3 posts categorized "★詩人の世界"

May 27, 2008

「アイム・ノット・ゼア」

[劇場映画]★★★★☆

詩人・アウトロー・映画スター・革命家・放浪者・ロックスター
この6つのキャラクターを6人の豪華キャストが演じる異色作。
様々な側面を持つボブ・ディラン?という人物に
ますます興味が湧いてくる作品。

_______________

「アイム・ノット・ゼア」
原題:I'M NOT THERE

製作国:アメリカ(2007)
監督:トッド・ヘインズ
製作:クリスティーン・ヴァション/ジェームズ・D・スターン
   ジョン・スロス/ジョン・ゴールドウィン
原案:トッド・ヘインズ
脚本:マット・グリーンハルシュ/オーレン・ムーヴァーマン
撮影:エドワード・ラックマン
音楽監修:ランドール・ポスター/ジム・ダンバー

出演:
クリスチャン・ベイル(ジャック/ジョン牧師)
ケイト・ブランシェット(ジュード)
マーカス・カール・フランクリン(ウディ)
リチャード・ギア(ビリー)
ヒース・レジャー(ロビー)
ベン・ウィショー(アルチュール)
ジュリアン・ムーア
シャルロット・ゲンズブール
ミシェル・ウィリアムズ
デヴィッド・クロス
ブルース・グリーンウッド
__________________

シネマライズにて鑑賞。
6人の演じるディランの人格が交差して描かれるため
ちょっと入りにくいのと
エピソードや曲を知らないと面白さ減だが
それぞれのキャラクターのセリフが印象深く
とても面白いつくりになっていた。
まだまだ自分の中で消化出来ていない部分もあるのでざっくりと感想を。

奇しくもトッド・ソロンズの『アビバの場合』のようなものを
想像していたのだが、アプローチが似て異なるものだったかも。
名前も年齢も性別すらも違う6人の物語をとおして
たしかにボブ・ディランという人物像が浮かび上がってくる。

リアルタイムではないのだが一度生で観ていたボブ・ディラン大先生。
その昔その歴史も本にて仕入れて勉強したが
見事に抜けている部分も多く…
もう一度ちゃんとアルバムを聴きたくなってしまう。

前評判どおりケイト・ブランシェットがとにかく似ているというか
性別を越えてなりきっているそのたたずまいと演技が素晴らしい!!!
時代を感じるエピソードも多いので
音楽ファンには一見の価値有り。
ラストのご本人のライブ映像が効いてます。

「アイム・ノット・ゼア」オフィシャル・サイト

B001CSMGOWアイム・ノット・ゼア
クリスチャン・ベイル, ケイト・ブランシェット, リチャード・ギア, ヒース・レジャー, トッド・ヘインズ
Happinet(SB)(D) 2008-10-24

by G-Tools
アイム・ノット・ゼアアイム・ノット・ゼア
サントラ カレン・オー ロジャー・マッギン メイソン・ジェニングス ロス・ロボス ジェフ・トゥイーディー マーク・ラネガン ウィリー・ネルソン エディ・ヴェダー ソニック・ユース ジム・ジェームス

ニューポート・フォーク・フェスティバル 1963~1965 LIVE キープ・イット・シンプル DYLAN ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー

by G-Tools

アイム・ノット・ゼア (クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット出演)
B00130HI4C

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December 20, 2004

「アシク・ケリブ」

[DVD映画]★★★★☆

パラジャーノフの映像絵巻、これにて完結。

以前、「ざくろの色」という作品で熱く語ってしまったが、
それに続くセルゲイ・パラジャーノフ監督の遺作となった作品が
この1988年にグルジアで作られた「アシク・ケリブ」。
彼は親友のタルコフスキーにこの作品を捧げた。
原作はミハイル・レールモントフ、脚本はギーヤ・バドリッゼ、
撮影はアルベルト・ヤブリヤン、音楽をジャヴァンシル・クリエフが担当。

貧乏だが心の美しい吟遊詩人、アシク・ケリブ(ユーリー・ムゴヤン)と
金持ち領主の娘マグリ・メヘル(ヴェロニカ・メトニッゼ)は
もう、まさにラブラブ状態の恋仲である。
美しい花弁を捧げて求婚すれど、マグルの父は貧乏吟遊詩人との結婚を許さない。
そこで詩人は立派な男として戻って来ることを誓い、1000日間の旅に出る。
出掛けてすぐ、マグリへのもう一人の求婚者にハメられ、
アシク・ケリブは死んだと彼の母やマグルに伝えらた。
母はショックのあまり光を失い、
マグルはそれでも約束の1000日まで喪に服すと誓う。

この地方では『結婚式で吟遊詩人が歌う』事とされているらしく、
そして御礼が振舞われるのだ。
アシク・ケリブは神の導き?によって、あちらこちらの結婚式で歌い、
わらしべ長者のごとくどんどんゴージャスに変身してゆく。
もちろん、『ただの結婚式』ではない。
盲目のカップルだったり、戦争好きの王様だったり…、
色々な経験を重ね、優しいだけだったアシク・ケリブは、
外見だけでなく、内面も変貌してゆく…
そんな所へ、明日マグリが結婚するとの情報が。
さて、アシク・ケリブは!!!!!


随所に観られるグルジアのイコンや建造物、民族衣裳など、目をみはるばかり。
それとは対照的な広大な大地…。
パラジャーノフの絵画的な美しい作風はそのままで、
これにはちゃんと“吟遊詩人と富豪の娘の恋物語”というストーリーがあり、
ファンタジーとしても成立している。
美しく、もの悲しく、時にはコミカルでおかしく、そして何よりも愛に満ちた
パラジャーノフの作品の中で最も鑑賞しやすい作品だと思う。
マグルの父など、ほとんど京劇のようなメイクで喜劇役者ような演技である。
以前も書いたがこの監督は15年もの投獄の末、1990年に亡くなった。
彼が作った長篇は
火の馬」「ざくろの色」「スラム砦の伝説」「アシク・ケリブ
の4本のみなのだ(短編作品もまとめてDVD化して欲しいトコロ)。
かなり充実した「アシク・ケリブ」だけに、
この後の作品が無いのが本当に惜しまれる。

[映像特典]
・貴重なセルゲイ・パラジャーノフのドキュメントフィルムが約24分も収録。
・原作者:ミハイル・レールモントフのドキュメントフィルム。
・トレーラー「スラム砦の伝説」「ヴェリー地区のメロディ」
・スタッフ・キャストのフィルモグラフィ
・フォトアルバム
・ムガール音楽「吟遊詩人の歌」

と、なかなか豪華!!!
パラジャーノフが自分の作品や政治権力について語っている!
とにかく熱いオヤジだった。
DVD化を待っていて本当に良かった!
「スラム砦の伝説」も今回同時発売と嬉しい限り…。
こちらのレビューはしばし、お待ちを。


アシク・ケリブ(デジタル完全復元盤)
アシク・ケリブ(デジタル完全復元盤)

書籍

セルゲイ・パラジャーノフ
パトリック カザルス Patrick Cazals 永田 靖 永田 共子

■ 映画「火の馬」のレビューはこちら
■ 映画「ざくろの色 〜サヤト=ノヴァ〜」のレビューはこちら
■ 映画「スラム砦の伝説」のレビューはこちら
 

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September 09, 2004

「ざくろの色 〜サヤト=ノヴァ〜 」

[DVD映画]★★★★☆

『目を開けて見る夢』。
目の前に広がる美しい絵画的な世界に、まばたきを忘れた。
オープニングの赤。ざくろの赤が白い布に染みわたる…。
アルメニアの監督・原案:セルゲイ・パラジャーノフ1968年制作の作品。
しかし、現存する「ざくろの色」は、
1971年にセルゲイ・ユトケーヴィチ監督によって編集された短縮版。
ゆえ、クレジットが2つ。

この映画は18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯に沿い、
全8章の映像詩編で綴られる。

第1章・詩人の幼年時代
    雷雨に濡れた膨大な書物を干して乾かす日常の風景。
第2章・詩人の青年時代
    宮廷詩人となったサヤト・ノヴァと王妃の恋。
第3章・王の館
    王の狩り。神への祈り。王妃との悲恋。
第4章・修道院
    詩人は修道院に幽閉された。
第5章・詩人の夢
    夢になかに全ての過去がある。
第6章・詩人の老年時代
    心傷つき、彼は寺院を去る。
第7章・死の天使との出会い
第8章・詩人の死

しかし、映画の冒頭で
“これはサヤト・ノヴァの伝記ではない。
 詩的世界の心象を映画という手段で伝えようとしたのだ”と語られている。
これは、伝記ではなく、彼にオマージュを捧げたあくまでも映像詩編なのである。

登場人物達は鮮やかな民族衣装をまとい、ほとんど台詞を発せず、
彼等の感情、生活、宗教をサヤト・ノヴァの詩と映像言語で綴っている。
この映像詩編ひとつひとつが一遍の詩を映像で表現した、美しく繊細な動く絵画。
舞台の上の舞踏家達。またはその舞台そのもの。
その絵画のような舞台上ではエキゾチックな音楽や合唱、
詩編をバックに神秘的な儀式が行われるのだ。
時には音楽ではなく効果音、本のページがめくれる音
織物の機械の音だったり、羊の声、馬のひづめの音…
映像と共にあらゆる音が映像詩編を彩る…。

ゆるやかに動くまるで宝物のような映像は、まばたきすると見逃してしまう。
だから、目を開き続けてこの映画を観なければならなかった。
ストーリーなんて関係無い。これはまさに『目を開けて見る夢』なのだ。
この夢に身をゆだねて陶酔する…。そんな映画だと思う。

セルゲイ・パラジャーノフは1924年アルメニア生まれ。
彼のリアリズムを逸脱した自由な表現を嫌ったウクライナ映画行政当局との衝突により
“同性愛”“美術品の不法販売”などの無実無根の罪状により投獄される。
不当な投獄に対して、フェリーニ、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、
トリュフォー、ゴダールといったヨーロッパ中の映画人が抗議運動を立ち上げ、
フランスの作家ルイ・アラゴンのブレジネフ書記長への直談判で釈放された。
この後も2回投獄され、長編作品としては
火の馬」「ざくろの色」「スラム砦の伝説」「アシク・ケリブ
の4本しか製作出来ず、1990年7月20日にこの夜を去る。

彼の死の翌年、日本で開催された「パラジャーノフ祭」でパラジャーノフ作品と出会った。
上記の全てがもちろん上映されたのだが、その中で一番衝撃的だったのがこの作品。
本当に、まばたをする瞬間がもったいなかった。
と、テレビ放映されたものを録画して、友人何人にも『最高だ』と見せてみたが、
ほとんどが、本当に夢の中…もしくは、???(意味が解らない)と
あまり反応がよろしくなかった。
作ったパラジャーノフ自身も自分で作った映画がさっぱりわからなかったらしいので、
当然といえば当然か…。
待望のDVDになって改めて観る。
画質、音質は良いとはいえないが、やはり『宝物』のような映像美。
観る度違った夢に酔って眠ろう…。

<カスタマーレビューに短縮版掲載有>

ざくろの色~サヤト=ノヴァ~
ざくろの色~サヤト=ノヴァ~
 
書籍

セルゲイ・パラジャーノフ
パトリック カザルス Patrick Cazals 永田 靖 永田 共子

■ 映画「火の馬」のレビューはこちら
■ 映画「スラム砦の伝説」のレビューはこちら
■ 映画「アシク・ケリブ」のレビューはこちら
 

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