある程度責任を持って、
つらい事でも受け入れ乗り越えるのが、学習であり人生の醍醐味。
愛情は深く心は広くなるというものだ。

ところでジム・キャリーってこんなに素敵だっけ?
生真面目な面白くない普通の男、いい人ジョエルを好演。
青だの赤だのグリーンだの髪の色がコロコロ変わる自由奔放なハデハデ姉さん、
気分次第でストレートに発言し行動するクレメンタインを演じる、
ケイト・ウィンスレットも若く見えてキュート。
不倫の受付嬢メアリー(キルステン・ダンスト)もこういう役にはぴったり。
個人的にはドクターがの右腕スタン(マーク・ラファロ)が渋くて素敵…。
イライジャ・ウッドが微妙なチョイ役というのも贅沢ですな。
 
実はこの作品、現実と回想と非現実が行ったり来たりして混乱しがちだが、
非現実なジョエルの記憶の中のシーンがとにかく楽しい!
キッチンシンクのお風呂や、室内での雨、突然消える人や物など
シュールかつコミカルな場面がくるくる展開して、非常に効果的で面白い。
この映像の洪水に流されながら、真相がどんどん見えてくるのだ。
二人の出会い〜幸福な絶頂期〜倦怠期〜別れ、
ジョエルの子供時代の記憶に逃げ込んだ彼らの体験などの、
数々の想い出をランダムにアルバムを繰るように目撃しながら、
成長してゆく愛の形の変化を登場人物と共に味わおう。
運命的な出会いや真実の愛を信じる事が出来るかも!

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション
ジム・キャリー ミシェル・ゴンドリー ケイト・ウィンスレット
B0007TW7W8

エターナル・サンシャイン
サントラ ジョン・ブリオン E.L.O.
B0007G8CSE

「エターナル・サンシャイン」オフィシャルサイト

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September 11, 2004

「メメント」

[DVD映画]★★★★☆

観終わったあと、もう一度確認したくなる作品。
公開時にまず映画館で観た。2000年アメリカの映画。
監督はクリストファー・ノーラン。この「メメント」が出世作。
原案は弟のジョナサン・ノーランの書いた短編小説。
そりゃもう面白かった!よく出来ていた!!が、ええっ!それでいいのか〜!!?
冒頭の部分の記憶があやふやで結末に納得できない。ああ!己のアホさが悲しい…。
で、DVDリリース時にもちろん即チェックした。

主人公レナード(ガイ・ピアース)は、過去の記憶はあるにも関わらず、
10分以上前の記憶を保つことが出来ない"前向性健忘"という記憶障害という
変わった障害の持ち主。

そういえば、この障害のある人のドキュメントを観たことがある。
レナードのように何時間かたつと、今まで自分が何をしていたか、
全てを忘れてしまうのだ。
それで、自分の書いた『メモ』をたよりに生活する。行った事を消しながら…。

映画「メメント」は殺人場面から始まる。
保険調査員をしているレナードの家に、ある日何者かが押し入り、
犯人は彼の妻をレイプし、その後彼女を殺害。
どうやらこのショック移行、例の"前向性健忘"障害になったらしい。
そこで、ポラロイド写真に『メモ』を書き込み、
重要な事柄は自分の体に『刺青』を彫って残すようにして
真相を突き止めようとするのだ…。

最初は少しとまどうが、映画が進行するにつれて、
ストーリが未来から過去に向かって逆行していることに気が付き、
観客も主人公レナードと同じように少し前の彼の記憶を辿ってゆき、
過去の出来事を探る事になるのだ。
途中、誰の言葉を信じて良いかわからなくなるのが面白い。
そして、『メモ』に頼って生活をする人物ゆえの衝撃的な事実が!!
ゆえに観終わったあと、どうしてももう一度最初のシーンを確認したくなる。

そんなヒトにDVDならではの嬉しい特典!
逆走していたストーリを時系列に見れるというリバース・シークエンス再生機能付。
これでストーリーの確認はカンペキ!。

メメント
メメント

メメント コレクターズ・セット
メメント コレクターズ・セット
 

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